2013年2月  HUMMER ESSAY 2013年3月      

2013.3.20.    石飛 毅氏

関東地方は、桜が咲き始めました。
チョッと前までストーブがなくてはならなかったのですけど、今日は半袖です。当方の勤務先は土日祝祭日休みですが、ゴールデンウィークを連続休暇(10日!)にするため、今週末は振り替え出勤日になっています。PM2.5測定機が話題になっていますので、会社としては年度末に出勤日が増えたのはラッキーでしょうけど、当方は開発関係なので忙しさには余り関係ありません。
キャンピングカーの電源関係の整備をしていますが、電源関係の強化をしても消費電力を減らすことも考えています。一番簡単なのは、白熱球をLEDに交換する方法ですが、このキャンピングカーに使っている電球はハロゲン球です。電灯器具は12V系は天井に2箇所、窓際にシーリングライト4個、トイレの合計7箇所で大きさは違うのですけど、使っている電球は全て同じ物です。電球自体には表示がないのでワット数は解りませんけど、消費電流は1200mAです。コレをテープ式LEDを並べて殆ど同じような明るさにすると18灯必要になり、それの消費電流は200mAで1/6になります。ただ、電球に比べて発光面積が大きくなるので、天井灯だけLED化を行いました。消費電流が少ないので入り口近くはもう少し明るくしたいので24灯、奥を18灯にして、アクリル板に貼り付けてそれを器具の中に押し込んで完了。天井灯2個点灯させてシステムの消費電流を含めてもたったの1.1Aと激減しました。バッテリーの消費にもう一個関連しているのは冷蔵庫です。
冷蔵庫はAC電源、バッテリー、ガスの3WAY冷蔵庫が付いています。使い分けは、電源のある場所ではAC電源、走行中はバッテリー、電源がなく、停止状態ではプロパンガスで冷やす事が出来ます。ACとガスの場合は余り気にならないんのですが、走行中のバッテリー駆動が問題で念のため冷蔵庫をバッテリーで動かしてみたら約10Aの電流が流れます。となると、冷蔵庫を冷やしながらの走行は結構大きな消費量となりますので、これは問題です。そこで、冷蔵庫のDC電源は親車から電源を引っ張って走行中は牽引車から電気を貰う方法にしようと思います。10A程度ならフォグランプ2個分ですから何も問題がないでしょう。コレだけ、色々考えていますけど、まだ何処かに行く計画は全くありません。どうも、相変わらず新し物好きな性格だけで、本来の目的は忘れかけています。
先週は、子供用自転車のレストアをしました。勤務先の今度小学校に入学する子供ちゃんがガレージに来た時、狭山ハウジングの次男が使わなくなって転がっていたので、頂いたのですけど、暫く放置してあったため、タイヤはぺちゃんこでペダルも回る気配がなかったので、『おじちゃんが治していつでも乗れるようにしてあげる』と約束したので、久々に自転車を触りました。タイヤの方は虫ゴム交換をして空気を入れたら復帰しましたけど、チェーンは殆ど動かず現状のまま化石化する一歩手前でした。そこで、先ず一番浸透性の高いラスペネをしみ込ませて、一個一個手でクネクネさせて解きどうにか動くようになった後、パーツクリーナーでお掃除した後、エアブローして、テフロン系のトリフローを塗り、ペダルを暫く回していると新品のように軽く回る様になり気分が良くなって良く見ると、パナソニックの自転車でした。流石、パナソニックだけあって、パーツ自体は良い物だしマダマダ確りしています。磨くと光るフレームもなんとアルミ製。
折角ベースがいい自転車なので、ノリノリになり変速機の調整、ブレーキの取り付け、LEDライトの修理、鍵の取り付けなど一通り行い、最後に次期オーナーの名前をフレームに入れて完成。新品とまで行きませんけど、半年位乗った位のやれ具合までにはなりました。小学生のやんちゃな男の子に何年も乗れなんていうほうが間違っていますから必要十分です。このままゴミ箱に行く前にもう一度手を掛けて、現役復帰出来た『自転車がとっても嬉しそう!』と、一番満足しているのは当方かも。

天気が良くなって、驚いたのは花壇です。気が付いたらなんかピンクの花が一面に咲いてて、大事なユッカはもとより、アガベとかは埋もれてしまっています。これは一体ナンなんだと思って友野さんに写メを送ると、『雑草ですから抜いてください』といわれて慌てて草むしりをしました。気が付いたのは夕方だったので、暗くなってしまい、まだ抜き忘れがあるので、後日もう一度綺麗にします。
久々に当方のHUMMERを触りました。もう、数ヶ月前にチェックランプが点灯してテスターで原因を探すとグロープラグがNGとのDTCが出ていました。グローの在庫がないので、丁度スカイオートがアメリカに行く時だったのでお願いし、直に手に入ったのですけど、特に支障がなかったので、放置していました。でも、いい加減ランプが付いたままだと、他のDTCが出ても解りませんので、グロープラグの交換をしました。
チェックランプが付いた時にTECH2でチェックしたら、5番シリンダーがNGと出ていたので一応抵抗を測ったら良好だったので、もしやと思いスカイオートに聞くと、V型の場合は必ずしも助手席側が一番シリンダーとは限らないと教わり、助手席側の手前から3気筒目を測定すると、確かに抵抗値が大きくなっていました。この時、DURAMAXの場合は、シリンダー番号が逆だったのを始めて知りました。
スカイオートは、定石で一応8本のグローを準備してくれましたが、TECH2には全てのグロープラグの抵抗値と電流地が解りますので、5番以外に大きくずれているのがなかったので、今回は5番だけ交換する事にしました。グローの配線は、コネクターではなく、スタッドにM4のナット止めでグロー自体は対辺12のディープソケットで外せます。プラグのブランドはBERUと書いてありドイツ製でした。このブランドは大学生の時にNISSANのテストドライバーをしている人からL16エンジン用のプラグが入ったプラグケースを貰った時に、ピンク色のプラグがあって、それにBERUって書いてあった記憶がありますが、それと同じなんでしょうか?一応テスターで再度抵抗値を測ると27.6Ωありましたので、完全に断線しているのではありませんが、ヒーターとして考えると多きい値です。一応新品も測定したら、2.3Ωでしたから10倍です。交換はヒーターホースが邪魔して、手の入り辛い場所でしたが、奥が広くて思いの他交換は簡単でした。チェックランプを消すためにTECH2を繋いで電流値と抵抗を見た所、全てのプラグが良好でした。TECH2の抵抗値が違うのは往々にして金属は温度が上がると抵抗値が上がりますので問題はありません。

2013.3.14.    石飛 毅氏

またキャンピングカーネタなんですけど、仕事が終わった後にガレージで、キャンピングカーの仕様をまだ掴んでいないので、調査をしました。
まず、キャンピングカーの電源は基本的にバッテリーで、充電方法は外部からのAC100Vを接続しないと充電は出来ません。バッテリー駆動の場合には室内灯や水道は使えますけど、AC100Vのコンセントや外照明は使えません。
引渡しの際、スカイオートが2個の内、一個は新しいバッテリーが付いていますと言ってましたので、外部からの電源なしでも数時間室内の照明は使えますし、まだ電欠になったことはありません。ただ、一個は新しいけど一個は古いという事なので、先ずはバッテリーのチェックをしました。多分バッテリーは室内の椅子の下にあると思いマットをどかすと、予想通り大型のバッテリーが2個入っていました。一個はACデルコのボイジャーで、ディープサイクルバッテリーとしては定番でバスボートにもよく使われています。もう一個は知らない銘柄で、端子にネジが切ってあるところからこれもディープサイクルバッテリーと思われます。2個のバッテリーは並列で接続されていますから、DC電源は12V。端子電圧を計ると12.1Vとやや低い電圧です。ボイジャーの方はバッテリーチェック窓があるので、覗いて見ると『赤』これは容量が半分以下だという状態を示しています。点検窓があるということは液式シールドバッテリー?それともAGM?。並列の場合は一個がダメだと充電電圧が上がらなくなるので劣化方向に引っ張られるので、バッテリー同士を繋いでいるケーブルを外して各々測定するとACデルコは少し電圧が上がりましたが、もう一個の方はドンドン電圧が下がります。
恐らく、こっちのバッテリーはダメかも。とりあえずこのバッテリーをどうにかしなくてはならないので固定ベルトを外して取り出そうと思ったら、、、重い!兎に角、重い。生半可な気持ちでは持ち上がりません。バッテリーに跨り両手で思いっきり持ち上げてどうにか取り出しましたが、キャンピングカーの電装品を動かすにはこれくらいのバッテリーじゃないと駄目なんでしょうね。下ろしたバッテリーのラベルを見るとAGMバッテリーで時間率は解りませんけど100A以上はありそうです。そしてその重量は37kgですから、かなり大型バッテリーです。
キャンピングカーの外から繋ぎこんだAC電源は、一旦ジャンクションボックスのブレーカーに入り、そこから充電器とエントランス照明とコンセントに分岐されています。以前のキャンピングと異なり、今回のは電子レンジが付いていませんので、DC12V電源からのインバーターは付いていません。従って殆どの電装品は12V駆動でバッテリーを中心に充電器とバッテリーコントローラーを通して各照明と水道ポンプに接続されています。バッテリーコントローラーは電源回路のON/OFFリレーと電圧が下がりすぎた時にカットしてバッテリーを保護するために付けられています。回路のスイッチはエントランスにあって、スイッチを入れるとこのコントローラーからリレーが入る音がします。
さて、当方が改造したい部分は、AC電源の色々な物を常に使いたいのでインバーターの設置を考えています。ただ、容量の大きいインバーターは高価で大きいし、充電器、インバーターとユニットが別になるので、今までの経験からオールインワンになったUPS電源ユニットを使うことにしました。UPSユニットはAC電源に繋いでいると本体のバッテリー接続端子からはDC、アウトプットからはACがストレートに出力します。接続する12Vのバッテリーは好きな容量の物が繋ぐ事が出来ます。外部からのACが切り離されたり、停電の時にはバッテリーをストレージにしてAC電源を出し続けることが出来ます。今回はキャンピングカーのバッテリーとこのユニットに繋ぐ事で今まで通りDC回路を生かして、外部ACをブレーカーを通った後にUPCを接続して、出力側をブレーカーの2次側に繋がっていた配線に接続すれば、キャンピングカー内は常時同じ条件で機器を動かす事が出来ます。
さらに、この電源は工業用なので連続運転が可能なのと最大2000Wまで使えますから、電子レンジもバッテリーで使う事が出来ます。このUPSユニットの良い所はバッテリーは12Vであれば何でも良い所と、停電時に100が止まらずに供給できることと、通常UPSユニットはバッテリーが内蔵されて、そのバッテリーは割増価格になるのでとても高くなりますが、本体だけ買えば容量は自分のお財布に合わせて安バッテリーを買って増やすだけでお好みの容量を得ることが出来ます。充電も定電圧充電ではなくちゃんとシステマチックに電圧コントロールしながら充電していますし維持充電もちゃんと行っています。過放電防止のために危なくなるとアラームが出て、もう駄目!と言う電圧になると自動停止します。実は一年以上充放電を繰り返した実験を行いましたが、バッテリーを劣化させることなくきちんと動いています。当方が実験したのはディープサイクルバッテリーなのですが、そもそもバッテリーは満充電であればそれ程劣化しませんので、緊急時用であれば安物のシールドバッテリーで十分です。
そして、一番の驚きはこのユニットを売っているのは、静岡のバンダービルトという会社で、何が驚きかというと、この会社の社長は一成さんです。恐らく、これだけの容量でお好みバッテリーが使えるUPSシステムが入っているキャンピングカーは日本にはないと思います。大抵はインバーターと充電器が別々な筈です。キャンピングカーだけではなく、自宅のサーバーとかパソコンの間にこれを入れて、シャットダウン出来る時間が確保出来る小さなバッテリーを繋いでおけば、停電があった時でもデータを壊さないで済みますのでとても便利です。と、何げに一成さんの宣伝をしていますが、価格は時価なので欲しい人は直接一成さんに聞いてください。
さて、駄目になったバッテリーですが、ガレージで充電をしようとしたら充電器が『バッテリー異常』と判断して充電出来ませんでした。かなり痛んでいるみたいです。電圧を計ると10V近辺ですから、普通なら間違いなく廃棄です。しかし、当方としてはそれほど過酷に使った様子はないし、ディープサイクルバッテリーは再生品が結構売られているので、もしかするとこのバッテリーは復活出来るのではないかと、色々な充電器を駆使してどうにか低い電流で充電出来るまで持ち込みました。調べてみると駄目になったバッテリーをパルス充電で復活させる事が出来るという話が一般に広まり、色々な物が販売されています。当方が現在使っている充電器もパルス充電を行っていますが、パルス充電は充電初期に行うだけで通常充電時は電極を傷める恐れがあるので停止してしまいます。それと、パルス充電時の電流も大きいので直ぐに充電完了となってしまいますので、何度も充放電を繰り返す必要があります。
そこで、色々調べた結果、随分前にスカイオートから教えてもらって、ここでも紹介したACデルコの充電器は、メンテナンスモードという裏技があって、少ない電流でじっくり充電する事が出来る機能を持っています。これを使って何度か充放電を繰り返す事で徐々にサルフェーションで付着した硫酸塩を鉛の表面から落とす事が出来るそうです。この機能は地道な努力が必要で長い物は2ヶ月ぐらい掛かる場合もあるそうです。物理的に剥がすのか化学的に剥がすのか勉強不足なのですが、なんとなく物理的に剥がす感じですね。
と成ると元々の電極が確りしている今回の駄目バッテリーであれば、もしかすると使うに十分な復活をするような気もしますし、今使っているバッテリーも時々メンテナンスモードで充電してあげれば更に長持ちするような気がしてきました。そう考えると実体験したくなる性格はもう3歳ぐらいから持っていますので、第12代バッテリー充電器として採用しました。因みに購入したのはACデルコがOEMを受けているOMEGAの方が少し安かったのでこちらにしました。これがあれば最近息切れしてる材木屋のヤバイバッテリーが生き返るかも?今後の経過はまたお知らせします。

2013.3.11.    石飛 毅氏

桧谷さんはココの所クーラントを足しながら乗っていました。
桧谷さんは横着なんだかマメなんだか良く解らない人で、先週、ロークーラントランプが点灯したので、スカイオートが点検した所、漏れ箇所はインテークマニホールド近辺らしく、とりあえず本人は『時々水を足せば乗れるから』とあんまり気にしていない様子。そのくせズーット前からホース類全取っ替えしたいと、部品を集めてて、かれこれ1〜2年ほどガレージに置きっぱなしです。
ガレージにキャンピングカーが来たので、今までのテントコットよりも快適に泊まれると言い出して銀次郎とやって来ました。インテークのマニホールドからとなと、タービンを外さないとなりません。そこで、先ずは冷却水を抜いて内装を外してドックハウスを開けます。中に鎮座しているタービンはオイルでベットリ。触るのが嫌なのですが、本人は掃除したそう。所がこの時点でよく考えると6.5DIESELエンジンの場合はインテークマニホールドには冷却水が来ていないので、インテークのガスケット交換は不要。もし漏れているとしたらフロントのバイパスパイプの付け根からで、それがインテークマニホールドの合わせ目に伝わってまるでインテークから漏れているような感じに見えただけの事でした。確かに思い出すとスカイオートもインテークマニホールドからと断言していた訳ではなく『辺りから』と言ってたような気もします。
要するに、今回の作業にはドックハウスを外す必要なんて全くなかった訳で、この判断ミスが後々めんどくさい事になってしまいました。とりあえず、クロスパイプを外して、様子を見ると合わせ目からクーラントが漏れた跡がありましたので、クーラント漏れの原因は特定出来ました。ただ、冷却水が減る原因はこれだけではありませんので、後述します。この部分はV型の谷間に押し込むので、ガスケットの厚さが厚すぎても薄過ぎても漏れの原因になりますので純正のガスケットを使います。クロスパイプ自体を外すのには、チョッと面倒で、オイルフイーラー筒とアッパー、ヒーター、ウォーターポンプのホースを外します。ただこれだけではエアコンのコンプレッサーとブラケットが邪魔してクロスパイプを固定している内側のボルトの上には個体差によりますが燃料リターンパイプが被さっててアクセスできません。今回も確りリターンパイプが被さっていましたので、コンプレッサーのブラケットを緩めてリターンホースを避けながら外しました。
今回は、ウォーターポンプのホースも交換しますが、このパイプは長さが短くて変形量が少ないため、以前クロスパイプを外さずに強引に交換した時にパイプに傷が入ってしまいました。ですから、このホースを交換するためには漏れていなくてもクロスパイプを外さないとダメなので、漏れ修理と言うよりホース交換作業の序になり一石二鳥です。
一連の作業が終わり、今度はラジエーターのアッパーホースとロアホースの交換に移ります。ロアホースはラジエーターの下からゴムのホース、スチールパイプ、ゴムホースを経てウォーターポンプに繋がります。ラジエーター側はエルボウで距離も長いので交換は簡単ですが、ウォーターポンプ側は距離が短いので、固定されているスツールパイプを緩める必要があります。この作業をしている間に、見たくないものを見てしまいました。それは、オルタネーターの裏側から出ているバキュームホースで、本来はこれがブーストコントローラーとエアコンの室内機に接続されているのですけど、途中で欠損していました。これだと、ブーストが上がらないはずなのとエアコンの吹き出し口のフラップが動かないはずなんですけど、桧谷さんに聞くと気がつかなかったとの事です?
このチューブは案外もろくて、クラックが入ったままのHUMMERを良く見るし、当方も交換したことがあるので、部品をストックしている筈なんですけど、見当たらず、代替えのチューブと交換することにしました。たかだかチューブの交換ですがやってみると分かりますけど、バキュームポンプの裏には中々手が入らないし、苦労するならブラケットを外して外で配管したほうが時間的に早いので、オルタネーターを外して、ブラケットを外すことにしました。
この時、エアコンの電源はオルタネーターに接続されていますが、この配線がオルタネーターに接触してて多少被覆が削れていました。このまま乗り続けてショートしたら結構大事になった筈です。一応ケーブルはコルゲートチューブが被っていましたけど、オルタネーターの直近は曲がりを考えてか配線が剥き出しなので危ない所でした。
バキューム配管の交換を終えて配線も触らないようにして固定し完了。所が、翌日タービンのオーリングを探している間に新品のバキュームパイプを発見してしまいました。代替え品は耐熱性とか未知数なので、何かあったら困るので恒久対策としては純正品と交換するのが当たり前なので、もう一度オルタネーターとブラケットを外して、純正品と交換しました。
タービンは、インテークのマニホールドクロスパイプとタービンの間からオイルが滲んでて真っ黒でした。今回は外す必要はないのですけど、この真っ黒な状態を見たら、どんなオーナーでも掃除したくなるのが人情で、一応『どーする?』と意地悪く聞いたら、『外したいです』と言うので外すことにしました。走行距離も嵩んでいるので、タービンの状態を見たかったので、本人が『いいです』と言っても外したと思います。
タービンの状態はスーパーGoodです。ガタもなく回転もスムーズ。距離が多くてもオイルの管理がよかったため、良好を保てたんだと思います。タービンの軸受部分は微妙で、スピードボックスの社長曰く『絶対にパーツクリーナーを使うな』と言うほど神経質な部分なので、注意深く洗浄を行い、タービンの取り付けも、芯出しをきちんと行って取り付けました。その御蔭か始動時に多少漏れる排気も皆無でした。この取り付けならオーリングもマダマダ使えそうです。
ヒーターホース以外のホースは全て交換しましたが、残念なのは高年式用のステンレスロアーパイプが無い事です。桧谷さんは結構早い時点でスーパークーラントにしていたためか、電食も少なく腐食も少ないのですが、それ以前のクーラントによるパイプの腐食があり、ホースバンド一本では止めきれない漏れも出ていました。古いHUMMERでは接続面がボロボロで大抵漏れていますので、古いHUMMERはチャンスがあったら是非ステンレスのロアーパイプとの交換をお薦めします。
ドックハウスを開けてしまった場合、一番面倒なのは復帰作業です。色々な部品を取り付ける場合、センタードックを外さずに取り付けると往々にして配線がソーイングされてセンタードックを外すとどうしても配線が入り組んでしまいます。その結果、一本短かったり長かったりで最後は目をつぶって押し込むことになってしまいます。桧谷さんのHUMMERの場合はオーディオは分かりやすく配線されていましたが、その後、色々増殖されていますので、一度整理整頓したほうが、今後のメンテナンスの時に気軽にセンタードックハッチを開けることが出来ると思います。
今回もイルミネーションが点かなかったり、一旦帰路に着いた後、スピードメーターが動かなかったりと色々ありました。そもそも、ジャッジミスでドックハウスハッチを開けてしまったことで時間も掛かったし辛い作業になったのは事実です。

2013.3.6.    石飛 毅氏

ガレージに来たもうひとつのニューアイテムはキャンピングトレーラーです。
当方はあまりキャンピングトレーラーは好きではありません。理由は、以前ガレージにあったピックアップの荷台に載せるやつは最初の内は良かったんですけど、段々劣化してコーキングが切れてしまい、雨漏りがするようになり、中はカビが生えてくるし、寝ているあいだにドーっと顔に掛かったり酷い目にあって、そのうち窓枠のコムは抜けるし、キャンピングカーは耐久性がないので、嫌いになってしまいました。それ以来、あまりキャンピングカーには興味がなく最近流行りのやたらとハイルーフにしたトラックベースのを見ると、ユラユラして走らなそうな感じがして興味を持てません。しかし、スカイオートにあったコースターや松原さんのハイエースワイドの自走式でも外観はほぼノーマルなので、走行性能も満足できそうなので、あれならいいなと思いましたが、維持費を考えると経済的に無理です。それに、それ程乗らないでしょうから、『優良中古車作り』なる結果は歴然としています。
そんな感じでキャンピングカーを見ていたのですが、スカイオートでキャンピングトレーラーに宿泊した所、以前、当方の所にあったキャンピングカーと比べて出来が良さそうでした。変なニオイもしないし、窓とかドアが確り閉まるし気密性が高そうです。スカイオートに聞くとヨーロッパ製とのこと、温暖なアメリカ製に比べて寒いヨーロッパのキャンピングカーの設計基準は出来るだけ暖かさを保つらしく、FFヒーターは付いていますが、冷房はありません。また、普通免許で牽引するため、電子レンジや水のタンクは小型です。でもコンロは3口で、冷蔵庫もエレクトララックスの3WYが付いています。収納性も考えられてて、吊戸棚が沢山あって小物を置く棚も結構あります。モチロントイレもありますし、シャワーもあります。
ここに2泊した時点で、スカイオートが売れそうだというので慌てて荷物を下ろしたら、買ったのは小出さんでした。その御陰で、泊まる場所があくなったので、スーパーハウスに泊まりましたが、翌週スカイオートに行くと、トラーラーが帰ってきていました。どうも、連れて帰ったら案外大きくて他の車の出入りに邪魔な所しかなくて、家族からバッシングされて泣く泣く購入を断念したみたいです。
そこで、このトレーラーはまた当方の宿泊所になったので帰ってきたのは当方にとってはラッキーでしたが、これから新社屋工事に入るスカイオートにはアンラキーだったようです。実は元々の仕入れの価格は良い値段してて、そんな事情で小出さんには特別価格だったそうで、それを聞くと確かに格安。そこで、当方も誰か買う人はいないかと探しましたが商売ですから特別価格は誰にでもと言う訳には行かないし、ゴールデンウィーク辺になるとこの手の物は急に需要が出て、右から左でも利益が出ちゃう可能性があります。更に年度末ですから、どうにかしたい様子。そこで、当方ももう一度現品を見て、尚且つ維持費の事や置き場所の事を考えた結果、どうにかなるだろうという事になり導入することにしました。需要期になって高額でも欲しい人が出たら、その時はその時で売ちゃっても良いし、案外気楽に考えちゃいました。

2013.3.5.    石飛 毅氏

DURAMAXコンバージョンから解放されて、重い荷物を下ろした感じです。
ガレージのニューウエポンが2つ増えました。ひとつ目は『良く切れる』ドリルビットです。良く切れるドリルは既に入手していますが、入手したのはSEMAショーです。最初にSEMAショーに行った時にヤスリにも穴を開けることが出来るドリルを見て目からウロコで、とても気になりましたけど、実演販売の方法が何となく怪しくて、騙されるのが嫌で購入しませんでした。所が、次にSEMAに行った時も更にエスカレートした実演販売をしていましたので、もし怪しい物だったら毎年出品しないだろうと思って即断で購入しました。今回入手したのは『月光』というドリルで、是枝くんが探して来ました。
形状はSEMAで買った物はコンクリートドリルみたいに先端にチップが付いているタイプで、事実上の切削を行うこのフラットプレートが超硬だという部分が凄いらしいみたいです。これに比べて月光は形状が普通のドリルと同じで、ケースにはコバルトドリルと書いてありますので、母材はハイスでコバルトが入っている事がチョット違うみたいです。ただ、この月光の先端は常識とは異なっています。普通ドリルビットの先端は、螺旋部分の終端が峯になります。この部分はチゼルと言って刃がないので切削が出来ません。この状態で穴あけをすると先端が逃げてしまいますので、穴を開ける時はポンチを使います。これを防ぐためにシンニングと言って歯と反対側を削って先端を尖らせます。でも、この加工は難しいので、当方はドリルDrを使ってやっています。
月光の話に戻りますが、月光はこのシンニングの代わりに通常ストレートな刃の部分を削って先端を尖らせていました。こんな形状は見た事がないので、チョット驚きましたが、もしかしたらプロの間では裏技的に使わてている方法なんでしょうか?実際に穴あけを行なって居る映像を見るとステンレスでもガンガン削れています。切子の形も普通とは異なりまるで魔法のように加工が出来ます。http://www.bictool.com/gekkou-j/
そこで、ステンレスの薄板で早速テストをした所、その差は歴然としていました。テストの条件はSUS304のt1.5でボール盤の回転は1000rpm。食い込み状態を見たいので、下穴と潤滑はなし。テスト板は芯ブレや逃げを見るために少し斜めにしました。結論から言うと一番はダントツで月光。少し板を斜めにしてましたが、芯がずれることなく、切子が一定に排出されてドンドン削れて行くのが解ります。あまり力を入れないでも、あっという間に穴が空いてしまいましたので、切削面を見るために、もう一度貫通直前で止めた所先端がほぼ点で、綺麗な逆円錐を保って切削性の良さが良く解ります。
2位はシンニングをしたチタンコーティングドリルで、思いの外削れていましたが、薄板なので新動が始まると綺麗な円にはならないで三角になってしまいます。それでも、月光に比べると遅いですが使えるレベルです。残念ながらSEMAは第3位です。切るというより削るタイプの先端は、薄板の場合はまるでヘラ絞りのように裏側にドームを作ってしまいます。これはもっと硬いものをゴリゴリトルクで押し込んで切削をするという感覚で使うみたいで、下穴があれば旋盤みたいに端面に角度を持てるので、サクサク削ることができそうです。最後はノーマルでチゼルが1.5mm位ありますので、穴を開けるレベルには達しません。下穴がないとダメです。
以上、テストの結果、これらのドリルを使い分ける事で、快適で綺麗に、そして経済的に穴あけ加工をすることが出来そうです。月光の価格は15本組で19000円ですが、バラ売りや寿命が来たあとのドレッシングが出来るかどうか不明です。

2013.3.4.    石飛 毅氏

スカイオートで現在進行中のDURAMAXコンバージョン作業ですが、終盤に差し掛かっています。
エンジンの方は無事始動できて、エアコンの動作もOKで、本来の機能は全て順調に稼働しました。全ての動作が確認できたので、仮組み部分や通常復帰の動作、予備検準備など深夜まで総動員で取り掛かり、残すは以前レトロフィットの時に難儀した色々盛り沢山の内装関連です。兎に角、配線は外すこととかメンテナンスの事など全く考えておらず、配線の色もルール無視で尚且つ配線の繋ぎも甘くて接触不良の山です。今まで良く動いていたなと思う位です。配線全てがダメと言う訳ではないのですが、現オーナーの前に施された配線された配線に現オーナーになってから追加した物もあり、今まで複数の人が携わっていたため配線を見ると熟練度に差が明らかに出ています。追加の追加ので配線を追いかけると色々な所に散らばっています。そのため全体が中々掴めず正直な所、触りたくありません。スカイオートの話ではノーマルと色々な物が付いている場合とでは全然工数が違ってくるので、見積もりは『博打』らしいです。このHUMMERは以前もかなりトリミングしましたけど、当方の記憶では更に何かが増えている気もします。この関連は一度必要なもの要らない物を分けて大々的にリセットをした方が良いでしょうね。
HUMMERは配線が見える所にあるため、オーディオやモニター等のデバイスの取り付けはチョット知識のある人なら、問題なく動作させることが出来ます。ただ、HUMMERを知っている業者との違いは部材と工具、そして、整備性の問題をトータルで理解していないと修理期間はトラブル解決や修理より、それ以外のバラシや現状復帰に時間が掛かってしまいます。HUMMERの場合はボンネットに電装品が付いていますし、ラジエーター周りのメンテナンスには普通の車よりボンネットを外す機会が多いので、配線で一体化されてしまいますと、切り離が大変です。
エンジンが室内にも潜り込んでいますから、普通の車ですとボンネットを開ければ済むような案外軽い点検や修理でも、内装を外してドックハウスを開けなくてはなりませんので、配線の長さやコネクターを使って外しやすくする必要があります。案外多いのは運転席足元のカバーで、ここにETCやスイッチを付けてしまい外せるけど配線をカットするなど、簡単に外には車外から出せないと言う事もあります。ただ、このカバーに関しては、足元灯とDLCコネクターが付いてくるので、ハンビーからHUMMER化の設計者はもう少し頑張って欲しい所でした。配線の取り出しも考えて欲しい所です。無闇に電源とか取ると、他に影響が出てしまうこともあります。とりあえず、今週予備検査を受けて試乗を重ねて各動作の確認を行って、イヨイヨ納車も間近の様です。

 2013年2月