2015年2月  HUMMER ESSAY 2015年3月      

2015.3.20.    石飛 毅氏

先週から準備している572HUMMERにデフクーラーを取り付ける作業をしました。
友野さんから事前に送られてきたパーツを見ると、とても1日では終わらないので、金曜日に柏まで引き取りに出かけて、日曜日に友野さんに取りに来てもらう事にしました。
久々に乗った572ですがリアにスタビライザーを入れてから乗ったのは初めてかもしれません。大トルクとLSDの影響なのか、低速でのアクセルオンオフでトルクステアの様に車体がヨロヨロします。高速だと安定するのでLSDが主原因だと思います。572は1度エンジンを止めて冷えるとエンジンが止まってしまうので暖気が必要で、その時物凄く臭い白煙が立ち込めるので、ガレージに到着してそのまま当方のHUMMERと入れ替えました。ガレージに収まった直後に大雨が振り出し、オープンなのでHUMMERが濡れなくて良かったです。
土曜日は、先ずは幌を剥がして、作業開始。メーターは既に取り付けてあるのですけどセンサーの配線は終わっていないので今まではアクセサリーでした。電源やイルミネーションの配線はかなり前に行ったので、思い出しながら作戦を立てます。次にオイルクーラー回りの実況見分。オイルクーラーの配管は施工済みですが、見える所だけで、実際には液は流れていません。これも、今日までアクセサリーでした。アクセサリーだった時はフローはどうでも良かったのですけど、実際にオイルを回わして冷やすには現状の配管では機能しません。
通常、エンジンオイルやトランスファーの様に使っているオイルを循環させている場合は油路が大気オープンになっていますが、今回の場合はラジエーターと同じく冷媒を使っての冷却なので、オイルクーラー流路が密閉オイルの循環が上手く行かなくなります。またオイルクーラーに気層部分がないようにするにはオイルクーラーの中をオイルを満たすには、取り出し口の位置を上にしたり、サージタンクが必要になります。その話を友野さんにすると、サージタンクを友野さんが在庫していたのでそれを預かって来ました。
ところが、サージタンクの場所はオイルクーラーより高い位置に設置が必要ですが、オイルクーラーがハイマウントで、オイルクーラーの取り出し口も上にするとメチャクチャカッコ悪くなる事が判明。更に、572は6、8、12サイズのメッシュホースを使っていますけど、サージタンクはAN10サイズなのでホースも買うか、異型アダプターを使うしかないのですけど、それをするにもキノクニに部品の在庫がありません。色々考えた結果、サージタンクの取り付けは諦めました。その理由は、オイルクーラーが必要以上に大きいので、オイルはオイルクーラーの2/3程度にして、上部に空気層を取る事で流路内のダンパーが取れるようにしました。段取りが決まったので、実作業に取り掛かります。先ずはリアデフのオイルを抜いて暫く放置。オイルが抜け切った所で温度センサーの穴加工。デフに穴をあけるのは勇気がいりますけど、オートメーターのセンサーはネジサイズはアメリカ規格のNPT1/8なので失敗しても1/4に大きくして逃げれるので安心です。
次に循環ポンプの固定。ポンプは元々付いていたT/F用の循環ポンプと同じなのでブラケットを作成して2個を並べて取り付けました。このブラケットは、ポンプの振動が大きいのと、他の572で使っている部品とのバランスを考えて厚さは5mmにしました。シンプルですが中々機能的なブラケットです。
循環する冷媒は冷やすだけなら何でも良いのですが、万が一、デフの中で洩れた時の影響とか、入手性、経時変質が少ないATFにしました。これであれば定期的に交換する必要もありません。ATFの循環はオイルクーラーの底からポンプ、デフクーラー、逆支弁、フィルター、オイルクーラーにしました。本当はフィルターはポンプの手前が良いのですが、ATF自体は機械的な負荷がないので、見た目でに付けたいからで逆支弁も必要ないのですけどカッコいいから付けました。デフのオイルが抜け切れたので、カバーを外したらデフの中が少し変。あれ?と思って考えたらLSDだからでした。でも、トルセンに比べてこんなに小さいとは思わなかったです。
元々、荷台には配管を通すために12サイズのバルクヘッドユニオンが付いていましたけど、この部分は8サイズに交換したので元々の穴だと大きくて合わないので、小さい穴をあけたアルミ板を作成して貼り付けました。ココからデフの入り口からと出口からの配管が通ります。このユニオンからデフまでの配管をした後、大きな問題が発生。オリジナルのデフカバーは1.9mmの鉄板をプレス加工した物なのでデフに固定しているボルトは首下15mm程度のフランジ付きボルトです。しかし、今回取り付けるアルミ製のデフカバーは取り付け部分の厚さが10mm程有ります。従ってデフには5mm程しか掛からないのでデフのネジ穴を壊してしまう恐れがあります。
このボルトがないと作業が進まないので、ネットで色々調べましたが、即日発送出来そうなところは見つからないし、最強のジョイフルホンダではインチネジを扱っていないと言う情報もあったので、駄目元でスーパービバホームに行って見たらUNFのボルトが売ってました。それ程種類はなかったのですけど、希望のUNF5/16-18首下1インチがありました。ただ、売り場の表示はW5/16X25となってたので間違いですね。当方は、ネジゲージを持って行ってあわせましたので、太さ、山の角度の両方とも合ってました。慎重なので、念のためナットも買ってガレージに戻ってからオリジナルのボルトを入れて確認したので、問題解決。これで、作業の目処が立ったので、初日は終了。恐らく友野サンは朝早いと思うので12時前にサッサと就寝しました。
翌朝7時ちょっと過ぎに目を覚ますと、友野さんは既にガレージに到着して何かやっていました。配管は概ね終わっているので、デフカバーを付けてから配線作業が中心になります。572はバッテリーが助手席側のリアーシート下に移動されてます。既に設置されている燃料ポンプやT/Cクーラー等のリレーはリアシート近傍に設置されています。そのお陰でアクセスも簡単でメンテナンス性が高いレイアウトです。今回もこれに習ってファンとポンプと同時駆動のリレーとヒューズをココに取り付けました。ヒューズの容量はクランプメーターで消費電流を測定してリレーの耐電流以下で実電流の2倍程度の物を入れました。
今回飾りから実メーターに昇格したのはフロント、リアデフの温度計、冷媒の温度計、圧力計です。デフの温度計は電気センサーを使った物で配線は途中までやってあります。冷媒の温度計はブルドン管式で油が密閉された配管の先っぽを測定対象に直接入れて熱の膨張した力で針を直接駆動します。圧力計はメーターから測定部までパイプがダイレクトに繋がっています。そのパイプの中に測定液が直接入って針を動かします。温度計はオイルを密閉してありますが、圧力計は開放してメーターまで測定液体を導いて直接針を押す機械式です。どちらも配管が金属なので設置は面倒です。最近は電気式が多いため、殆ど見かけなくなりました。
デフオイルの温度計はデフにダイレクトに穴をあけて取り付けました。デフのドレンボルトをアダプターにして取り付ける事も出来ますが、オイル交換の度に配線を外すのが面倒になるからです。フロントのデフカバーはそのまま流用しました。これが後で問題になるとは思いませんでした。オイルクーラーにATFを充填して、ポンプを回転させて循環しているのを確認し、デフオイルを充填して完了だったのですけど、まだ友野さんからのリクエストが残っていました。

デフ関連の作業が終わり、片付けを始めたら、友野さんから『これも、、、、』と取り出したのは、見た事がない削り出しの強そうなラジアスロッドが出てきました!これの交換は力仕事だし、タイヤも外さないとだめなので躊躇してたら『ブーツが破れてる』って友野さんが言うんですけど、とりあえず交換するならボールにガタが出てからでもいいと思ったのですけど『ブーツが、、ブールが、、』と言うので仕方がなく交換を始めたら、是枝さんがその様子を見てニヤニヤしていました。
このロッドの構造はボールジョイントとアイジョイントが逆ネジになってて、ターンバックルで長さを調整する方法は同じですけど、このターンバックル部分が切削加工品で、オリジナルのパイプとは大違い。ロックの方法も大きめで防泥構造のWナット式です。見るからに高そうです。先ず、装着されているロッドを外します。整備が行き届いててロッドを固定しているボルト、ナット共に固着がなく思いのほか簡単に外れました。次にロッドの長さを測定して装着した後、ロックナットで固定しますが、ボール側とアイ側の長さのバランスが悪くて折角装着したのですけど再度外してやり直し。ブーツに傷を付けないために作業を慎重に行うためタイヤも外しました。この経験を生かして反対側は短時間で終了。これで今日の作業は終わりと思ったら、何とフロントデフからお漏らし発生。下に潜って見るとプレス品のデフカバーを外す時にタガネを当てた部分が変形してて、それを補正しないで装着してしまいソコから見逃す事が出来ない程のオイルが滲んでいたので、これもやり直し。。終わりが一時間遅れてしまいました。満足そうな友野さんが帰ったのは夜中の2時でした。。。

2015.3.2.    石飛 毅氏

今週は先週に続いて、鈴木君のHUMMERのメンテナンスを行いました。
今回はCTISの補修と、シフトレバーの調整、ブロアーモーターの異音消し、オイル交換です。金曜日に仕事が終ったあとにHUMMERを引き取ってガレージに入庫。先ずは、時間の掛かるCTISの修理ですが、フロントタイヤからの漏れなので一応フロントタイヤを外してバルブを水に入浸して漏れの確認をしました。以前、ブルーHUMMERから購入したリビルト品ですが、ほんの少しだけリークしていましたので、もう一度交換。交換した後に水に浸すと一応漏れは止まっている模様なので、タイヤを装着後放置して完了。暫く放置して漏れがあれば新品と交換する事にしました。
シフトレバーは、何時もの様にシフトレバーを操作すると、スターターが回らなくなり、シフトレバーを意識的に押し込むとスターターはチャンと回ります。症状からシフトレバーのスイッチは問題ないので、ミッションとシフトレバーのインデックスが同調していないと思い、シフトレバーの長さを短くして修正。何度か操作してもチャンとシフトレバーのスイッチを押せるようになったのでコレも完了。
ブロアモーターの異音は、始動時に数秒蛙が鳴くような音がして、直に泣き止みますがこのまま放置すると中々泣き止まなくなるので早めに注油が必要です。ブロアモーターを外すと予想通の浸水の履歴というより、エバポレーターの水滴によるミストが影響した腐食がありました。最新のエアコンユニットは構造上ドレン不良により室内機に水が溜まりブロアモーターを水没させたり、エバポレーターから落ちたミストがブロアモーターに進入して軸受けを腐食させてしまいます。今回は腐食の状態はそれ程酷くはないので、水没よりも長い期間ミストに晒されたのが原因だと思います。新品との交換をするほどでは有りませんので、軸受けにタップリトリフローを振りかけて、暫くエージングして所異音が止まりましたので継続使用する事にしました。ブロアの異音発生は時々あるので、ドレンパイプの閉塞の確認と、異音がしたら直に注油をする事をお薦めします。それでも酷くなった場合は交換が必要だと思います。当方の場合はA型のオタクなので、一応新品は準備した後、異音のするブロアモーターを分解して、軸受けをメタルからボールベアリングに交換しました。今の所、問題なく使えています。
仕事が終ってHUMMERを引き取りに来た鈴木君が、沢山の甘平(みかん)と、せとか(みかん)と飲料を持って来てくれました。作業を始めると飲食を忘れてしまうので、本当に助かります。特に果物好きの当方にはこれで十分な作業の対価支給品なので気分が上がります。作業内容を説明した後、リアビューカメラの調子が悪いという話になり、そういえばバックアップ用のカメラがあったのを思い出し、既存のカメラのコネクターとそれのコネクターが似ていたので試しに差し替えて見るとコネクターのピンが偶然合っていたので、そのまま交換しました。中国製のHIDもそうですけど、この手の中国製ってメーカーが違っても使えるのは中々良いですね。
オイル交換の時、何時もドレンプラグのサイズが解らなくなるので、柱に書いてあります。でも、今回書いてあるのを忘れてしまい、結局14-16mmのスパナを掴んで下に入りました。柱にはこの他ラグナットの締め付けトルクとかスピンドルナットの締め付けトルクとか色々書いてあります。そういえば先日スカイオートのブログにタイヤが外れたという記事が載っていました。くれぐれも皆さん気をつけてください。

来週予定している572HUMMERの準備をしています。先ずは、レイアウトの構想を行い、その後、配管部品の選定。572は既にオイルクーラーが付いています。配管も一部されていますけど、この配管(12)が太いので実際の取り回しは大変なので、それを途中からダウンします。友野さんから送られてきたパーツの中にはこの辺りのパーツもありましたので、それらを検品しながら足らない部品の手配をしなくてはなりません。その他に循環ポンプも必要になります。
部品の拾い出しのために、先週レイアウトは書きましたが、再度実態を確認しながら再画して、キノクニに手配しました。その後、ポンプの取り付けを何処にするか色々考えた結果、現在付いているポンプの取り付け位置に2個並べるブラケットを作る事にしました。要求項目としては、車体に加工を少なくする、走行振動と動作振動に絶えて共振しない物としました。その結果、現在ポンプを取り付けているのは車体からのスタッドにナット止めである事から、このスタッドにコの字型のブラケットを確り固定して、浮動固定のポンプは板を挟んで拝み合わせさせる事にしました。
ポンプの固定はブラケットにタップを立てて、長めのボルトで浮動固定します。これで最初のポンプの固定は完結します。もう一つのポンプは反対側に出たボルトをスタッドにしてポンプを浮動固定します。ブラケットの板圧は5mm以上欲しいので、当方には加工出来ないため、図面を書いて業者に発注しました。コレだけの板圧だと曲げが大変かと思い一応溶接構造でもOKとしましたが、出来上がった物はレーザーでカットして曲げ加工で作ってくれました。
取り付け用の穴の他にすこし大き目の穴が空いているのは、以前572の燃料タンクを交換した時に一番奥のナットを締めるのに物凄く苦労した記憶があるので、今回はこのナットにアクセスできるように穴を空けておきました。色は友野さんのリクエストで赤なので、とりあえず白を塗ってその後赤くします。塗装乾燥用の熱電球を貸し出ししているので、塗装が週末まで間にあうかチョッと不安です。
注文したアールズのパーツと、先日、半山しか掛からないネジを追加工するためのタップが届きました。友野さんからも8サイズのホースを送って来ましたが、どう頑張っても足らないので、2M追加しました。
早速、ネジの加工をしましたがタップを最後まで入れても、一山噛むまでしか加工できません。原因はネジが浅くてタップが突き当たってしまうためです。そこで、タップの先端を削って更に掘り込みましたけど、それでも2山程度でその度にタップを削って広げましたけど、どう考えてもネジの深さも足らないので、コレはもう少し掘り込んでからタップを立てないと無理と判断して、デフクーラーを分解して旋盤でチャンと加工する事にしましたので、断念。それと、タップがドンドン小さくなってしまい、次回当方や桧谷サンのを追加工が出来なくなるので、もう一本タップを手配しました。
今週は低気圧のせいか頭が痛くて、何もやる気が出なかったので食事は鈴木さんが持って来てくれたミカンとバナナというまるで南国の様な生活をしました、最近のミカンは本当に美味しいですね。特に違うのは皮が薄くて中の薄皮も食べるのが前提みたいな感じです。価格も高いらしいですけど、コレだけ美味しいと値段も納得できます。

 2015年2月