2015年5月  HUMMER ESSAY 2015年6月      

2015.6.25.    石飛 毅氏

4月に入って良い天気が続いたのでエアコンのGASを補充しました。
しかし、先月初めにはGASが抜けてしまい、洩れ箇所を捜索した結果、少しだけホースが怪しかったので交換しました。もう、大丈夫だと思っていたら、ほぼ同じ期間でGASが抜けてしまっています。今月末には抜けてしまい、ホースには罪はなかった模様です。一応蛍光剤を入れてますので、コレだけの期間でGAS漏れがあるとすると、緑だらけになっているはずなんですけど、見当たりません。室内機のエバポレーターも隙間から見ても殆ど緑は皆無。ホトホト困っていたところ、加藤電機がフラフラっと遊びに来たのでジャンクの室内機を見ながら相談すると『多分、フロントのエキパンじゃないか?』と言うのでジャンクを分解すると外から見えないところにも洩れる可能性のある部分があって、加藤電機と室内機をすこしめくって見たらバルクヘッドに緑色の液体が垂れていました。実は室内機もチョッと前に修理しているので、ココは疑っていませんでした。
こうなると室内機を外さなくてはなりません。と言う事はクーラントも抜かなくてはならないので覚悟が必要です。となると、昨年よりクーラントが滲み始めたアルミラジエターもこの際だから修理をしてしまおうかと少し欲が出てきます。しかし、この時点でのクーラントの洩れは滲む程度だと認識していましたが、もう一度良く見るとフレームにも垂れているのを発見。こうなると一気に片付ける方が得策だと思って作業を開始しました。
この手の作業の時に面倒なのはボンネットの取り外しとクーラント抜きです。ボンネットの場合は一人では運べないので、外した後の置き場に困ります。クーラントは抜く時に大抵飛び散ってしまい、クーラントの組成上中々乾かないでヌルヌルして余り良い気分じゃありません。そこで、今回は以前から計画して材料を準備していた『ボンネットキャリア』の作成を行いました。作成と言っても廃棄されたラックに角材を取り付けただけなんです。ただ、寸法的にボンネットヒンジを避けたり、ボンネットが邪魔にならず倒れない角度は綿密な測定を行い作成しました。当然、キャリアーも大きくハミ出さない最小床面積でボンネットを載せることが出来ます。当然、キャスターが付いていますので、一人でゴロゴロ移動できます。
クーラントは前回からドリルポンプで抜き取りをしています。ドリルポンプはポンプの軸をドリルで回すタイプで、配管の途中にコレをいれてクーラントを吸い出します。自給式ポンプなので呼び水不要です。まず、サージタンク内のクーラントを抜いてからサージタンクを外して低い位置に移動すると高い位置のクーラントがエンジン側から戻ってきます。これでエアコンの室内機を外すには十分な高さまでのクーラントを抜く事が出来ますが、今回はラジエーターを外すので、殆どのクーラントを抜かなくてはなりません。サージタンクに戻ってくるクーラントがなくなったら、サージタンクの下側にある太いホースを抜いて、このホースの中に細めのチューブを差し込んで、ラジエーターのアンダーパイプまでのクーラントを抜きます。2つの面倒な事がクリア出来たのでサッサとラジエーターを外します。
コンデンサー、インタークーラーを外しラジエーターを見ると、前回修理した4箇所の内3箇所から洩れていました。クレーマーなら2年持たないと言うんでしょうけど、これはラジエーターの取り付け方法に問題があるのではないかと思います。ノーマルのラジエーターも時々コアからではなくて船とか枠が剥がれてしまう事があります。これの原因は、ラジエーターの上端2箇所を固定しているヘリコプターフックの振動による物だと思います。HUMMERは高速走行中、共振するポイントがあって、この振動でラジエーターに余分な力を掛けて悪影響をもたらせています。この振動を和らげるには、振動の振れ幅が大きいのでヘリコプターフックにストラットバーのような補強を付けて堅固にするか、共振点を変えて振動数を高くすると効果がありそうです。これは、じっくり考えて、今回は対策をしようと思います
エアコンの室内機を外すにはシートと内装を外すと作業性が上がるのでトータルで考えるとお得です。室内機を外して、ガスとクーラントの接続口を分解してみました。この接続口は1番外側に『配管接続ブロック』次に『エキスパンションバルブ』次にヒーター配管も同居している車体固定用のベースプレートがあり、これに、エバポレーターの接続ブロックが固定されています。トータルで4つのブロックが積み重なっている事になります。このブロック達の固定方法は串刺しになっておらず、一つ一つお隣とボルトで固定されています。ブロック間にはシールが必要なので、それぞれ専用の薄い金属をプレスしてゴムコーティングされたガスケットが使われています。したがって分解すると3種類のガスケットの交換と、6面の清掃が必要になります。
4つのブロックの外から2番目までは室内機を外さないでメンテナンス出来ますが、今回の洩れ箇所は3番目(ベースプレート)と4番目(エバポレーター)の間から激漏れしていましたので、絶対に室内機を外す必要がありました。今回洩れた原因は、分解してガッカリする内容でした。普通は時間が経ってガスケットの破損とか劣化、ブロックの腐食ですが、今回のケースは新品の時の組み立て不良でした。ブロックの固定は、1番外は真ん中1本。その次は、その一本をかわして上下に2本、その次は1番外と同じ位置で1本使って固定しています。外から順番に外して、最後の一本を外すと本当はあってはいけない発泡材が薄く幕を作っていました。要するにココの間に隙間が最初からあったため、発泡剤が隙間に進入た証拠です。本来あってはいけない隙間が出来た原因は締め付け不良ではなく、寸法精度不良というか選定ミスか加工ミスですね。発泡剤を取り除くと、本来は綺麗な面な筈ですが、表面に丸い傷が付いていました。位置的に次のブロックを固定する時のボルトが長すぎて、折角密着しているブロックを押し開いたのが原因でした。
当然、補修には部品が必要なので、スカイオートに連絡すると、流石です!持ってました。色々と、、、スカイオートの話では、この部分からの洩れは結構多いそうで、エバポレーターやヒーターコアの交換時は、この辺りのメンテナンスは日頃から行っているそうです。部品の山を見て驚いたのは1番痛みが酷くて価格が高そうな(実際高価です)車体に取り付けるベースブロックも在庫していました。これは現在国内生産の準備をしているそうです。
部品は、揃ったのでラジエーターの修理が終わったら、折り返し作業を開始します。それまではお掃除とヘリフックがストラットバーに耐えれるように補強溶接します。

2015.6.13.    石飛 毅氏

配線の新しい小物を使い始めました。
現在、配線の分岐は付き合わせ端子を使ったりハンダ付けをして熱収縮チューブで被覆しています。突合せ端子の場合は、接続する配線の太さが異なると不確実な場合があるのと、2回圧着をするため失敗する事があります。ハンダの場合は車載状態の配線をする場合、車内にハンダゴテを準備しなくてはならないので、コテが暖まるまで待たなくてはならないので手が掛かります。さらにハンダが芯線に入り込むため配線の硬さが硬くなり屈曲したときに硬さの境目で断線する事もあります。
今回採用したのはスプライスというパーツで、U型の金属部品です。これは、2本の線を重ねてギボシ端子と同じ様に圧着して固定します。圧着の時配線を一度に持てるので、もう1本手が欲しいと言う事にはなりません。圧着した後に配線を強く引っ張りましたが、外れる事はありませんでした。金具の大きさは幾つかありまして、今回は中(2.5〜5.5sq)小(1.0〜2.5sq)の2種類を購入しました。サイズは重ねる配線の太さの合計で2sq同士であれば、合計が5sqなので、中。1.25sq同士なら小を使います。
熱収縮チューブは多用していますが、チューブなので配線がオープンになっていないとチューブを通す事が出来ません。そんな時はビニールテープや自己融着テープを使っています。ビニールテープの場合は温度が上がるとベタベタしたり、剥がれてしまうことがあるので、この場合は被覆付きの突合せ端子を使います。自己融着テープは、恒久的な場合はいいのですけど非分解前提の場所しか使えませんし、勝手に他の配線と仲良くなる事もあるので、室内にはあまり使いたくありません。そこで、今回、アセテートテープを使ってみました。素材はザラザラした感じで布の様に見えます。接着面はゴム系なので、初期接着力は低いけど時間が経つと接着力が増すみたいです。ビニールテープと異なり基材に腰があるので、テープ同士が張り付いても直ぐにはがれるし、チョッと失敗しても貼りなおしも可能です。価格はビニールテープの5倍ですけど、仕上がりの良さには満足できます。配線が余りにも沢山ありすぎて訳が分からなくなるので、配線に名前を付けることにしました。写真はテープですけど、表示部付きのタイラップも買ってみました。

2015.6.8.    石飛 毅氏

土曜日は、以前、片岡さんのHUMMERから取り外したバックカメラを給食当番が見つけて『付けたい』と切望されましたが、取り外しの時に配線をバッサリ切られていたので『無理』と答えたかったのですが、片岡さんの以前、付けていたナビ派エクリップスだったので、取り付けるVOXYの純正ナビもエクリップスなので、ナビの入っていた箱をゴソゴソすると、RCAではないコネクターもちょん切ってはありましたが探す事が出来たので、途中のケーブルだけを調達して取り付けました。
最近のナビはRCAコネクターを使わず専用のコネクターを使って純正品を買って貰う魂胆なんでしょうけど、汎用品とは価格的に大きな開きがあるので、純正互換のコネクターが売っています。本当は専用コネクターの場合はナビ本体から電源を引く事が出来ますけど、最近のカメラは12Vではなく5Vだったり8Vだったりしているので、基本的に社外カメラ対応の場合は電源を別から取る様になっています。ナビ本体が折角価格が下がっているのですが、オプションの方はマダマダ強気な値段なので、コストを下げるには参考にしてください。
土曜日にHUMMERでスカイオートに行こうとしたら、ナビが動かない。。。先日、アマチュア無線の電源探しをしている時に何か触ってしまった模様です。そこで、日曜日は数年振りにコンソールの配線の整理を始めました。当方は性格的に子供なので、追加する物が多くなるのを予想して、バッテリー、ACC、アース、イルミネーションの配線をカップホルダーの下に予め用意しています。従って、何か装備を追加する場合は大抵ココまで配線を持ってくると電源回りは大抵特別な事をする必要がありません。ただ、問題なのはセンターコンソールを外さないので配線を引く時に他の配線を縫ってしまい、編み物の様になってしまいます。
さらに、セキュリティをほぼフルオプションで追加しているので、各種センサーの配線が多い上に、これらの配線は少し長めに出来ていますので、余った配線があちらこちらでトグロを巻いています。トグロはナビのGPS、VICS、アンプ用のケーブルなど大蛇が数匹いてこれが配線の2悪になっています。そこで、今回は本腰を入れて、これらの蛇を退治する事にしました。ETCやRCAの配線は2-3芯なので、希望の長さにカットして半田付けをすれば手間だけなんですけど、当方に取っては禁断のGPSやVICSの同軸や多芯ケーブルにも手を出しました。そして、B-CASカードもカットしようと思ったのですけど、ナビに入るコネクターのピン数が思いの他多かったので一応ケースを開けて配線の本数を数えたら細いのが15本もモレックスコネクターに刺さってて、これには手を出すと面倒な事になりそうだったので、そのまま素直に蓋をしました。
何しろ今年で20年ですから、配線の方も硬化したり切れそうになっていたりする物もあります。またHUMMERが新車の時は最新であったモニターとかカメラもカメラ本体の他に電源箱やコントローラーがあって本来なら配線数本で終わる物も面倒な事になっています。今回はこの辺りも新しい物にしたりして、電装品が誰にでも分かる様にラベルを付けたりしてキチットやり直しをする事にしました。従って膨大な工数になってしまったので、当然日曜だけでは終わりません。来週もハンダゴテを片手に暗くなってガレージに篭ります。

 2015年5月