2015年8月  HUMMER ESSAY 2015年9月      

2015.9.27.    石飛 毅氏

先週、是枝さんのHUMMERにFSD延命措置を施しましたが、コレの報告がありました。
外気温が23℃でFSDの温度は36℃。その時のエンジンルーム内温度は75℃だったそうです。これは停止状態で測定したので、走行中はもう少しエンジンルーム内温度は下がっているか上がっているかはまだ測定していません。でも、単純計算でFSDは外気温プラス13℃ですから、エンジンルーム内に設置していると88℃以上にはなっています。トランジスターの耐熱温度はスペックシートを見ると150℃ぐらいありますし、半田付けする時には短時間ですが300℃位にはなりますので、88℃程度では早々壊れるものではありません。ただ、長時間100℃を超える状態で使用していると寿命は短くなるそうです。また、温度が下がるとそれなりにですが、復帰する事もあります。
温度測定はFLUKEのビジュアル赤外温度計で、是枝さんが会社から借りてきて見せびらかしてくれました。ガレージにも簡単な放射温度計があるのですけど、余り温度を測る事がないので、是枝さんと逆で会社に置きっぱなしなので、今回はスナップオンの接触式温度計を買いました。買った後、気が付いたのですけど、先っぽを触るだけでは駄目で2cm程測定部を差し込まないと測れないみたいです。。。買わなきゃ良かった、、、
前回もファンを付けた桧谷サンも5年間の間無事なのはエンジンルーム内いではなくFSDをウォッシャータンクの上に乗せているので、どちらかと言うと今回の場所と近いので効果があったと思われます。
先週、鈴木さんは川口湖でFSDが仮死状態になり一旦止まりましたが、FSDが冷えた後、再始動できましたが、翌日完全にお亡なりになって、予備を持っていたので交換して無事帰ってきました。そこで、今週はFSD恐怖症になっている鈴木さんのHUMMERにファンを取り付けました。
現状は、ヒートシンクをバッテリーケースの横に取り付けて、ヒートシンクは外気に晒す場所に取り付けています。今の所、この位置がベストと思われていましたが、鈴木さんのHUMMERはボディリフトしていないので風の流れがなくて本体側の熱が篭ってしまったのかも知れません。使っているヒートシンクは大型の物ですが、フィンに凹凸がありません。大型ですけど表面積は初期に販売されていた物と同等だと思われます。
それとは別に、もう一個ウォッシャータンク側にも初期型のヒートシンクにFSDが付いていました。記憶によるとコレは以前、万が一のために残して置いた物だった気がします。当方の事ですから使えない物を残して置く事はないと思います。試しにケーブルを差し替えると、無事エンジンは掛かりました。もしかすると仮死状態かもしれませんが、冷えている状態だと使えるのであれば、万が一の時にコネクターを差し変えて安全な場所に移動したりできるので、今回はヒートシンクに2個並べて取り付けました。
取り付け金具は加工業者さんにお願いしましたが、カバーは引き続きアルミ棒をバーナーで暖めてクニャリと曲げて作っています。90°の部分はアルミで補強。今回はコネクターの差し替えを想定していますので、カバーを外す時にウォッシャータンクを取らないで外す事ができるようにしました。それと、是枝さんが当方の知らないうちにLED照明を付けていたので、どうせ光物が好きな彼なので、後から付けろといわれるのは想定出来るので、LEDも取り付けました。
ファンの消費電流は250mA程と、電流も少ないので7芯のシールドケーブルを室内に引き込み、電源、アース、回転信号、イルミネーションをメーター裏から取りました。配線のコネクターはお高いのですけど、防水カプラーを使用しました。工業用なので車用途は格が違います。メーターパネルに付けたLEDは、通常回転では点灯で、トラブルで回転にムラが出ると点滅し、停止すると消灯します。外にあるので汚れや跳ね上げた水を避けるためにカバーをしていますので、ファンが止まると冷却効率が悪くなるので、ファンの状態をモニター出きると安心です。
カバーにはマッチポンプにならないように、冷気と暖気を分別するために仕切りを入れてますので、冷却風の流れは上手く行っててボンネットを開けた状態で、風が外に排気されています。ボンネットを閉めた状態ではそう上手くは行かないと思いますので、その部分は今後の課題とします。

2015.9.21.    石飛 毅氏

HUMMERに使われているヘッドライトは丸型の規格品ですが、新車で採用されているのはもうJeep位なので、量販店では電球タイプのシールドビームでさえ見る事が出来ません。
所が最近、風向きが変わってきてLEDの丸型ヘッドライトがこの数ヶ月で沢山出てきました。アメリカではJeepはマダマダ沢山売れているのですけど、ハーレーも丸型7インチのライトを使っているため『led headlight 7 round』で検索すると選ぶのが大変なぐらいのLEDライトが出ています。当方は既にLEDヘッドライトにしているので、ここの所、関心がなかったのですけど、加藤さんに『安いLEDライトはどうでしょう?』と言われて検索して気が付いたのですけど、丸型ヘッドライトが沢山出てくるのは喜ばしい事です。
LEDのヘッドライトは当方が買ったときは3種類位しかなくて、その中でもトラックライトはハンビーに使われてて、それの新型だったのと、マルチリフレクターだったので、購入のキッカケでした。この当時はバルブ交換式のLEDがありましたけど、明るさとヘッドライトとのマッチングが今一だったので『どうかな?』と思っていましたけど、最近はPIAAからも出ているので良くなっているいるのでしょうか?当方としては異型ヘッドライトのマルチリフレクタータイプは発光部の位置がH4バルブと異なるので、発光部がもう少し小さくならないと無理だと思っています。
丸型規格ヘッドライトの良い所は、バルブと本体が一体設計である事が一番の特徴ですから、恐らくバルブ交換式のLEDに比べればどれも使えると思っています。違いは、作りの良さとか使用部品の品質とか見えない部分でしょう。色々見ながら気が付いたのは、プロジェクタータイプのライトが多いです。これはJW-Speakerのタイプで生産された物を参考にして作られた物と思われます。JW-speakerの物がハンビーに使われているトラックライトの初期型と比較した動画を見た所、性能が上回っていたのでチャンと参考にして作られていれば性能的には問題がないと思われます。ですが、初めての物を買うには勇気と人柱精神がないとだめです。アメリカのAmazonにログインすると同じ物が販売されていますので、それのレビューを見ると参考になります。

.2015.9.20.    石飛 毅氏

ミーティングまで後一ヶ月です。
皆さん、健康には十分留意して参加してください。フェースブックに書き込みが多いので、桧谷サンに言われて、確認すると、今月は何も報告していませんでした。。。。すいません。
HUMMER TURO−DIESELエンジンの弱点の一つにFSDがあります。もう一度おさらいすると、FSDの役割は従来の噴射ポンプは機会式で、アクセル開度エンジン回転に応じて燃料の噴射量は機械的に制御されていました。機械式は、かなり長い期間使われていましたが、排気ガス規制でこまかい制御が必要になり、噴射ポンプの一部を電気的に制御を行う物が増えてきました。HUMMERも、NA時代は機械式で燃料カットとかアクセル開度、アイドルアップとかは電気的に制御されていましたけど、アクセルは機械的にポンプと繋がっていました。96年にTUBOエンジンとなった時に噴射タイミングや噴射量はソレノイドバルブ(電磁弁)で制御されるようになり、アクセルペダルも電気的にPCMと接続されるようになりました。
この燃料制御するソレノイドバルブは電流量が多いので、コンピュータで電流をコントロールできないため、小さい電流で大電流を制御できるパワートランジスターでソレノイドバルブをコントロールしています。このユニットがFSDです。パワートランジスターは電動ラジコンのスピードコントローラーと同じで非常に温度が上がります。この温度が上がり過ぎるとトランジスター自体が耐熱温度を超えてしまい、性能劣化が始まり、やがて壊れてしまいます。
症状としては、突然エンジンが止まってしまい、再始動すると何もなかったようにエンジンが掛かる場合は仮死状態で、そのまま使い続けると再始動困難になります。このFSDは燃料ポンプに付いてて燃料で冷却する積りだったのでしょうが、同じエンジンを使っているシボレーのピックアップも同じ様な症状が出るらしく、Vバンクに埋もれているFSDに大きなヒートシンクを取り付けてエンジンの上に移動するキットが数多く販売されています。
当方も、当時GM DIESELクラブに所属していた時にこの存在を知り、シボレートラックよりエンジンルームの狭いHUMMERなので、もっと条件が悪いと思い、早い時期から、このキットを取り付けていました。当方の場合はDURAMAXにコンバージョンするまでFSDが壊れる事はありませんでしたので、当時はコレで安心と思いましたが、当方以外のHUMMERでかなりの頻度で移動しててもFSDが壊れる話を聞き、5年前にそれまで2回FSDを交換した桧谷サンのHUMMERに電動ファンを取り付けました。その後5年間交換なしと言うのを聞いてファンの効果はあると確信できます。
桧谷サンのHUMMERに取り付けた電動ファンは大げさな物ではなく60mmX60mmのパソコンのCPU冷却用の物です。但し、CPU用なので軸受けはボールベアリングでブラシレスの長寿命タイプです。取り付け位置はウォッシャータンクの上で、出きるだけエンジンの熱の影響を受けない場所に取り付けました。
自分がもうTURBOエンジンに乗っていませんので、この件に関しては興味が薄れていましたが、是枝さんはまだリロケーションしていないので、『心配、心配。。。』と煩いし鈴木君も以前路上で止まった事があるので、お守りとして予備のFSDを持ち歩いていると聞くと、どうにかしなくてはならないと思い、色々検討し始めました。FSDの中身はトランジスターだけではなく色々な電気部品が入っています。トランジスターが発熱源になって他の電気部品が壊れても使えなくなりますし、FSDの中は振動で半田が取れないように樹脂で密閉されていますから、熱的には劣悪です。
電動ファンの使い方は『引き』と『押し』方向の2種類あります。実際この2つを比較すると、冷却効果は数倍以上の差があります。扇風機も裏より表の方が涼しいので当たり前と言えば当たり前なんですけど、実際温度を測ると余りにも違いに驚きます。
そこで、FSDを何処に置くか考えるとエンジンルーム内は100度以上の熱源があるので、何処に置いても環境温度は大差ないと考える事が出きるので、最高温度でも40℃を超える事がない外に出すのが効果的です。ファンの大きさはヒートシンクより大きすぎても邪魔だし、ファンの中心は効率が悪いので出きるだけヒートシンクの大きさに合わせて、風向きは『押し』が適切と思いました。そうなるとファンには雨や泥が掛かる事があるので、防水、防塵のファンが必要となります。色々探した所、IP68のファンを発見してサンプルとして3個ゲットしました。スカイオートと相談した結果、一番過酷な使い方をする桧谷サンのHUMMERで実験しようと思いましたが、桧谷サンは今ので満足されているみたいなので、切実な是枝さんのHUMMERを実験台にしました。
今回使ったファンはDC12Vブラシレスモーターで軸受けは両方ともボールベアリング。規格はIP68なので水中でも使える規格です。防塵性も高く、むき出しで屋外で使っても大丈夫です。ファンには3本の配線があり、電源、アースの他に回転検出の配線があります。これにLEDを付けると回転時は点灯して、回転しなくなると消灯しますので、ファンの故障を知る事が出来ます。
是枝さんのHUMMERは97年式なのでウォーッシャータンクの上には付けられないので、当方のCPUボックスと同じ場所に取り付ける事にしました。一応構想を練って説明した後に近所のホームセンターに部材を買いに行きました。先ず、固定方法ですがトウボードにL金具を取り付けて、それにヒートシンクを取り付ける事にしましたが、市販の押し出し材のアルミですと強度的に心配なのでボンネットダンパーの金具が一個余っていたので、これをリベットで固定すると、強度的には十分でした。材質はアルミで板厚は3mmです。
次にファンの取り付け作業に入ります。ファンは4本のM4ビスで固定でヒートシンクの山側に固定なのでチョッと面倒。そこで、ヒートシンクの山の横に穴を開けて、そこにネジを切ったアルミの棒を差し込んでコレを引っ張り上げて固定しました。横方向の穴位置とアルミの棒に切るネジの位置精度が必要ですが、部材の数が少なく保持力も強く何よりも見た目が最高です。
取り付け位置がフェンダーの中なので、幾らIP68とは言えカバーが必要です。何時もの通りアルミ板で作製したい所ですけど、作業が深夜になってしまい、音を出せないので色々部材を探した所、アクリル板があったので、とりあえず板とLアングルで作製しようと思いましたが形状が難しく直角にしたくない部分もあったので、アクリルの曲げ加工に挑戦しました。実は大学生の時にアルバイトでアクリル板を使ったメニュー立てを作った事があるので、その経験を生かしてアルミの棒をバーナーで暖めてアクリル板を乗せて十分暖めた後に徐々に力を入れるとアルバイトの時と同じように綺麗に曲りました。また一つスキルアップ。
回転検出LEDはメーターパネルに設置しました。テストした所、回転が落ちると点灯から点滅に変わる事が解りました。神経質なオイラは温度計が欲しいくらいですけど、そんなことしたらFSDの方が安く付くので本末転倒になってしまいます。

 2015年8月