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572HUMMERですが、リアのパットのエージングが終わり、試運転中に気が付いたのですが、DIESELの場合はアクセルを離すと、燃料カットを行いエンジンブレーキの助けになります。
走行中アクセルを離すとコロコロという音が断続的に途切れますので解ると思います。所が572HUMMERは元々アイドリングが高いのでアクセルをオフにしてもエンジンブレーキにはあまり期待できません。更に止まるまで前に行こうとするぐらいでブレーキには過酷な条件であることが解りました。試運転ではジャターこそ出ませんが、制動性能には不満が残りましたので、フロントのパッドも交換しました。これで大部安心感は増しましたが、これだけの性能向上をしたのですから、アメリカで最近売られている高性能のローター、やパッドにしたほうがこのHUMMERには向いていると思います。
当方のHUMMERですが、整備ミスをしていました。ロアアームの取り付け方向が間違っていました。本来これはロアボルジョイントの上にロアアームが乗って居るのですが、本日平野さんが来て平野さんのHUMMERは片側だけ組み込み違いをしていて直したと言われたので当方のHUMMERを見た所当方のも片側だけ間違っていました。これですとタイヤ一本分の荷重が4本のボルトで支えている事になりますので怖いことです。ボルトを緩めた所、伸びている様子も無く特に異常はありませんでしたが、アライメントが狂ってしまいました。確かにボールジョイントは交換しましたが、無意識にもとどうりにしているので、間違える事は無いのですが。。。。
572HUMMERにはB&Mのアルミフィン付きオイルパンが付いています。重量の重いHUMMERをアレだけの加速をしているのですから、必須アイテムでしょう。更に今は動いていませんが電動のファンがATFクーラーに付いています。ATのみ冷却に気を使っているのかと思いましたが、トランスファーにも電動ファンつきのクーラーが設置されています。オリジナルはATのATFがトランスファーの中を通り冷却しているのですが、これだけでは足らないらしく個別にクーラーが付けられています。トランスファーのクーラーはスペアタイヤの裏側についています。今は冬なので両方ともヒートする事は無いのですが(温度計がそれぞれに付いています)夏場はATFの粘土が下がり、変速ショック等を起こしていました。(ファンが動いていなかったため)。
当方のHUMMERも今まで不都合はありませんでしたが、ATフィルターとATFを交換するついでにアルミ冷却フィン付きの物と交換しました。こんな物はポン付けと思って軽い気持ちで始めましたが、これが大間違いでした。この部品のメーカーは不明。精度は満足のいくもので、フランジ面が厚いので、締め込み過ぎによるオイルパンの変形→オイル漏れは少なそうです。容量も2L以上標準の物より増量されています。この点はB&Mの物より都合はいいようです。
まず、ATFを抜き、オイルパンを外します。ここで最初の試練。すべてのボルトを外してもオイルパンは取れません。ATのマウントが付いているクロスメンバーを外さないと取り外すことが出来ません。次の試練は、ミッションのリンケージのベースがオイルパンを固定しているボルトを利用して止めているのですが、これが邪魔でフロントのプロペラシャフトを外さないとオイルパンは剥がす事が出来ません。フィルターは簡単に引っ張ると抜けます。取り付けも穴に差し込むとコツンと音がしてしっかり固定できます。次の問題はオリジナルの厚さ1mmほどの物から5mm厚以上になったので、マフラーと干渉、更にこのマフラーがフレームとも干渉、そしてATFクーラーへの配管とも干渉、とどめはデフ、ハブリダクションの樹脂製ブリードパイプとも干渉して、これはもう既に解けていました。
マフラーを緩めとにかくオイルパンを押し込み、厚みが増えてねじの頭がキャップボルトでないとネジが入らないのでボルトが付属されているのですが、これがすべて同じ長さでリンケージベースを共締め出来ない。その上、板厚が増えたのでリンケージベースがオイルパンの壁面に当たってそのままでは固定できません。対策はロングボルトを地道にスパナで締め込み、リンケージベースはサンダーでカット。ミッションブロックもオイルパンにあたるのでこれまたサンダーで削りやっと組み込んだ状態でよく見ると、前から来た風は、マフラーのクロスパイプで遮られ、このクロスパイプにも近いので、逆にここからの熱で暖められそうなロケーションです。一体何処がHUMMER用だと売っている奴に問い詰めたい所です。これのメリットは、俺は車通でこんな所まで気を使っているんだという自己満足だけのものです。ですから、お勧めできません。とはいっても外す気は全くありません。

当クラブのメンバーのHUMMERは96年前後が一番多いと思います。
DIESEL車はエンジン始動時のグロープラグ、ハイコンプレッションのエンジンを回転させるために、一時的に電流が多く流れます。国産のランドクルーザー等は12Vのバッテリーを直列につないで24Vにしています。電圧を24Vにすると電流は理論的には半分になるのですが、バッテリーの内部抵抗は直列なため倍になります。HUMMERは2つのバッテリーを並列につないでいるので、内部抵抗は半分になります。これらのメリットディメリットは電気的にあると思いますが、2個のバッテリーのバランスの問題とか色々あってどれがいいとは言い切れませんが、メリットをあげると12Vにしておくと電装品がガソリン車と共用できるので、各種電装品の取り付けに気を使わないでもOKです。24Vのメリットは同じ仕事量であれば電流は半分で済むので配線の断面積は半分で済みます。
DIESELエンジンの走行中は電気は大幅な黒字なのでバッテリ―にはそれほど厳しい物ではありません。したがって寿命は案外長くて5年以上使っている方が沢山居ます。しかしバッテリーが弱ってくると始動時に沢山の電流を流せなくなると、これと言って大きな前触れも無く始動不良になります。HUMMERのバッテリーはサイドターミナルの付いている物ならば使用に問題はありません。以前はACデルコのサイドターミナル式バッテリーの価格は2万円以上していましたが、現在は13000円程度で購入できます。最安値は通信販売ですが1万円を切ることもありました。
どうせ交換するのであれば性能的にも見た目にも良いOPTIMAのバッテリーと交換しても良いかと思います。大きく分けて、バッテリー上部が赤いレッドトップ、黄色いイエロートップが代表的です。中にはサイドターミナルの無い物もありますので、購入時には注意が必要です。価格はレッドトップで19800円、イエロートップで25000円前後が相場です。
バッテリーは産業廃棄物ですから、外したバッテリーは購入したお店で引き取ってもらって適切な処理をしてもらう事が大切です。以前にも書きましたが、OPTIMAをHUMMERに搭載する際単純にボルトONですと前方のバッテリーがきちんと接触しないので、2個積みなのに1個しかつながっていない事になますので十分注意してください。またトップターミナルがバッテリー固定金具に接触しますので、キャップを付けて、尚且つステーの当たりそうな所を、削り取る細工をお勧めします。
所でバッテリーは確か表示は12Vです。でも、どうやらこれはバッテリーの本当の電圧を表示している物ではない事が最近表面化して居ます。当方の勤務先では色々なセンサー技術も仕事の一つで色々なセンサー技術の資料を目にします。その中で最近の燃料電池自動車用センサーのスペックで電圧が42Vとなっています。この電圧はおかしくないかと思いませんか?12V×3=36V、12V×4=48Vですからどう計算しても42Vにはなりません。更に調べるとどうもバッテリーは12Vと言ってるのは実は新品満充電は14V(13.8V)で昔は性能が不安定で平均値で公称12Vだった様で、新しい技術ではバッテリーのドロップが少ないので新技術では14Vと定義されているようです。その内一般的に14Vが使われるかどうかは未確認ですが、雑学として覚えていても良いのでは無いでしょうか。この42Vにするメリットは各センサー、電動備品が増えるとその分配線の量も増えます。今までの自動車用配線では重量も場所も取るので、電圧を上げて電流を少なくして配線の細い物が使かえるようになります。今後の車用の配線は束ね線から、フラットケーブルに変わっていくことが考えられます。

落合さんのHUMMERACのファンがMAXでしか動かないので、エンジンフード内のレジスターの接点を磨いてどうにか、Lo、2ndはOKでしたが3はだめでした。コネクターが熱で解けていたので接触不良が原因でしたが、とりあえずそれで我慢、もうひとつはATのロックボタンが硬くて思うようにシフトレバーが動かないので原因を追いかけたところ、ミッションから来ているワイヤーの途中にあるロックが誤動作していました。これの修理は大事なので、不調のATの修理のときに同時に行う方が賢明と考えてロックソレノイドを殺して応急処理としました。落合さんのATはすべての段数で変速ショックが大きくハーフスロットルでの変速も回転がかなり上がらないと変速しません。困ったものです。ご本人はATを交換するつもりで居ますが、とりあえず他に問題があるかもしれませんので、友野さんに本国に聞いてもらい、ATの見積もりもしてもらおうと思います。
HUMMERは個体差が大きいと言う認識がありますが、河野さんのHUMMERによく乗る門間さんが当方のHUMMERと比べて遅いと言う指摘があり、時々エンジンチェックランプが点灯するけどそのうち消えるとそうで、ブースト計を付けたところブースト圧が低いことが判りました。エンジンを見るとタービンの二次側にオイルが飛んでいるのを発見。エアーインテークを外して見ると二次側の付け根がうまく合っていないのでリークしている模様でした。外してあるタービンにこのマニホールドをあわせるとなぜかしっくり来ません。オーリングがうまく当たりません。茶筒に蓋をするようなかんじの部分ですが、奥まで差し込むと斜めになってしまいここからリークします。おかしいと思い内面を見ると溶接のビードが邪魔をして斜めにささることを発見し、このビードを削って差し込むときちんと組みつけが出来、一件落着と思い試乗しましたが若干パワーが上がりノーマルと殆ど変わらず、ハイギヤードにしているのでコンピュータチューンしてもこんなもんかと思いましたが、最高速はがんばっても法定速度プラス20kmぐらいだと報告があり、更に色々やって原因追求したところ、タービンに付いているウエストゲートバルブの動作不良を発見しました。
この状態で平坦な道を走ると殆ど大差無いので、こんな物と思えばそれなりでしたが、確かにここ一番の出足はと最高速が伸びないのはこれが原因でした。これらをきちんと補修したところ、つい大きくアクセルを踏みながらガレージから一般道に出る時なんとホィールスピンするほどになりました。ブースト圧も正常になり当方のHUMMERと同等の動力性能を取り戻しました。
HUMMERの場合はもともと排気量が大きいので加給圧が足らなくてもそれなりに走っているので、これがいい物かどうかの判断は乗り比べないと判断しにくいと思います。坂道や最高速などの高負荷時になるとアクセル開度に対しての速度が上がらないと加給圧が上がりますがこのウエストゲートバルブの動作不良があると動力性能は落ちます。報告にあった120km/h前後のの最高速は殆どNAエンジンHUMMER程度ですからターボは働いていなかった様です。これの判断は加給圧で即判断できますので、ブースト計は欲しいです。
ブースト計はオートバックスで10000円でおつりが来る程度で購入できます。選定は出来るだけ最高圧の低い物(HUMMERはノーマルで最高0.7、コンピュータチューン時で0.9ですから多くても3.0程度のもので充分です。取り付けはインテークマニホールドに穴を開けてそこからのピックアップが必要ですが、配線はライトだけですから簡単です。アメリカのマイクさんも付けていました。
河野さんのHUMMERはこの後、当方在庫のPJタイヤへの交換と燃料タンクからの燃料漏れの修理をする予定で、タイヤ交換バランスが当方では取れないので、ランドマップに頼むため倉庫まで博君と取りに行きました。ホイールは付いていなくてもやっぱりHUMMERのタイヤは重いので2人でどうにか当方のHUMMERのルーフに乗せましたが、下ろす時は危険なので、土曜日にペンキ塗りのギャラでもらった東京都消防局から払い下げのあったチタン製はしごを(30万円ぐらいするそうです。重さは小学生低学年でも持てるぐらいの軽量!)利用して下ろしました。タイヤは幅が大きくなるので、タイロッドに当たる可能性があるので、博君にステンレス製の8mm厚のスペーサーを依頼しました。寸法を測っているとき気が付いたのですが、河野さんのHUMMERのアライメントもかなりずれていましたのでこれもやります。

金曜日に、予め充電しておいたバッテリーを2個持って松原さんの93年HUMMERを倉庫へ取りに行きました。このHUMMERはそろそろ502に積み替えるので、以前取り付けたスーパーチャージャーが不要になるので友野さんが譲り受けました。松原さんが取り付けたときは、作業が思うように進まずにかなり時間が掛かり効果はイマイチでした。松原さんは何でもやってみるチャレンジャーで、あまり効果が上がらない事は気にしていませんでしたが、幾らなんでもと思いその後ポンプ調整とかで幾らかはパワーアップしました。友野さんもそれほどの効果は無い事は承知で、何でも付けたい症候群で取り付けをすることにしました。
確かにスーパーチャーは魅力的なアイテムですがポンプ調整をきちんと行わなければ思うように性能を引き出されない事が考えられます。ボルトオンですしアクセサリーと思う軽い気持ちで作業を開始しました。同じ加給器でもターボとスーパーチャジャーの違いは当方の浅知恵の範囲では、駆動方法が機械的にエンジン回転に比例している事、したがって加給圧が異常に上がる事がありません。という事はパワーアップはリニアでマイルドです。取り付けも楽です。デメリットは駆動力はオルターネータ等と同じくエンジンパワーを使っていますので動力損失はダイレクトです。
ターボは排気エネルギーを利用していますので動力損失はありません。加給圧もアクセル開度が上がると排気の熱膨張が多くなるのでタービンは良く回り、加給圧がドンドン上がります。このためターボはタービンの回転を下げない意味もあって膨張した排気をたタービンの手前でマフラーにバイパスするウエストゲートバルブが付いています。
よく誤解されますがエンジンは吸気した空気の量より排気の方が体積は膨大になります。したがって多くなった排気で回したプロペラが吸気のプロペラを回す事が出来ます。したがってエンジン回転があまり高くないDIESELエンジンにはターボの方がスーパーチャージャより向いているといわれています。金曜日にエアークリーナー、スーパーチャージャー本体の取り外しを行い本格的な作業は土曜日にしました。スーパーチャージャーはサーペンタイトベルト用のクランクプーリーを追加して、その分ファンを少し前にずらします。インテークマニホールドは専用の物と交換します。エンジンルームの天地方向が狭いHUMMERはかなり無理に押し込んでいるので取り外しは面倒です。更に左右のバンクの冷却水を行き来させているクロスバーも低く部分的にえぐられています。
これらのパーツを松原さんのHUMMERから取り外した所・・・思わず友野さんと目を合わせた一大事がありました。インテークマニホールドを外す時やたらとボルトが柔らかいのでおかしいと思いましたが外してビックリなんとインテークマニホールドのガスケットがねじれて密着していませんでした。これでは折角スパーチャジャーが加給しても効果は半減です。見事に折れ曲がっていたガスケットには何ら液体ガスケットの類も塗られていませんでしたので漏れていた事は間違い無いです。何度かは調整しましたのでスーパーチャジャー本体とマニホールドにはシッカリ液体ガスケットが塗られていましたがインテークまではバラスと成ると大事ですしどちらかと言うと考えられない事です。(ちなみに以前の取り付けは当方ではありません)同じ失敗をしてはいけないので、繋ぎ目にはシッカリシール材を塗りこんで友野さんのHUMMERに組み込みました。
ポンプ調整は何をして良いのかは解りませんので、全体的な燃料を濃くして、これによってアイドリングが上がるので、アイドル調整スクリューを一番薄くしておきました。この調整は正直な話「感」です。NAのまま調整し吹かした時に少し黒煙が出るぐらいであれば加給した時に黒煙が出ないはずなので何度か繰り返し調整しました。ここで適当な所で辞めておけば良かったのに少し鼻薬を聞かせたのが間違いの始まりでした。この調整はスーパーチャージャー本体を付けるとポンプの調整は出来ません。全てを組み込みエンジンが掛かったのは真夜中の2時、しかしエンジンを掛けるとアイドリングとは思えないほどの高回転で大変なことになってしまいました。それとクロスパイプの付け根からも冷却水が・・・これで集中力が切れてこの日は終わりにしました。
翌日、博君は今時珍しい「社員旅行」なのでお休みですが、アルバイト2号の竹下君が来てくれたので新たな気持ちで折角組んだ物を全て取り外し組みなおしました。ポンプはもう少し薄くして組み付けたお陰でアイドリングもOK、アクセルを踏んでも黒煙無し!少しアイドリングで放置した所特に問題も無いので竹下君と柏までドライブ、ここの所当方の絶好調HUMMERしか乗っていないし色々積載物が多い友野HUMMERの普段が解らないので違いは解りませんでした。しかし、交通の流れには十分乗れますし、高速道路でも充分な速度と加速を行っているので良いのかなという感じはしています。もちろん松原さんのHUMMERより充分なパワーは感じました。
柏について友野さんに試乗してもらうと、「全然違う!軽い!」と感激していました。どうやらかなり効果はあったようです。加給器を付けた時に噴射ポンプの調整はアクセルの開度に応じて燃料を濃くしたり噴射のタイミングを変えたりとか必要です。付けてみないと違いは解らないので、今回の様子を友野さんに「尻」で覚えてもらって暫くしたらこの辺を変えると更にパワーが上がると思います。
DIESELエンジンはGASエンジンに比べて異様に噴射タイミングを早くしたり燃料を濃くしすぎなければ壊れる事が無いので多少の事をしてもいいのが特徴です。黒煙が多すぎたり調子の悪いNAエンジンは多少調整が出来る場合がありますので相談してください。磨耗による機能低下はそう簡単にはきませんが走行距離が極端に少ない物(毎日のようにエンジンをかけている場合は別)はエンジン内部のオイル切れやピストンリングの固着とかがありますから注意してください。デジカメが新しいので汚い手で触るのが嫌だったので写真はありません。友野さんが取り付いた状態の写真をアップしてくれると思います。