Tune up       

( Engine ,Electrical ,Performance ,Transmission etc. )

 

本日、松原さんのエンジンをランドマップから運ぶ途中、友野さんに連絡した所、「きてるよ〜コンピュータ」と言われ明日送ると言われましたが、待ちに待ったお宝をそのまま指をくわえて待つ訳も無く、そのままランドマップの軽トラを投げ捨てるように返却し、友野さんの迷惑も無視して夜だと言うのに押しかけました。
友野さんの家に着くと、沢山の荷物が届いておりました。紹介すると、先ず各種LEDライト、アルミ製ATオイルパン。アルミメーターパネルが届いており、それらを一通り確認した後、コンピュータを交換しました。コンピュータには装着予定の車両の VIN が印刷されており、タイヤ径、フアイナル等の諸条件がメモリーされています。当方の装着したコンピュータは、当初当方用に手配した物ではありませんでしたが、おおよそスペックは同じなので問題無いと思いそのまま装着しました。スペックでは35馬力のアップなのでトータル230馬力と言う事です。以下にうたい文句を記述します。

Finally, an easy way to make power. Our extensively engineered computer upgrade is dyno-proven to give your turbo diesel the power it demands. With 35 rear-wheel horsepower and torque increased by 49 ft/lbs., you will have better throttle response and much better drivability. Also removes top speed governor and improves shifting. If used with our Exhaust System, the computer will make an additional 5 horsepower and 7ft/lbs

ます、取り付けて試乗した感想ですが、数値的にはブースト圧のオーバーシュートが0.7から0.9になりフル加速時のブーストは0.5から0.7になります。もちろんこの違いは十分体感できます。明らかにレスポンスが上がりフルスロットルではレッドゾーンまでシッカリ回してからシフトアップします。そのため丁度インタークラー、マフラーを交換した松原さんの赤HUMMERより確実に早くなっています。(今なら負けない)
国内の高速道路の制限速度は100kmですから実際の所はわかりませんが、スピードリミッターを解除していますので95マイルぐらい出そうです。その時の100km/hからの加速はリニアで ORA 572 と異なり瞬時ではありませんがじわじわと加速しそうです。さすがにボールジョイントガタガタの当方のHUMMERですと恐らく直進性が悪くそれ以上のスピードを出すには根性が必要です。私でしたらアクセルが余っていてもそれ以上は怖くて出しません。命と免許の要らない方は100マイルに挑戦してください。この速さは今の時点で我々の身内では一番でしょう。しかし明日松原さんが自分の赤HUMMER用に調達したコンピュータを付けに来ると言ってますので、当方より7馬力+インタークーラー分のアップになりますので1日天下です。
コンピューターチューンの良い所は、メカチューンとか、センサーごまかしとは異なり通常走行は今までと同じ様に走り、踏むと化けるところが優れていると思います。装着後の変な所はWAITランプが点灯することで、どうして点くのかわからないのでチョット気になります。(友野さん問い合わせお願いします)その他には若干水温が上がり気味です。夏を迎える前に電動ファンを付けたいと思います。
今回はコアのコンピュータを渡して書き直したのでは無く、本体ごとの購入でしたので価格は1200ドルでした。注文してからの納期を考えたり、元に戻したい時がある場合のためには得策だったと思います。これが高いか安いかは価値観の違いです。元々欲しかったわけではありませんが、大変興味があったので衝動買いの購入となりましたが思ったよリ良かったのでもう少し楽しんでから欲しい方に譲っても良いとも思っています。また減るもんではありませんので、体験したい方はメールください。ご自分のHUMMERで確かめた方が違いがわかると思いますので、手土産持参の方に限りお貸しします。特にこの話だけで購入したくなった方は絶対に一度試乗体験してからにして下さい。話が違うと言われても当方は責任取れませんからあしからず。
ORA 572 HUMMER にはATの温度計が付いており、これが一定の温度を超えるとファンのスイッチが付いていて冷却します。ATのオイルパンもアルミの放熱が良い物が付いています。ATFはそれほど高粘度ではありませんが冬の寒い時は粘度が高いのでポンプが頑張っても吐出量が足らなくてすべりが出ます、また、温度が上がると圧力が上がらすにシフト不良、潤滑不良になります。始動時は短時間なので暖気をする事でラジエターから熱をもらって温度を上げれば良いので、走行時の冷却を考えるとアルミのオイルパンは冷却効果が高いので有効だと思います。
今回購入した物はアルミ鋳物で、締め付け部分もオリジナルより厚くて締め付けの変形は少なくて済みそうですからオイル漏れも防げそうです。深さも若干深いのでオイル量も増えます。価格は本体が約200ドルで、送料を入れると4万近くなります。これを参考にしてオリジナルの型を作れば一個2万円は切りますが型代を償却するには20個は必要です。だから買った方が特です。切削でしたら恐ろしい価格になります。

河野さんからの強いご希望でフアイナルアップをぜひとの依頼に断われ切れなく作業を開始しました。
ファイナル変更のメリットは、対地スピードに対しての各ギアーでの回転数が低くなりエンジン音がその分低くなります。ディメリットは、加速力が落ちます。勾配などがあるときのキックダウンは頻繁になります。しかしROMチューンした場合は、元々許容回転の低いHUMMERにはその分最高速が伸びる事になります。4速で許容回転まで回せば最高速は166km/hに成ります。ローギヤードの場合は145km/hまでです。
でもそんなに出したら違法です。フアイナルの変更はデフのリング、ピニオンギヤーを交換すれば良いのですが、この作業には熟練が必要です。また、同時にデフ内部の消耗品を交換しますので、交換部品代は高額になります。工賃もハイテクなのでそれなりに掛かりますので、素人の我々のやるユニット交換と費用は大差無くなります。
デフユニット交換作業の大まかな工程は、先ず98年式のデフを外しこれをユニットごと96年式の物に載せ変えます。デフを外すのには先ず、タイヤを外しハブリダクションのキャップを開けてハーフシャフトを止めているボルトを外します。ハーフシャフトの反対側のブレーキディスク側のボルトを6本外します。通常ですとこれでシャフトは抜けますが、アンダーガードが付いていると、どうやっても抜けませんので、アンダーガードは外しておきます。
ハーフシャフトはディスクと共締めで若干キャリパーを広げるとパッドが取れて外す事が出来ます。しかし今回はデフの取り付けステーがアウトプットフランジの裏側になるためこれを取り除くために、キャリパーを外しフランジを固定しているナットを緩めてスプラインから抜くとボルトが出てきます。デフを固定しているのはラジエタ−の下側にあるクロスメンバーから「マエへナラエ」の状態で出ているステーがデフのサイドを固定して、首の方をY型のサポートでアウトプトシャフトに対しての回転しない様に固定しています。固定のボルトは全部で6本です。とこう書くと実に簡単に出来そうですが実際は・・・
以下は現状です。
先ずハーフシャフトの取り外しはディスク側の6本のボルトは固着している上にインパクトが入りません。これを外しディスクキャリパーを外すのも案外工具が入らないで地道な振り角で外します。ブレーキの配管は外してありましたので緩めたトタン、キャリパーからのオイルを「ガンシャ」気を取り直してアウトプットフランジを外したところオイルを抜き忘れてまた「ガンシャ」このフランジを抜いた所内側にシールのためにゴムパッキンが入っていました。
時々ディスクがオイルで汚れているHUMMERを多く見受けますが、今までシール不良と思っていましたがナットの裏にパッキンが入っていました。これの不良でデフオイルが漏れるようです。ディスクの外側が漏れている時はこのシールがダメで、内側にオイル漏れがある時は、オイルシールの不良です。これは消耗品なので、手持ちがないので直ちに注文しました。
次の難関はデフを固定している対辺28のボルトはインパクトでもブレーカーバーでも歯が立たず、バーナー登場。アルミ部分を暖め、ブレーカーバーを足で目一杯蹴り飛ばしてパキッという音と共にやっと緩める事が出来ましたが、一瞬大きくしなったスナップオンのブレーカーバーが折れたかと思いました。このボルトにはかなり高強度のネジロック剤が使われているせいでいつまで経てもインパクトが使えません。これも地道に緩めます。
このままでは、家に帰れないので、近所の「入間の湯」に博君と行きそこで晩飯を取りました。此処のスーパー銭湯は回数券を買うとかなりお得なので二人ともこれを購入。食事も、割安でしばらく、ガレージ、生姜焼き定食、帰宅。というパターンですと家に帰ってから楽チンです。入間の湯は12時までなので、深夜に及ぶ作業に成らない歯止めにもなります。
今日の作業で得たものはデフのアウトプットシャフト内側にラバーシールを発見した事です。良く此処のオイル漏れを見ますので少し多めに取って置きます。作業は更に続きます。写真は折角買ったデジカメをガレージに忘れたのでありません。
昨日紹介しましたガレージに貼ったHUMMERのシートですが、まだ当方に一回り小さい物と更に大きい物があります。ご希望の方に交通費とお食事で貼ってくださるそうです。しかし常識的に考えて、関東近郊以外の方はご遠慮願います。

そのついでに当方のHUMMERの電磁燃料ポンプ不調を直すためにHUMMERで行きましたが、始動時にちゃんとダッシュパネルの裏あたりから、ココココ・・・と音がしています。これは明らかに電磁燃料ポンプの音で、先日動いていなかったのにおかしいです。ガレージでボンネットをあけポンプに触れるとちゃと動作しています。どうなってんのか悩んで、何気なく配線に触れるとポンプが止まってしまいました。色々配線を向きを変えるようにゆするとリレーのコネクター部分の接触不良が原因である事が解りコネクターの金属部分の癖を直して修理完了しました。
先日、会社の帰りにドライバーズ・スタンド(関東にある2・4輪カーショップ)に行き、ブーストメーターを物色した所価格がどれも1万円以上の物ばかりでした。今度来るコンピュター取り付け前にどうしても付けたかったのですが、賃金カット中の当方には躊躇する価格でした。帰り際にふとワゴンセールを見ると税別7000円弱でHKSのブーストメータが売られていたので、迷う事無く購入しました。大きさは直径52ミリなので、あてにならない時計を外して取り付けるつもりです。ブースト計は照明の配線と、加給している所から配管をするだけです。配管の長さと取りまわしを考えると、時計の位置ですとそのままバルクヘッドに真っ直ぐに穴を開けると丁度エンジンルームの燃料フィルターの上あたりに出てくるので、そのままタービンの二股のアルミチャンバ−にR(PT)1/8のネジを立てて、ドイトあたりで直径4ミリ用の竹の子ジョイントを買って配管を高級品である赤いウレタンホースを使って簡単に配管が出来ます。その内取り付けしますので状況を報告します。

前回はDIESELエンジン排気ガス規制についてHUMMERの低硫黄(50ppm以下)の軽油と触媒によって新たな規制に対応できるのでは無いかと言う、どちらかと言うと自分たちだけの事を報告しましたが、もう少しHUMMERに限った事ではなく全体を見渡した報告をします。
PM低減には低硫黄化だけではなく、更なる燃料の改良によって既存のDIESELエンジン車のPM低減の可能性を報告された文献がありましたので、紹介します。以前報告した触媒等のレトリフィット装着の連続再生DPFの場合は排気温度が低くなる都市部の渋滞ではその再生条件である温度が十分に上がらない技術的な課題があります。
今回紹介する軽質化軽油は後処理装置での対応を前提としないでPMを低減するものです。この軽質化軽油は石油精製の全体のバランスを多少崩すが少量であれば現行装置でのトッパーでのカット温度を下げたり、灯油分の混合量増量等によって軽油の軽質化は可能である。これを都市部の限定した地域での使用をする事によってその効果の恩恵を大きく受ける事が出来ます。
石油製品はその混合されている色々な蒸留温度のもので構成されています。石油製品品質を定めるために製品を低い温度から上げていくと先ず軽い分から蒸発します。更に温度を上げていくとやがて全ての製品が蒸発します。この温度別の蒸発する量で成分がどのような物で構成されているかが解ります。簡単にいうと100℃で沸騰する水と50度で沸騰する水があるとします。これをそれぞれ同量で混ぜて、水温を0℃から徐々に上げていくと50度で半分の水が蒸発しますが100度で沸騰する水はそのまま液体で残ります。この状態を50%留出温度が50℃と言う事な成ります。この混合比を100℃を80%、50℃を20%にすると20%留出温度が50度ということになります。
今回の軽質化軽油は通常90%留出温度(T90と言います)が350℃近辺ですがこれを240℃近辺に落とし、平成元年度規制適合DIESELエンジンで試験するとD13モードで0.8g/kwhtのPMが0.3g/kwhr程度に低減できます。同時に本来トレードオフの関係にあるNOxも7g/kwhrから5g/kwhrにまで落ちます。これは長期規制適合エンジンのPM0.2 NOx0.3には届きませんが、短期規制適合エンジンと同等にまで落ちます。しかし、短期、長期規制適合のエンジンには軽質化による低減の恩恵は余りありません。
T90を300℃より低くした軽質化軽油は既に海外ではシティ軽油として導入されています。スエーデンでで導入されているCLASS1軽油は税制優遇のもとで、低硫黄、低芳香族(ベンゼン、トルエン、キシレン)分でほぼ灯油に近い物です。カリフオルニアの認証軽油はCARB軽油はT50は国産軽油より高いがT90は低く、更に全部が蒸発してしまう終点(EP)は340度程度です。現在国内で試験的に作られている軽質化軽油は既に川崎市ではクリーン軽油として2001年4月より市バスやごみ収集車の約500台に採用してPMの濃度を29〜35%の低減を確認しています。東京都の都知事のパフォーマンスで表沙汰になったPM規制ですが、騒ぐだけ騒いで結局負担を市民に押し付けている行政に比べ川崎市の取り込みは本当にどうしたら減らせるか考えて対策をしている事はすばらしい自治体だと感じます。
このような取り込みは個人では無理(個人が灯油を混ぜたらいけません)ですが最低でも自治体レベルでしかやれないことですが直ぐ出来ます。今の魔女狩りに近い行動はこうして段々解ってくるとバカさ加減があらわになって、権力をバカに持たせると結局その付けは市民や民間企業に回ってきます。もう少しブレーンを揃えて解析してから騒げば良いのにあれは不良の喧嘩の常套手段と同じでレベルの低さに段々腹も立たなくなりました。
今回の規制の延長も時間的問題だけではなく頭のいい奴がこの辺の事が解ってきたからかもしれませんね。軽質化によるメリットはこのように明らかですが、今までのエンジン改善サイドでの対応はあくまでも現行軽油をベースに考えた物ですから噴射ポンプ等に影響が無いとはいえないかも知れません。粘度低下によるポンプの潤滑不足セタン価低下によるエンジン不調に関しては未知です。
そこでまたHUMMERですが、既に軽質化燃料に対応しています。どの年式からかは解りませんが何時ものDIESEL HPにポンププランジャーのセラミック化とか、日頃HUMMERはローテクとか言われていますが、行政の横のつながりがしっかりしている分ユーザー負担が少ないようです。縦割り日本ではそれぞれが同じ目的を手柄欲しさに勝手にやっているから何処かに歪や不都合が出てきていいます。
8ナンバーもそうです。保険会社が保険に入れてくれないという話を聞きます。その際8ナンバーは脱税だと言われたそうです。それってやっぱり法制化の歪で頭のいい奴が上手く抜けただけの事で既に税制メリットも少なくなくなっていることを知らないバカが今まで知らなかったのを昨日今日やり始めたみたいに言うから腹が立ちます。これも行政が放置していて、気が付いたら沢山いたからどうにかしなくちゃと言う事でしょうか?
本来保険なんかは車で判断するんじゃなくて、生命保険と同じようにその運転手の技量とか性格で決めるなら納得するけど今回のことは納得できません。行政指導でもあったのかなぁ。酒飲んで運転しても保険が下りる方が当方には「変」です。

友野さんからの情報で、足回りで良く壊れる物にアイドラーアームがあります。
これはステアリング駆動するリンクの支点になる部分です。当方を含め走行条件にもよりますが2年ぐらいで交換しました。
今回の変更は太さが一回り大きくなって取り付けのステーも従来品は大きく曲げられてオフセットしていましたが、今回の物は真っ直ぐです。そのため従来の物と交換するためには、取り付けフレームとの間にカラーを入れ長いボルトで止める必要があります。価格も多少上がりましたが、寿命が長くなるので歓迎される変更です。
DIESELエンジンの噴射ポンプに関してこの所色々触れていますが、アメリカのDIESELエンジンHPによりますと、やはり噴射ポンプドライバー(FDS)のトラブルは多いようです。その後色々対策されていますがこれと言う物は未だしていない様で、専用のクーラーがありました。
これはポンプ本体からFDSを取りはすして別の場所にヒートシンクを取り付ける物です。取り付け例は、インテークマニホールドを外すのが面倒なので新しい物を追加して古い物はそのままにしてありました。これによって最高約110℃まで上がっていた温度が50℃程度に収まりトラブルは回避されるそうです。

For Chevy 6.5L diesels equipped with the Stanadyne DS4 type electronic fuel injection pump, stalling, hard starting, and hesitation are symptoms of a failing FSD.

FSD (or PMD) mounted to a DS4 fuel injection pump.
The FSD (fuel solenoid driver) or PMD (pump mounted driver as Stanadyne refers to it), has been a major problem for Chevy / GMC 6.5L diesel owners since the introduction of the 6.5L electronically controlled DS4 fuel injection pump. It has been determined that heat is the primary cause of FSD failures. The FSD is mounted to the fuel injection pump from the factory. But as it turns out, the injection pump does not provide adequate cooling to keep the FSD functional. Once the engine begins showing symptoms of hesitating, stalling and hard starting, the problem will only worsen with time. The problem only becomes more serious when considering the potential danger of your engine stalling in a situation such as pulling into heavy traffic or descending a steep hill and losing the use of power brakes and steering. It is recomended that the FSD Cooler and FSD are replaced as a set for best results.

Here is the solution!

The FSD Cooler kit. Tests show that when using the FSD Cooler, FSD temperatures will drop anywhere from 32ー to 81ー F* depending on driving conditions. These temperature drops will seriously increase the life of the FSD and can save you money from towing and costly repairs. The FSD Cooler easily mounts to the intake manifold of your engine within reach of the wiring harness plug for the FSD. Installation is quick, simple and does not require any modifications or special tools. The FSD Cooler kit comes with everything needed to mount the FSD to the intake manifold.
PMD, or FSD
 

数日前、落合さんからフアンのプーリーが割れた話を報告しましたが、割れた部品が届きましたので考察してみます。
まずプーリの構造はスピニングロール加工で仕上げられた大きいおわんと小さいおわんを重ねて溶接したものです。これを4本のスタッドボルトで固定しております。壊れた部品を見てみると大小のおわんの溶接がはがれ、大きい方のおわんはボルトの外側が金属疲労による破壊でちぎれていました。新たに送られた部品は壊れたものと形状が異なっています。それはベルトの掛かる部分の内側と外側にフランジが付いていますが送ったものは片側だけでした。以前ベルトが削られて細くなっていたHUMMERもありましたが、後から送ったプーリーは対策品?なのでしょうか。取り合えず写真を掲載します。

噴射ポンプの交換の続きです。ポンプは円周状に配管があるので自由度の低い燃料配管を締め付けるのは慎重さが必要です。また、配管はガスケットの無いボールタイプの継ぎ手なので締込み時は闇雲に閉めるのではなく当たり面をきちんと当てることが重要です。
ポンプの下の部分は装着後に増し締めが出来ませんので、締込みは賭けの部分があります。全ての配管をノズルの位置関係を確かめながら、しめ込んでからポンプを固定します。ポンプの位置は回転方向には調整しろがあります。
マニュアルではターゲットゾーンが示されていますがこれは多少の部品を取り外せば後から調整出来ますし、指示しているソーンの幅はNAのメカニカルタイプと異なり広いので前に付いていたポンプと同じぐらいの位置で固定しました。
ポンプを固定してから、スプロケットをポンプに固定します。この時にスプロケットの位置には注意が必要です。私はしっかりはずれない様にインシュロックで固定しておきました。
ポンプを固定してから、配管をノズルに取り付けます。この時配線の取り回しを考えて固定しないと何度も取り外すことになります。次に共振防止に2本づつ止めてある金具を固定します。ここでインテークマニホールドを付けると止めづらいコネクターを差し込んでおきます。配管の取り回しを気にしながらマニホールドを取付けマニホールドと共締めのパーツを取り付けます。
タイミングチェーンのカバーはオイルが浸る部分と冷却水が触れる部分の両方の外とのシールを行ないますので、あたり面にRTVシリコン系のウルトラブルーを使用しました。オルターネータステーを固定しオルターネータを取り付けバキュームポンプの配管をします。
パワステポンプのステーを仮止めし、冷却水のクロスバーを取り付けます。この面にはやはりシールのためウルトラブルーを塗布します。クロスバーを取り付けてからではパワステポンプのステーは交換できませんので注意が必要です。
パワステポンプを取り付け、エアコンのコンプレッサーを取り付けます。コンプレッサーの固定ボルト4本の内、運転席側後ろのボルトは燃料のエアー抜きバルブを取り付けます。ターボを取り付け、遮熱板を取り付け、サージタンクを取り付け、エアークリーナ配管、ブローバイ配管を繋ぎ、冷却水を入れます。
この状態でバッテリーを繋ぎ、キーをオンにして燃料のエアー抜きをします。
いよいよエンジン始動になりますが、中々緊張します。余熱をして、燃料ポンプの音が鳴りやんだ所で少し長めのクランキングの後、エンジンは無事安定して回り始めました。修理完了です。
念のためコンピュータースキャナを当てるとすべて良好でした。そのまま試運転し冷却水、オイル等の漏れ確認のため暫らくアイドリングで放置して良好な事を確認しました。エンジンのカバーをして、ACの調子が悪いと聞いていたので、ランドマップさんがAC配管の漏れ確認増し締め、ダクトのフラップの軸受け部の注油、コネクターの確認を行ない内装を組み付けてからACの真空引きを行ない漏れ試験をします。暫らく放置した後漏れの無い事の確認後、ACのガスを600gチャージします。ガスは入れ過ぎるとあまり良くないので、注意が必要です。
今回の症状は、エンジンチェックのランプが点灯していないのにエンジン不調であるため原因究明は時間が掛かりました。HUMMER専用のスキャナーであれば即判明するかどうかは解りませんが、この様に原因究明に時間が掛かる修理は修理屋さんは商売なのでなかなかやりたくない修理でしょう。修理が終わった後には支払いに悩む事になると思います。この様な故障はそうそうあるとは思いませんが、ぜひ専用のスキャンツールは手に入れていと思います。といって募金をしようとしても、今調子の良い方が進んでする事はなかなか無いと思います。ですが、自分のHUMMERが当事者になると必死になるのは人情でしょうが駆け込み寺住職としてはどうにかしたいと思います。

結論から先に書きますが、エンジン不調のHUMMERは直りました
高速をテストドライブがてら納車のため筑波学園都市まで運転してきましたが、最高速(ないしょ)も無事マークして故障前の状態に復元しました。原因究明のため色々行ないましたが結局インジェクションポンプでした。付いていたものはリビルトコアでアメリカに送りますが一体どの部分が悪いのかは私なりに調べたいと思います。オーナーの落合さんが修理に満足されて喜ぶ顔を見て私も満足です。頂いたカンパは半分はGWにかまっていなかった家族に残りは工具購入に充てたいと思います。

燃料ポンプ不調のHUMMERはかなり進行しましたのでここまでの行程を紹介します。先ず、燃料ポンプは機械式のピストンで燃料を高圧にしてエンジンの各気筒に分配します。駆動力はクランクの回転を1/2に減速しクランクに伝えそのクランクからギヤーを使って、で動力を貰っています。クランクの回転とカムとポンプは関連性があるので位置関係はずらすと面倒なことになります。噴射ポンプの位置は左右のバンクの谷間の手前側にありますが通常では頭の10ミリぐらいのゴムホースが少しだけしか見えません。
固定方法はエンジンのタイミングチェーンケースを挟んで取り付けられ駆動用のギヤはチェーンケースの中にあります。チェーンケースはアルミの鋳物で蓋は鉄製でこの蓋には冷却水循環用のポンプが付いています。
噴射ポンプを交換するには殆どの補器類を外す必要があります。先ずバッテリーの端子を外します。これは常識なのでエンジン回りをいじる時落ちた工具がスタータの端子にショートしてエンジンが回り出す事もありますし、ショートの原因にもなります。
手順はエアークリーナーからターボの吸入口を繋いでいるゴムのダクトを外します。このダクトにはCTISの配管と、ブローバイガスの配管がつながっていますがすべてホースバンドでの固定です。これらをはずし、エアークリーナー側をグニャッと大きくたわませて外します。
次に作業効率を考え冷却水を抜いてリザーバータンクを外します。リザーバータンクは大きなホースバンド2本で止まっているだけでホースは3本つながっていますがキャップの所のホースは付けたままで取り外せます。
次に、ファンを外します。ファンは4個のナットで止まっていますがねじロック剤を塗布してありますのでナットが緩まずスタッドボルトが一緒に抜ける場合があります。このネジを緩める時はベルトを張り気味にしてファンプーリーが回らない様にして緩めないと面倒なことになります。ファンが外れたら車外に取り出すのは面倒なので他の補器類を外してから取り出した方が楽です。
次にベルトを外し、助手席側のバンクに付いているオルターネータ本体をステーから外します。これは表側からロングボルト2本、背面からショートボルト1本の計3本で固定されています。ボルトを緩めてもびくともしませんが、レバーでこじると簡単に取れます。重量は10K程度あるのでずっしりします。
オルターネターはエンジンルーム内のオルターネータステーを外す時に邪魔にならない様に紐で吊っておくと楽です。ステーはボルト2本とナット2個で固定されていますのでこれを緩めエアーポンプの配管を抜いてエアーポンプを付けたまま取り外します。
次に冷却水のクロスバーとウォーターポンプにつながっているヒーターホースを外します。
ここまでやったら、運転席側に行きエアコンコンプレッサーを外します。これはクラッチの配線と太い方の配管を緩めてから外します。固定はボルト4本です。ラジエターのアッパーホースを外します。次にパワーステアリングポンプを付けたままステーを止めているボルトナットを外します。ナットはパワステのポンプ裏側に2個あります。ボルトは3本です。この状態ではクロスバーと絡み合っているのでステーは取れません。
クロスバーは左右のバンクに2本ずつのボルトで固定されています。この固定ボルトの取り外しは左バンクの方は簡単ですが、右バンク内側のボルトは先程のステーがじゃまして外しづらいのでステーをずらし燃料の戻り配管を曲げてくび振りレンチを使わないと外れません。クロスバーには温度センサーが付いていますのでこれの配線を外します。パワステのステーはそのままエンジンルームに残します。
ウォータポンプを外すのですがポンプはチェーンケースカバーに付いていますが固定は外側だけではなく裏側からも止めていますので、カバーと一体で外すことになります。
先ずエンジンルームにおいてあるファンを知恵の輪状態で取り外し、フリーになったプーリーもとります。オイルの注ぎ口を止めているナットを取り注ぎ口を抜き取ります。カバーは13本の色々な形のボルトで固定していますので注意が必要です。ボルトを緩めた後チョイとレバーで抉ると簡単に剥がれます。
冷却水のロアーホースはそのまま外さないでポンプごとエンジンルームにおいておきます。
室内から、ターボを外し吸入マニホールドを外します。この時マニホールドの両スタッドの固定ボルトに補器類が付いていますので全て取り外します。ターボとマニホールドを外しますと配管が沢山つながったポンプが出てきます。ポンプの外し易い継ぎ手を外し、難しいものはノズル側で外します。
ポンプは3個の12ひだのナット3個で固定してあります。これを緩める前に、チェーンケース中で歯車の噛み合い位置が分かるようにポンチで印を付けます。歯車を止めている3本の小さいボルトと大きなセンターナットを外すと歯車は外せます。2本ずつ束ねているポンプの配管を止めてる小さいボルトを外しこれらが取り易い様に配線のコネクタを全て取り外しておきます。一部の配管が付いたままポンプを取り出し新しく取り付けるポンプに配管を移設します。この時はしっかりマニュアルを見て配管の場所を確認します。
今回はポンプのガスケットを用意していませんでしたので破損したガスケットを再使用できないのでガスケットシートを使ってガスケットを作成しました。実際はもう少し作業は進んでいますが、疲労で眠いので続きは次回にさせて頂きます。

先日、松原さんと博君の両名で豊川のミリタリー集会に行った所、エンジン不調のHUMMERがいらっしゃり少しお話をしたようでした。その後その方から以下のメールが入りました。以下原文 


私は96年(製造は95年末)の6.5Lジーゼルの中古車を1月前に購入し快調に乗っていましたが一昨日(走行26,000Km)マルDにおいて約3,000回転でもミッションが切り替わらず、おおよそ60Km/Hまでしか出なくなりました。
1、2、Dでも同じ状態です、Rは正常の感じです。
車は古いジープを趣味でいじるくらいでわからず、ましてオートマの車自体レンタカーでの経験しかありません。
異常が発生したのは午後で、その日の朝は特に異常は感じられませんでした。
素人判断でコンピューター関係と思い、リセットが出来るかと思いバッテリーを1-2分はずして見ましたが、同じでした。

このハマーを譲り受けた方は個人輸入された方からの購入とかで代理店にも相談できずメイルを差し上げる次第です。
私としてお教え願いたい点は以下のです。
1.不良箇所は大きく分けてミッションかコンピューター関係またはその他にあるのでしょうか?
2.このような車の修理を引き受けてくれる所(なるべく近畿圏)を紹介いただけないでしょうか?

他に気になる点は購入時からオートクルーズが殆ど動作しなく、時々動作することがありました。

お忙しいことと思いますが、お手すきの時、お答えを頂ければ幸いです。
5月9日から23日まで出張のため、不在でメイルも使えません。
誠に勝手ながらよろしくお願い申し上げます。


内容的に落合さんのHUMMERのトラブルと共通部分があったので、同じかと思いましたがエンジンがNAである事から以前に私の経験したトラブルにも似ていたので、数回メール交換をした後送られていた情報からコンピュ−タやATの不良ではなく燃料ポンプの不調を疑いこれの動作を確認した所ご自分で取り付けたノイズキラーが悪さをしていたようでポンプがちゃんと動作していなかったようです。
ATはエンジンが十分適切に動いていないとシフトアップはされません。エンジン不調からのシフトタイミングが変わりATのトラブルと誤解される事は多々ありますので、注意して下さい。
所で、今我がガレージにお泊まりのHUMMERですが、やはり先のケースと同じでエンジンのアイドリングが安定せず、ふけ上がりが悪く、パワーもありません。したがってシフトアップも遅くシフトショックも大きくなっていました。パワーが無いのは先ず、燃料不足、過給不足等が考えられます。作業は先ず燃料のエアー抜きをしまいたが同じで、エンジン、ミッションの両コンピュータを交換したがやはりパワーが無いので、思い切って室内のハッチを開け再度、エンジンを掛けて噴射ノズル配管を緩めてこれでもかと燃料のエアー抜きをしましたが一向に変化無し。燃料配管を1本ずつ緩めてエンジンのアイドリングの変化の無いシリンダーが悪いのではないかと思い一本ずつ緩めた時に耳を澄ませましたがどれも同じでした。
次に簡単に交換できるセンサーを変えて見ましたが変化が無く迷宮に入ってしましました。この状態ではどうにもならないので、困った時のランドマップでスナップオンのスキャナーを持ってきてもらい、もう一度丁度あった松原さんのHUMMERと比較してみました。その結果燃料流量と高回転時のブースト圧、それとなんだか解らないけど スキャナー項目のCAM REF TIMING と言う項目は健全HUMMEは”0”なのにこのHUMMERは”8”となっていました。
スキャナーの取説が無いのでそのままにして、当初より気になっていた触媒の詰まりはないかとランドマップさんにマフラーを触媒の前で外してもらいテストランしましたが合いも変わらず不調で、スキャナーの不明な項目は後日調査する事にしました。
スキャナーの解析が出るまで念のため燃料系の配管の点検を行ないました。電磁ポンプの前の配管は陰圧なのでにじみが出ないので、全てを増し締めしましたが電磁ポンプ以降は正圧なので漏れがあるはずですがこのHUMMERは漏れがありません。電磁ポンプは交換したばかりでしたが初期不良も考えられますので一応もう一度交換してみましたが完治しませんでした。
こうしている内にゴールデンウィークもいつのまにか終わりスキャナー表示の意味が分かりました。これはエンジンのクランクタイミングセンサーと、燃料噴射ポンプのカムのタイミングをセンサーで拾い出しそれを元にエンジンコントロールを行なっていて、クランクのタイミングがおかしいとエンジンは不動になり、噴射ポンプのカムタイミングが悪いとエンジンはセフティーモードで動く事が判明しました。
クランクの方は解りませんが、噴射ポンプは光学式のセンサーである事も解りました。英語の達者な渡辺さんから、たまたま電話が入ったので飛んで火に入る夏の虫でAM General に問い合わせてくれましたがその答えはインジェクションポンプのオプチカルセンサーの不良でこのセンサーはポンプ内部に組み込まれているため交換はポンプアッセンブリー交換しかないとの回答でした。
しかしスキャナーが折角”8”番シリンダーのタイミング不良と教えてくれているので、念のため8番シリンダーのノズルを交換する事にしました。8番シリンダーは運良く室内から簡単に触れる場所でラッキーと思いましたがヘッドに案外深く入っているのとスパナが掛かる部分は2面しかないので狭いエンジンルームではスパナが触れず困難しましたが、スナップオンのスパナは滑り止めが付いているのでどうにか外れました。さすがに良い工具は優れています。
外したノズルは良いか悪いかは解りませんが、写真を載せます。右側が付いていたものです。胸一杯の願いを込めてエンジン始動し暖気の後空ぶかしをしましたが残念な事に変化無しでした。ここまでやっても変化が無くいらいらは募るばかりで、むしゃくしゃしていたのでランドマップに電話して八つ当たりをしてうさ晴らしをしましたので、明日からまた新たな気持ちでポンプ交換を開始したいと思います。ポンプの交換は以前一度やった事があるので段取りは分かっていますが、多少工具が足らないので調達します。エンジン不調の動画を取りましたので一応送りますがHPでの展開は出来るといいですね

エンジン回転の動画 です。クリックしてください。

渡辺さんの HUMMER 無事エンジン積み替えが終了しました。
最後に残っていたパワステの不調はパワステポンプのリークが原因で結局解体車からの剥ぎ取りで部品交換を行ない終了しました。解体車のパワステがあったため修理が予定通りに終了しましたが、無ければ2週間弱遅れますので、オーナーにも、工場にも良かったのではないかと思います。他の方のポンプも壊れた事を聞いた事がありますので次回また、誰かが必要になるかもしれないので部品を注文しておこうと思います。今度時間がありましたら壊れたパワステの修理にも挑戦してみたいと思います。

写真011 はパワステポンプのプーリーを抜いている所です。


写真013 はラジエーターを取った状態です。


写真014 はラジエーターを外した状態であればブレーキのパッド交換も楽そうです。今回はパッドの残りが十分だったのでそのままにしました。


写真015 はエンジンの裏側を室内から見た状態です。


写真016 はブローバイガス導入口です。健全なエンジンであればここから燃焼室から漏れた圧力がインテークマニホールドに回収されるため若干のオイル分を含んでいますが、今回はその中に冷却水がベーパーになって混じっていたためオイルと混ざって乳化しています。


写真017 タービンの入り口です。ここの中も乳化したオイルが壁面に付いています。


写真018 これも同じくブローバイガスが入って来るインレットパイプの内側からの写真で、ブローバイガスから乳化している様子が分かります。


写真019 新しいエンジンは配線のコネクターが一ヶ所違うので基本的に旧エンジンの物をベースにしたものを流用しました。


写真020 エンジンの積み下ろしはフロント側を上げて行なうと楽です。

 

エンジン交換の続報です。
エンジンを降ろすために先ずミッションをNに入れて、車止めでタイヤを固定します。
最初にグリルガード、ボンネット、ラジエーターユニットの取り外しを行います、グリルガードは根元のボルトを2本外すと取り外しが可能です。ボンネットは開けたときの支えになるツッカエ棒の可動部分のブラケットをはずし一旦閉めます。続いてチョウバンピンのRピンを抜きチョウバンピンを抜きます。ボンネットは大型ですがFRP製(風呂桶の様な物)のため軽量なので2人でどうにか持てます。
エンジンを降ろすときに邪魔になるバッテリーケース、運転席側のインナーフエンダー、エアークリーナ、サージタンクを外します。エアークリナーを止めているのは3本の長いホースバンドで固定されていて、吸入側はエルボー型のゴム配管で90°方向変換しています。このゴムとエアークリーナーを接続しているホースバンドは煙突の下にあるのでインテークも取り外します。また、クリーナータンクの下側の板を外すとACの配管があるのでACガス漏れの点検も出来ます。
サージタンクは予めクーラントを抜いておき、固定している2本のホースバンドを緩め2本の配管を外すと取り外しできます。
次にラジエーター部の取り外しに移りますが、この部分は一体で取れますのでそれぞれのクーラー、AC エバポレーターを個々に取り外すことは不要です。ACホース、ラジエーターホース、エンジンオイルクーラーホース、ATオイルクーラホース、パワーステアリングオイル クーラーホースを取り外しラジエーター下端のボルトを1本とラジエーター両サイドを固定しているブラケットのボルトを全て取り外してブラケットを取り外します。ラジエーターのファンシェラウドはラジエターに固定してありますので無理に取らないように注意してください。
ラジエーターを外すにはファンシェラウドとクーリングファンのクリアランスが少ないので、ファンを止めている4個のナットをこの状態で取り外します。このナットにはネジロック剤が使われているのと、構造上スパナ(メガネ)しか使えないので、緩めるときににファンが供回りして上手く緩まないので、テンショナーを閉める方向に荷重をかけてベルトをキツク締め上げながら作業を行うと緩めやすくなります。ラジエターのシェラウドの中にファンを入れたままラジエーターを上に上げると車体から分離できます。これは2人で持ち上がりますが3人いるとやり易くなります。
これで今まで埋もれていたエンジンが姿を現します。しかしHUMMERの場合はエンジンの1/4程度は室内にあるため室内のエンジンメンテナンス用のハッチを開ける必要があります。このハッチはステレオ、ACコントローラー、グローボックスの付いているハードカバーで覆われているのでまずこれを外さなければなりません。
ハードカバー自体は上部の鉄板ビス3本、運転席足元の皿ビスだけで固定されているので取り外しは簡単ですが、これを取り去るには助手席側のダッシュボードパットを外し、グローボックス、ACコントローラー、ステレオの数本の配線コネクター、バキューム配管を外す必要があります。
HUMMERのワイヤーハーネスは硬くて込み入っているので配線の取り外しはとてもイライラする作業になります。また、助手席のダッシュボードパットハードには吹き出し口のダクトホースが繋がっているので今回は横着せずに取り外しました。
ハードカバーを外すとズースファスナ2個とゴムフックで固定されているサービスハッチが見えます。これは軍用のハンビーと共通の物で、樹脂製のカバーでアメリカのVANにも同じような構造がよく見受けられます。ここで更に面倒なのはこの年式では運転席に行く空調ダクトが邪魔で、ダクトの一部を外しダクトを少しアオらないと外せません。
サービスハッチを開けると、エンジンの後部、ターボ、グローリレー、排気管、ATのベルハウジングが現れ、これで車体とエンジンの分離のための作業が出来るようになります。
エンジンとに接続している各センサー、コントローラー配線は3個のコネクターに束ねられており、この他にはACの電源のアース線があります。配管は燃料の供給、戻りの2本、ACダクトコントロール用バキューム配管、ヒーター用の配管、ラジエーターから来る冷却水の供給側の配管があります。この配管はエンジン下でマニホールドになっていますのでこれごと外すと作業が楽です。
作業が楽なのとエンジンを降ろすときに出来るだけ邪魔な物が無いほうがいいので、この状態で古いエンジンから新しいエンジンに流用するオルタネータ、バキュームポンプ、ACコンプレッサー、パワステポンプを取り外します。パワステポンプはプーリーが圧入してあるためプラーで抜く手順ですが、トヨタの指定工具は余りにもキツイ圧入のため壊れてしまいました。
今回の作業の請け負い工場にはスナップオンのプラーがあるのでこれを使えと指示したところかなり高価らしく渋っていましたが、これを使用すると工具を壊すこと無く抜くことが出来ました。
おそらくHUMMERのパワステのポンプはGM製で通常はオイルクーラーなしで使いますがオイルクーラーを備えて居るところを見るとかなり過酷らしく加熱して使われていたため固着が進んでいたのかもしれません。本人いわくその工具を壊すと工賃が飛ぶと言ってましたが壊さずに済んで安心。
エンジン後部はターボの熱除けのため薄い鉄板のカバーで覆われていて排気管を外せないのと新しいエンジンにこの部品は付いていないので後方部分を取り外します。
最後の大物はAT本体との縁を切る作業です。取り外しにはスターターを外しオイルレベルケージを取ります。エンジンとのつながりは内部で動力(回転方向のみ)ベルハウジングでガラの固定を行っています。そのため先ず内部の縁を先に切ります。
トルコンを止めているボルトを外すためにベルハウジング下側の鉄製のカバーを取ります。このカバーは水の浸入を防ぐためにフランジ面にはシール剤が塗られているので、ボルトを全て外してもコジらないと取れません。またスターターはリングギアーとの歯当たり調整用にスぺーサーが入っているので無くさない様に注意が必要です。
カバーを取るとベルハウジングの隙間からリングギアとスパナでリングギヤとトルクコンバーターをつなげているボルトを外します。その後エンジンとATを接続しているボルトを抜いてエンジンと完全に切り離します。最後にエンジンマウントのエンジン側のボルトを外し、エンジンクレーンでエンジンを手前に引きながら少し吊り上げます。
ターボから左右に空気を振り上げているマニホールドが当たらない程度に上げて少しづつエンジンを手前に引き出し、途中でエンジンマウントを抜き取ります。エンジンは少し前上がりで釣り上げ引き出します。引き出すときはまだ出し切れていないエンジン内のクーラントや各オイルがダラダラ流れ出し、これが体に降り落ちて不快になりましたが下でエンジンマウントを外していたアルバイトはもっと悲惨でした。
今回使用したエンジンクレーンの容量は十分でしたがエンジン重量が重いのでエンジンクレーンにオモリとして一人乗せておきました。新旧のエンジンを並べ異なる部分のチェックと降ろした状態のほうがやり易い部品のコンバートを行ったところ、ウォーターポンプの形状、ファンの取付部分、エンジンと車体の配線コネクター、燃料配管が異なりが分かり配線は旧エンジンのコネクターの一部を交換し、ウォーターポンプはストックの旧型新品と交換することにしました。配線は降ろした状態、ウォーターポンプ、燃料配管は床においてある状態より積んでからのほうが楽なので後で行う事にした。
エンジン積み込み前は長い休憩を挟み、新居に引っ越しする時の様に広い内に他の部品の点検と洗浄を行い、新しいエンジンを向い受ける準備が整ったところで、新しい手袋に履き替えエンジン搭載モードに切り替えて作業を再開しました。
積み込みはエンジンを前上がりに釣り上げた状態で出来るだけ奥に入れ込み、エンジンマウントを差込み一端降ろしエンジンを水平にして再度釣り上げてミッションの側まで近づけます。ミッションの下にジャッキを当てエンジンのレベルと合わせ左右に振ったりエンジンを回転させてミッションとエンジンのボルト穴をあわせてボルトを固定します。この後エンジンマウントにエンジンを固定して、分解した時の逆に各パーツを取り付けます。
内装の組み上げはオナーの手抜きで後付け部品の配線露出したままで、小学生の作ったラジオの様なスパゲッティ状態でしたので、作業がやりずらいので勝手に配線をすべて内装に埋め込み整理しました。
本当はDVDナビも埋め込みたかったのですが、もしかするとあれはオナーの好みで大きなお世話と言われた時に元に戻せるようにしておきました。エンジンオイルは何か不思議な物が入っており、どちらかと言うとグリスの様な保護剤が入っていたのでエンジン内の洗浄を行い、新たにBPのオイルを使用しました。ACの配管もガスを入れる前にリークチェックを行ったところ良好で、後日パワステのエアー抜きとエンジンスキャナーでテストを行って終了の予定です。
エンジンをかけて軽くアクセルを踏むとなぜかとてもスムーズなふけ上がりで、気分がいいエンジンの様です。このHUMMERは中古で購入したため前のオナーや輸入時に乱暴されたりしたのではないかと言う不安がこれで無くなりましたがこれからの慣らし運転でこのコンディションをキープしていただきたいと思います。

渡辺さんのHUMMERのエンジン交換が遂にスタートしました。
作業場所は、例に依って川越のランドクルーザー屋です。昨日から作業を始めていたようで、私が行った時は既にボンネット、バッテリートレイは外されており、ラジエター関係の取り外し作業を行なっていました。
今回は、重整備である事と、何があるか分からないので、作業に立ち会うだけではなく作業の手伝いをする事にしました。
私は主に簡単作業ですが、記憶力と生真面目さが必要なエンジンとボディーとの縁切りの作業を行い、力の必要な作業は店主とアルバイトに任せましたが、なぜかこのHUMMERは殆どのボルトがさび付いており、緩めるのには大変苦労しました。
おそらく原因はオーバーヒートによる酸化促進効果で固着している様です。そのため結局泥だらけになってしましました。
問題点はやはり数点ありましたが、その殆どは解決しましたが、ウォーターポンプが支給されたエンジンと既存の物が異なり、この部分に付いては旧エンジンからの流用を考えましたが、オナーが別に新品を持っていると聞いていましたので、その手持ちの物と交換する事にしました。 交換の詳細は後日報告します。

友野さんの93年式はオルターネータの容量が 85A しか無いので発電量が不安なためオプションの125Aのコンバージョンキットで容量アップした物を既に購入済でしたのでついでにこれの交換もしました。ちなみに交換のため、エンジンルームを改めてみると多少ボディーリフトもありますが6.2Lエンジンは冷却水のサージタンクの位置はサーモスタットよりかなり高い位置になり、これであればガソリンスタンドのアルバイト3日目程度の経験者がクーラント交換をしても冷却水中の気泡は自然に抜けそうです。元々6.5NAエンジン以降に付いているブロー口すら付いていません。
DIESELエンジンのタコメーターは点火系が無いため、クランクやフライホイールにセンサーを付ける物が一般的ですが、オートメータ製はオルターネターの次回の変化をピックアップして、回転計と照らし合わせて校正して使用します。
先ずバッテリーのマイナス端子を外しオルターネターに繋がっている配線を外します。ブラケットは上下にありますが、アッパー側は、形の違う物を使用しますが、下側は共通です。しかしオルターネターを外すにはそのステーの取り外しと、ウォーターポンプのヒーターへ行っているホースの継ぎ手の取り外しが必要です。このホースを外すと先に書いたようにサージタンクのレベルが高いのでNPT 1/2のプラグが必要です。
コンバージョンキットのオルターネータにはプーリーが付いていないので、古いオルターネターから流用します。取り付けた順に取り付けタコメータの配線を行うのですが、友野さんのエンジンルームの配線は以前ぐちゃぐちゃでしたが、最近少しづつキレイにトリミングしていますので、配線にはステンレスのメッシュ被覆を被せました。
タコメータの校正はクランク軸に反射テープを張り、これに赤外線を当てて実回転を測定器で測り校正します。ゼロ校正はなく傾きだけのスパン一点校正です。
今日御本人から連絡があり、いずれも好調であるそうです。しばらくしたら、ぜひ増し締めをして頂きたいと思います。今度はぜひツナギを持ってきて頂きたいと思います。
また、友野さんから今日ヘラーのHIDフォグランプがアメリカから着いたと連絡がありました。写真で見るより実物は大口径だそうで今度見せてもらいます。

ディーゼル車の規制に関してですが、私も石飛さんと同意見です。 ハマーの話題からそれて恐縮ですが、私も仕事上多くの海外に工場を持つ企業と取引がありますが、 国内の製造業の空洞化は恐ろしいスピードで進んでいます。 製造業は衰退しても、第3次産業である金融、物流、観光、サービス、情報の躍進によって成長を維持できるという意見もありますが、それでは1億2千万人は養えないでしょう。 しかもそれらの産業の生産性は国際比較では決して高くありません。 またアメリカのように世界中に経済的覇権を構築しているわけでもありません。 ITは雇用を削減する事はあっても増やす事はないようです。製造業はこれからも日本経済の核であることは間違いありません。
しかしながら、総じて見ると日本の製造業の生産性は海外との比較において低下する一方です。 その大きな原因の一つは社会全体の効率性、生産性が低すぎ、それが全ての産業に悪影響を与えているのです。 ほとんどが無駄である公共工事の乱発、肥大化し続ける政府、役人組織、行政機構。 こういった公的部門という巨悪な盗賊を養っているのですから国全体の経済効率が低下するのはあたりまえです。
具体的な所に目を転じれば、交通、物流は経済活動の血液です。 渋滞による富の年間損失は全国で9兆円。東京都だけでも4兆5千億円と試算されています。 つまり全国では国家収入の約5分の一、GDPの2%が無駄金として消えていると言う事です。この損失は色々な形で製品、サービス価格に転嫁され、かつ国際競争力を削いでいるわけです。
今回の東京都の試案では日本の経済的地盤の更なる低下を招きかねません。こういった観点からすると、東京都の今回の方針極めて感情的であり経済的 、社会的合理性の極めて乏しいものであると言わざるを得ません。 皆さんご存知のようにディーゼル車の定速走行時の黒煙は比較的少ないものです。渋滞の解消によって飛躍的にSPM, NOX, CO2の総量は削減できるはずです。 首都高速では渋滞のボトルネックの改良工事に何千億円掛けようとも直ぐやるべきです。国全体としては経済的にすぐに元が取れるでしょう。
また 一般道路では信号の制御をより緻密にすることによって、かつ管轄警察の責任回避的な交通政策を改める事によってかなりの渋滞が解消されるはずです。都内にある数万の信号を僅か5−6名の人員で制御しているそうです。 実際に制御している人と直接話しをしたのですが、この人数ではきめ細やかな対応は全く不可能だそうです。 
仮に都内の渋滞が10%解消できるのなら、計算上は制御員一人あたり1000万円払ったとしても、4万5千人を雇用しても元が取 れるわけです。 これは極端ですが、100−200人無駄なほかの部門から引っぱてきたらどうでしょう。旧式のディーゼル車を締め出す、或は糞高いフィルターを付けさす前にいくらでもやる事はあるのです。 
さらに、軽油の組成についてですが、カリフォルニアのように軽油の芳香成分を減らすことによってSPMは30%削減できるようですし(そのコストに付いては知りません誰か教えて下さい)、 軽油の硫黄濃度を現状の500PPMから米国並みの50PPMにすることによって触媒が使えるようになります。 
先日石油会社の人に聞いた所、その脱硫コストは2円/L程度に収まるそうです。ディーゼルの熱効率は他の動力に比べて圧倒的です。 単に排斥するのでなく、その運用方法、改良を考え環境と経済性の調和を最適化するための一手段としてディーゼルを位置づけるべきです。つまり大上段に構えて強腕を我々市民や企業に振るうのでなく、行政機構や警察に振るう事を優先し、かつ冷静に考え知恵を絞り、工夫することによって事をなすことが出来ると思います。 こうすれば社会生産性の向上という副産物も得られるのです。
以上、私見ではありますが皆様の意見、アドバイスがあれば歓迎です。
我々ハマー愛好者はこの厄介な車を飼い続けるために、普通の車のユーザーに比べると何倍もの苦労をしなくてはいけません。一方その苦労により様々なユニークな視点で車に係わる社会の断面が見えてきますし、様々な人と知り合う事も出来ます。 こういった意味でもハマーを維持していく事は人生のスパイス になっています。このHPがいつまでも続いて行く事をせつに願っております。   渡辺

アメリカのバブルも終焉を迎えるといわれて久しいですが、20年前は病める国の集まりであったヨーロッパもEUとして統一されアメリカに追いつく経済圏になっています。ヨーロッパでのこの手の話題の状態は日本の考え方と少し違う様です。お気の毒に確かに排気ガスで病んでいる方もいらっしゃいます。しかし今の日本で一番病んでいる部分を自覚症状が無いことが一番問題だと思います。

本日エンジンチューンに造詣の深い広島の森本さん(本日発売のCCV41号にローバーエンジンの記事を書かれています)から電話があり、先日来触れている冷却系のトラブルについて、これは非常に深刻な問題で私の書いている事だけでは足らないので、もっと読んだ方々が眠れないぐらいの事を書かないと、どんどんエンジンの壊れると言われました。
ここの内容について、馬鹿な奴の書いている事と馬鹿にせずに真剣に忠告して下さる方には感謝と尊敬を致します。今後ここの書き込みの内容に反論、補足等がありましたら、ぜひメールを頂きたいと思います。
森本さんからの指摘は、概ね私の書いている事が原因である事は間違いないと言われました。新車の時は組み立てラインでクーラントを入れる時、水路内を真空にして冷却水を充填しているそうです。こうする事によって水路内をクーラントでしかり満たす事で水路内に空気を入れない様にする事で冷却不均衡などの対策としているそうです。
これは他にブレーキオイル、ATF、AC冷媒も同一です。ACの冷媒は良く目にしていますが、それ以外は初耳でした。最近のエンジンはキャブの頃とは異なり始動後、直ぐに高回転で走る事が可能ですし、冷却水の量も少ないので結構シビアになっているようです。
冷却水においては最近のディラーでもこの真空式で交換しているそうです。先日落合さんのお兄さんの工場でもこの装置を使っていると、おっしゃっていました。森本さんはオートバイを新車で購入した時、登録前に必ずバラバラにして登録する方で、先日チューンしたレンジローバーも車体に対してエンジンの装着位置が高くサージタンクとのヘッドが取れないので空気の混入によるキャビテーションでエンジンを壊さない様に空気の貯まりそうな所にはすべて空気抜きを着け、更にアッパーホースには手でモミモミしてしっかり冷却水を満たしたそうです。冷却水を通常の車のようにエンジンを掛けてしばらくしてから減った分を継ぎ足す程度では不十分なようです。クーラントの交換がいい加減だと寒冷地では1〜2回程度のエンジン始動でオーバーヒートさせると、ブロックがパキッと割れてしまいます。
対策は先日の私流の金持ち式がベターです。エンジンフードをあけてアッパーホースに冷却水がちゃんと入っているか直ぐに確認して下さい。エンジンが壊れる前にウォーターポンプの中に空気をかむと軸の回りに空気が集まりシールがドライになってここから冷却水が漏れる事もあります。冷却水を交換するぐらいのチョロい作業内容でもこんなに面倒なHUMMERは奥が深い・・・・・・。

関西の方の冷却水の問題ですが、やはりエンジンブロックに亀裂が入っていたようです。場所は8番シリンダーで、目で見て分かる程度の物だそうです。今の所ブロック修正、ブロック交換、エンジン交換を念頭に対策を検討中です。この方の症状は、一年ほど前に冷却水が減りだし、冷却水補充のインターバルが徐々に短くなり、その内エンジン始動後水温が異常に上がり冷却水が吹き出し直ぐに低温に戻ったそうです。その後定温になりそのまま走行しても水温計に異常はなかったそうです。後の方の状態は短時間でのヒートサイクルが繰りかえされる事により、エンジンブロックの一番弱い所が徐々に破損した事が原因だと思います。
HUMMERのエンジンはGMのトラックにもかなり使用していますので基本的には結構ポピュラーです。しかしサーモスタットの位置、サージタンクの位置等のHUMMER特有の部分が複合的に悪さをして大事になると思います。今の所問題の無い方はエンジンブロックを壊す前に、前回の書き込みの対策をする事によって緩和されるでしょう。 

先日、紹介しました2件の冷却水がサージタンクからブリードしてしまい、Lowクーラントの警告等が付いてしまう件について奇遇にも両方からその後の報告がありましたので、紹介します。
結果は悪い方とまあまあ良好の両極端に分かれてしまいました。
悪い方は、話を聞いた時点ではオイルに冷却水の侵入はありませんでしたが、そのまま軽いオーバーヒートを繰り返している内に遂にヘッドガスケットから冷却水が抜けてエンジンオイルが白濁してしまったそうです。修理屋さんの見解ではヘッドガスケットからのリークと診断されたのですがNA車では無いので単純にヘッドガスケットであると判断するのは少々短絡的な判断かもしれません。先ず、冷却水温が高温になると当然圧力は上昇しますがシリンダー内も燃焼時はもちろん、吸入行程でも結構正圧になるので、冷却水の侵入がシリンダー内にあるならば大穴で反対に燃焼圧のリークもあるはずなのでサージタンクに排気がボコボコ回ると思います。またシリンダー内に冷却水が入っている確認はエンジンをフリップさせてアクセルを戻した時が一番シリンダー内の圧力が低いので排気管からクーラント液の臭いがします。一番面倒なのは、白濁の原因が他にある事です。この場合オイルラインと冷却ラインの近い所で冷却水の圧が上がった時に侵入する事が考えられます。また、エンジンブロックそのものの鋳物の巣があって冷却水の圧が上がったため、そこからクーラントが侵入する事がままあります。何れにしろ冷却水温度(圧力)が上がる原因を取り除き、その後クーラントの漏れ止めを一度濃い目に入れて様子を見ても良いのではないかと思います。これで治ればあなり安価に修理ができ継続使用は可能だと思います。98年式ではサージタンクのキャップはそれ以前の15lbから13lbに下げられている所を見ると、過度の圧力が頻繁に起る事で弊害があったための対策の様な気がします。また、ターボ車のブリードバルブの数や付け方が雑で後から取って付けたような感じであまりフィールドテストをせずに設置したのではと思ってしまいます。繰り返しますがDIESELエンジンのヘッドガスケットは結構丈夫な物で金属で挟まれハイテンションボルトで挟まれているのでヘッドガスケットが抜けてしまった場合は、どちらかと言うと圧縮漏れの方が症状としては大きいと思います。ヘッドガスケットが抜ける原因は当然ガスケットの劣化よりもかなりひどい熱による歪みや締め付けボルトの締込みの不均一などがありますが鋳鉄ヘッドであればかなり強いと思います。万が一ヘッドガスケットのリークであれば単純にガスケットの交換だけではだめでブロックとヘッドの面出しは必要と思われます。GMの指示でこの部分の平面度は0.48mm以下となっています。
一方のHUMMERは先日の方法でサーモスタットに2mm穴を2個追加した所サーモスタットが開くタイミングが速くなり温度計がレッドソーンには入らなくなったそうです。ただしサーモが開いた時は一気に下がると言う症状は未だあるようです。ターボはサーモスタットが2個あるので開くといっぺんに冷たい冷却水が回るようです。これが良いかどうかは解りませんがジワーッと開くには2個のサーモスタットを設定温度カを異なる物にすれば開く時間差が出るのでガクンと下がる度合いは緩くなるでしょう。
今回、ターボHUMMERの冷却系の状態を検証しましたが、今まで予想して実証できた事と波及するトラブルを考察します。通常冷間時に始動するとサーモスタットは閉じています。これによってラジエターの入り口は閉塞されているのでワォーターポンプは回っていますがエンジン内のみの循環になります。エンジン内が暖まるとサーモスタットのワックスが溶けてサーモが開きます。これによってラジエーターに暖かい冷却水が回りラジエーターで冷やされて再度エンジンに回ります。水温(エンジンルーム温度)が上がるとそれまで軸とリジットで繋がっていなかったフアンがバイメタルの力でメカ的につながれラジエターを通過する空気の量を増量します。北海道の冬などはラジエターで冷却水が冷やされすぎるので、サーモスタットは閉じたり開いたりしますが、サーモスタットの開閉はばねとその動きを止めるワックスで構成されていますので、どちらかと言うと、オン、オフの動きしかしませんので冬期は定常運転時の水温計の針は低めになります。
エンジンはある程度温度が高い方が熱効率的には良いのですが高温での温度コントロールをすると冬期と夏季で制御のフアクターが違うので市販車では定常運転事の温度に幅があるのは妥協していると思います。
ロールスロイスはラジエターの能力をコントロールするためにグリルにシャッターが付いていたのを見た事があります。空冷の軍用車であるM422も手動のシャッターを付けてオーバークールを防いでいます。
さて、今回の発生原因の一番大きいのはサージタンクの高さが低く、クロスバーの高さとあまり変わらないという事です。またタンクのレベルまで冷却水を入れると気層部分が少なく20リッター以上もある冷却水が循環するにはやや足りないようです。順調に運転していても冷却水が蒸発してレベルが下がると、サーモのある部分に空気が貯まりエンジン停止時に、時にサーモのエンジン側の回りには液体ではなく気体が貯まります。再始動の時エンジンが暖まっても気体では熱容量が少ないので水温が上がってもサーモのワックスが溶けないため開きません。ポンプは回っていますがこの気体をかむため高率はがっくり落ちますし、エンジン内は沸騰してしまい、ますます気体の量が増えます。この時ラジエター入り口側はサーモで塞がっていますが、反対側は繋がっていますので冷却水流路は同圧になりサージタンクのレベルを押し上げてキャップの力を押し上げてブリードして車外に放出します。やがて熱い気体に暖められたサーモが開きガクンと水温が下がります。この状態になるとクロスバー側のエアーを完全に取らないといくら冷却水を足してもだめです。
対策はこのサージタンクを押し上げる圧をラジエター側に回す事に依って始動時にサージタンクに冷却水が増えないで気体を回す事で解決できます。オリジナルでもこれを防ぐためにサーモには弁付きの小穴が空いていますが、これでは全く不十分なようです。
そこでサーモに穴を開けて始動時の圧変動で冷却水があまり動かない様にした所良好な結果が得られました。
極端な例ではサーモを外すと全く症状が出ない事でこれは証明できました。サーモが閉じているのは主に始動時であるのでこの程度の穴ではオーバークールの問題はないと思います。
簡単にこのトラブルに侵されているかどうかは調べる事が出来ます。先ず冷却水が所定の量が入っているか?ラジエターのアッパーホースをモミモミして冷却水で満たされているかで判断できます。
結論は以下となります。本来エアーブリードバルブはクロスバー側にあるべきサージタンクのレベルと気層部分が少ないLowレベルスイッチの位置が低い事が原因です。
優良対策、クロスバー最長部からラジエターの細い方のサージタンクに行っている配管に三つ又でつなげ、キャップの圧力を小さい物にする。
貧乏対策、サーモに小穴を開ける。この対策は先の方のようになる結構な出費になりますので今の所よくても対策しましょう。ちなみにNA車はサーモの位置が良いので今の所OKです。現物を前にしていませんが、87年のTURBO HUMMER2台が冷却水に同じような症状でトラブルが起きていますので紹介します。
この2台の状態は全く同じではないのですが、症状が大きく出ているか少な目に出ているかの違いです。1台は大坂のメンバーの方で、電話でしか話していませんが、1月ほどでLoクーラントのランプがついてしまうそうです。冷却水のエアー抜きは2ヶ所ともしっかりやっているのですがブリーザーから少しづつブリードしてしまうそうです。夏だったので、サーモスタットを交換しても同じなので、外してしまったそうです。
もう一台は、始動時に一旦水温がレッドゾーンまで上がり、サーモが開いた瞬間に水温がガクンと下がり同時に大量の冷却水がタンクのブリードホースから出るそうです。その後冷却水のアッパーホースは冷却水で満たされていないで気層になっています。
勝手な机上論でこの状況を予想すると、今の所以下のようになります。HUMMERのサージタンクは通常のアメ車のリザーバータンクと異なりサージタンクも閉塞された冷却系になっています。サーモスタットが開く前にエンジン温度が上がりエンジン内の冷却水の循環が悪く局所的に温度が上がり沸騰すると泡が出ます。この泡は一番上のサーモスタットの付いているクロスバーに貯まりサーモの開閉をしているワックスを暖め切れないで温度は上がっても開かないと考えられます。そのためかなりの沸騰状態にならないと実質的なサーモが開かないと考えられます。または、冷却水を入れた時に構造上サーモスタットが横付けなのでこのハウジングを冷却水で満たす事がやりづらいので、沸騰した気泡ではなくてこの気層のせいでサーモスタットが開きずらくなってしまうのかもしれません。一回此処後満たさればいいのですが、サージタンクのレベルがこのレベルとほぼ同じためエンジンを切るとここに気層が出来てしまう様です。
これを解決するには昔のサーモスタットのように小さい穴を開けておく事が有効ではないかと思います。これであれば空気の逃げる場所も出来るし多少クーラントが少なくても正常に動作します。この事から解るのはサージタンクの位置が低い事と、サーモスタットの位置が高すぎる事が原因と思います。短時間でもオーバーヒートする事はエンジンの熱歪みによるブローの原因になりますので早めの対策が必要でしょう。

HUMMERのエンジン始動時に何時もと違う事が以下の2件ありました。
先ず、さほど気温が低くないのに始動直後のディーゼルノック音が大きい事、そして排気の色が白い事です。異常に気が付きアクセルを多めに踏みパッと放すとエンスト、再始動した所停止直前と変化無し。そのまま暖気した所エンジンの調子は通常と変わらず特に異常は感じられないので、そのままガレージに行きましたがその間何も無し。
後輩の修理の間色々考えたところ、異常は始動時の数分なので、始動時のプロセスを順に考え。前回燃料系のチェックは行ったし、暖気後は好調なので噴射ノズルを含めて問題はないと予想できます。
原因を大分類するとアイドルアップ系統と予熱系統が考えられます。しかし、始動時のアイドリングはバラツキはありましたがそれなりに回転は上がっているのでこのシーケンスは問題ないと考えられます。残るは予熱系ですが、イグニッションキーをオンにした時と、始動後のアフターグローはWAITランプの点灯と電圧計の振れで確認できました。ただし、8気筒のすべがOKと言う事は無いので、先ずグロープラグの点検を行う事にしました。
グロープラグの役割は冷間時に複燃焼室の中で赤熱し同居の噴射ノズルからスプレーされた燃料の微粒子化を促進させます。これが働かないと冷間時では燃料が液体のままで燃焼せずにそのまま排気されたり、着火おくれにより圧力変動が大きくなり大きな音が発生します。
今回はこの症状の2例の両方共出ました。全てのグロープラグすべてサボっていると、外気温が低いと全く始動しません。また、極冷間時は気筒間の温度差が大きくなりエンジを歪ませ、圧縮漏れまで発展する事もあるそうです。グロープラグの位置は各バンクの外側にグロープラグ自身に切られたストレートネジで固定され、気密は外筒の先端のテーパー合わせで行います。
電力供給は一本づつ配線されています。(良くあるDIESELエンジンは配線が無くプレートに付けられているので点検が大変) この配線を抜きコネクターと、エンジンブロック(アースの落ちている場所なら何処でもOK)の導通を見れば切れているかどうかは簡単に分かります。今回は先ず右バンクの方がアクセスしやすいのでチェックした所4本の内3番と7番の2本に導通がありませんでした。さらに反対側を調べた所、4本中8番の1本がNGと言う情けない結果となってしましました。マルチシリンダーなので解りづらいのは確かですがこんなにだめだったのは全く情けない話です。グロープラグの新品在庫は無いので解体車から3本外して交換しました。
交換後エンジンが冷えるのを待って始動した所、今までに無いほどの静粛始動(デモ基本的にはかなりうるさい)でした。今回の修理中たまたまいらした画家の佐藤先生は、ご愛用のランドクルーザーは、定期的に交換しているそうです。ランクルは4気筒なので一個でも駄目になると始動性の低下が大きいそうです。
今回、私のHUMMERは5勝3敗なので、私の定説は5年又は5万キロで交換としたいと思います。従って今回は応急処置として、早速新品8本を発注し交換したいと思います。グロープラグはネジ部がステンレスでしたが取り外しの時潤滑材をしっかり染み込ませてから外した方が良いでしょう。

点検はサンデーメカニックでもOKですが、エンジン側のネジを壊すと高いものに付きますので自信の無い方はプロにまかせた方が良いでしょう。
ついでに一応書きますが、導通があるのに掛からない場合は、起きやすいのは配線の断線、リレーの故障が考えられます。マニュアルでは結構しつこくこの辺のチェックに付いては書いてありますので、消耗品と考えた方が気が楽です。ここの所、今までになくエンジン不調が続きますが、どれも早期発見のおかげで走行不能の大きなトラブルにまでなりませんが、万が一の場合にファンベルト、燃料用電磁ポンプ、電磁ポンプ゚用リレー、グローリレーはそれ程の重量物ではありませんので、車積しておけば万が一走行不能になった時の帰還率が高くなります。これにインチ工具のセットを載せておけば、かなり外車率の低い所でもその工具で修理してもらえます。
HUMMERの場合、遠距離で故障した場合この程度のものでも修理不可能で、現地に預けたり、HUMMERが積載できる積載3.5t以上のローダーをチャーターすればどんなに近くても部品代が出てしまう事になります。以前ブレーザーの時タイヤがボルトごと長野で取れた時JAFは来てくれましたが、車を見て帰ってしましました。近所の修理屋を呼びましたが、工具が無いと言って断わられ、結局、知恵を絞って反対側の半分のスタッドボルトを抜いて、等配に植えてそれぞれ半分の3本で、ゆっくり走って帰った事があります。これがもし現地に預けた場合、部品が揃うまで何処かに預け、電車で帰り再度車を取に行くと言う事は、金銭も時間も消費します。特殊な車に乗るにはそれなりの準備は必要と思います。ぜひ準備して下さい。

ハイオク軽油についてレポートします。
そもそもハイオクとはガソリンのオクタン価が高い高い事を指す物で、軽油にハイオクはないと言う事を確認しておきます。軽油のハイグレードの物を商業的に分かりやすくする物で、燃焼性の事で言えば軽油の場合はセタン価で現します。しかしエンジンに対しての高性能判とするならば意味は全く逆になります。
ここでガソリンと軽油の素質の違いを書きますと、火種がある引火点(フラッシュポイント)はガソリンが零下35℃なのですが軽油は5〜60℃以上。成分がすべて蒸発する温度はガソリンは殆ど200℃ほどで蒸発しますが軽油は300℃の高温になります。こう書くと発火点(着火点)は一見ガソリンの方が低そうですが実はガソリンは約500℃、軽油は約350℃で、軽油の方が燃え易いのです。
ガソリンエンジンは吸入行程では混合気を吸い込み点火プラグで圧縮、上死点前で点火しますが圧縮上死点前でバンと燃えるとピストンを押し返して性能上困るので出来るだけ遅く燃える方がエンジンには都合が良い訳です。燃え難さを数値化するのはオクタン価と言う事になります。オクタン価が多いほど燃えにくくなります。以前はベンゼン、トルエン、キシレンの添加でオクタン価を上げていましたが。有害物質なので現在は色々各石油会社は苦労しています。
ガソリンのオクタン価は今は100オクタンなのはごくかぎられていますが、自動車のエンジンが電子制御で良くなったので、現在はどんな燃料でも通常使用では中々体感出来ないと思います。オクタン価の測定はASTMエンジンと言う単気筒の圧縮比を変えられる標準エンジンで実際にエンジンを回転させてノッキングの起きた時の圧縮比を比較して決めています。最近は近赤外線の測定器でも測れるようです。
ディーゼルエンジンは、吸入行程では空気だけを吸い込み圧縮上死点寸前で燃料を吹き込み始め自然発火をします。従って噴霧されている燃料が出来るだけ早く随時自然発火する軽油が良い軽油になります。この燃え易さを現すのをセタン価と言います。噴射した燃料が早く燃えた方がシリンダー内の圧力が注入したものがどんどん燃えるとシリンダー内が滑らかに上昇するので燃焼音は静かになります。始動時にエンジンがうるさいのはエンジンが冷えているので霧化が上手くいかないので自然発火が遅れ噴射された対流した燃料の表面から蒸発した燃料が空気と混じって遅れて貯まっていた燃料が一度に燃焼する為、圧力上昇が急激に上がり叩くような音がします。
セタン価はJISでは寒冷地用の物で45以上、通常は50以上になります。ハイグレード軽油は幾つかは知りませんが燃え易くなっているはずです。ハイグレード燃料はこの他に清浄剤、防錆剤、が入って居ますので長い目で見ると良いのかもしれませんが、10円アップはきついです。
まとめますと叩くようなエンジン音が異常に大きいのは着火後れが原因ですが、あまりひどい時は噴射ノズルの異常が考えられますので清掃又は交換が必要です。 
ターボエンジンとNAとの違いは現在の技術ではやはりターボに軍配が上がるようです。ターボは通常大気に放出してしまうエネルギーを使ってタービンに依って空気を押し込む訳で、スーパーチャージャーのように動力損失が有りません。排気はターボの入り口で一度絞られ速度を上げてフィンに吹き付けられます、燃料噴射が沢山されて燃焼すると排気の温度が上がり容積が増え一定値の回転を超えるとタービン入り口で塞き止められた圧力より吸入側の吐出口の圧力が上昇します。これによってのメリットは大気圧以上でシリンダーに押し込まれるので他のピストンの圧縮のお手伝いをする事になるので、エンジンの見かけの摩擦損失がNAより小さくなってふけ上がりが良くなります。
ガソリンエンジンではせっかく加圧してもスロットルで絞られるのでターボのメリットが落ちます。ですからガソリン車にはターボの様なコンプレッサーではなくスーパーチャージャーが向いているようです。インタークラーを付けるとターボによって圧縮され上昇した空気の温度をインタークラーで下げる事に依って圧力は下がり(密度は上がるので酸素量は同じ)ピストンの冷却もするのでエンジンへのダメージは小さく出来ます。又、NOXの量も減らせます。
したがってDIESEL TURBOにインタークラーは良い事ばかりです。インタークラーで十分空気を冷却すると文献によるとNAより1.4倍の出力アップしてもエンジンの耐久性は変わりません。それは出力アップしても燃焼室温度が上がらないからです。過給圧コントロールのセンサーはインタークラーの後なのでインタークラー取り付る事によって実質的な酸素量が多くなっているので出力も上がります、DIESELは絶対ノッキングしませんからいくらでも過給を上げても良いので助かります。インタークラーは確かに高価ですがエンジンを酷使して壊す事を考えると良い方法かも知れません。実はTURBOモデルにはちゃんとインテークマニホールドに給気温度のセンサーが付いていますので安心です。その内解体車の物をあつめてインタークラーを作るのも手かもしれません。今回松原さんのHUMMERに付けたインタークラーの効果が出たのは以上が明快な理由です。もちろんスパーチャジャーが失敗した理由もしかりです。

結局、インタークラーの取り付けが気になって、仕事が終わった後、修理屋さんに行ってきました。私が行った時はもう既にAT、エンジン、パワステの各オイルクーラー、ACコンデンサー、ラジエターの配管が外されて直ぐにユニットを外せる状態になっていましたので、手を貸して下ろしました。このユニットを外すとエンジンに手が届きやすく、整備性はかなり向上します。またエンジンが左にオフセットされているのは知っていましたが、正面から見るとかなりずらして搭載しているのが解ります。
次にエアーインテークダクトを外しキットの中の部品を調査して、外す部品のロケーションを確認した所、ターボとインテークマニホールドをつないでいるチャンバーを外すのに、大変そうなので、思い切って内装を外し、エンジンルームと室内を仕切っている整備用のハッチを開ける事にしました。エアーのフローは、先ずエアークリーナーからダクトを通りエンジンのVバンクの中心に行きそこでタービンにブルーのシリコンジョイントパイプとホースバンドで接続されます。タービンから出たエアーは上向きでここに二股に分かれたチャンバーによって圧縮されたエアーを左右のバンクに分配しています。今回取り付けのインタークーラーはこのチャンバーを交換してタービンとインテークマニホールドの間に入れます。内装を外し、チャンバーを止めている6本のボルトを緩めてもタービンに差し込まれている部分があるため、チャンバーを外すには5cmほど浮かさなければなりませんが、エンジンの上に余裕が無いので外せません。荒っぽいのですが左側のボディーマウントを2個所緩めジャッキでボディーを浮かせて取り外します。次に左右のバンクそれぞれ別々のインレットパイプを取り付けます。これはオリジナルの一体であった物を分割して改造した物です。右バンクはインレットのみですが左バンクの方はタービンのアウトレットと一体になっています。ボルトはオリジナルの段付きの物から少し細くなった六角穴付きで段付きになった物を使います。次に、角パイプにシリコンホースをつなぎ、まずインタクラー出口側の配管をします。インタークラーからの出口は一個所なのでY型のパイプで左右に振り分けます。接続はシリコンパイプでの接続になりますが全てを装着した時、ボンネットを閉めた時の干渉を考慮しながら、ホースバンドのネジの向きを考えて接続します。またYパイプの収まりを良くするためエンジンコントロールワイヤーは外しておいた方が作業はやりやすいようです。次にタービンからインタークーラーまでの配管をしますが、エアコンのホースが邪魔でなかなか良い道がありませんでしたが、曲がらない方を優先して取り付け、柔らかいACホースは後から通す事にして設置しました。配管が終わった所で新しいラジエータユニットを搭載しますが。新しい物はオリジナルより大きい為、ヘリコプターステーに付いているゴムは不用になりますので外しました。各配管はゴムであったり細い金属管なので、自由度が有りますが、インタークーラー配管は自由度が少し無いのと、エンジンフアンの位置は換えられないのでラジエターの位置はおのずと決まってしまいます。ラジエータサイドのステーはゴムブシュを入れ替えたオリジナルより短い物と交換します。この後各配管の取り付け、バッテリートレイサイドパネルの取り付け、内装の取り付けを行いボンネトを付けて終わりなのですが、実はここで大問題が発生。ボンネットがきちんと閉まらなくなってしまったのです。ボンネットを開けたり閉めたり何度もやって色々調べた所、インタークーラーがボンネットの骨に当たり閉まらなくなっていました。色々考えたのですがインタークラーはフアンのシェラウドの都合でこれ以上下げられないのと配管の都合でエンジン側にも押し込めないので仕方なくボンネットを1cm程上に上げる事で当面は逃げる事にしました。そこで気が付いたのですが、ボンネットのヒンジの下にもう既にスペーサーが入っていました、不思議に思い他のボディーマウントを見ると同じようなスペーサーが入っています。どうやらターボエンジンは高さが高い為に、ボディーと干渉してしまう為にボディーリフトが行われています。今回も少しボディーリフトすれば解決しますので、恒久対策としてもう少し下駄をかます事にします。これによる弊害はヘリコプターフックの出が少なくなります。ちなみにスペーサの厚さは1/2インチでした。ここまでの作業でいたん中止して翌日に繰り回しました。
翌日終業後工場に行くと各オイル交換、補充を済ませ、増し締めと仕上げ作業に入っていました、私の後直ぐにオーナーの松原さんとうらやましい関根さんが来て、準備が整った所でエンジンを始動し、各動作、インジケーターの確認をしてから私が先ず試運転をさせて頂きました。違いは全般的に加速が良くなり特に2速での2000回転からの高回転域まででのふけの良さはしっかり体感できました。いつも同じ年式のHUMMERに乗っている関根さんに試乗してもらいました所、「明らかに違う」と私と同じ意見でそれを裏付けるように関根さんは工場に戻ると自分の分を発注していました。もちろん噴射ポンプをいじっていませんので黒煙はノーマルと同じく殆ど出ないジェントルな仕上がりです。
実用上HUMMERにここまで私は必要かどうかは解りませんが、いざという時にパワーがあった方が良い事もあります。あくまでも両名には野望があって、私もそれに賛同しているからお手伝いをしています。 

丸い所がタービンとの接続口

 

左が改造品

 

エンジンがオフセットされている様子

 

仮止めで配管している様子

 

ブルーのパイプがインタークラー配管

 

先日 仲間のGAS HUMMERにトラブルが出ましたので 御参考までに レポートします。
 
年式96年 ワゴン 走行5000キロで 9月の暑い日に 高速を100k程度で走っていて 料金所で止まり再スタートした所、100m程走った所で エンジンが足を出してしましました。セフティーローダーで迎えにいくとオイルパンからコンロッドが飛び出していました。
原因は、オバーヒートでした。 走行中は風が入る為 どうにか適温で走っていましたが、料金所で走行風が止まって 一気に水温が上がったようです。
結局修理にはエンジン交換が必要で 栃木のチューニングショップで新品のエンジンと組み替える事にしました。
そこの店主の話では ストックのエンジンでは車体とエンジンのバランスが取れていなくてパワー不足のためトルコンスリップが多くなり、結局又同じ事になるので 低速重視の300馬力ほどのエンジンを組んでもらう事にしました。
モチロンラジエターのコア増し、電動ファン、ボンネットのエアーノーズで熱対策は行います。
大井さん お住まいの地方では、こちらと気温差が有るかと思いますが、フェーン現象で気温が上がる事も有るかと思いますのでご注意ください。

私のHUMMERはNAディーゼルなのでGAS車ほどでは有りませんが 取りあえず電動ファンは取り付けようと思っています。

又、先日ディーゼルターボのエンジン(コンピュータ付き)を手に入れましたので万が一の時は積み替えようと思っています。

 

積み替えのエンジンですが 色々問題が有ります。先ずパワーアップにはノーマルのインジェクションでは燃料の量が不足します、したがって エーデルブロックのインジェクションユニット(コンピュータごと)かキャブにしなければなりません、けどエンジン上のスペースが無いのでキャブは無理です。又、これらにするとミッションはストックの4E80が使えません。
本体は454とか502のBIGブロックにするとエキゾーストパイプは鋳物しか使えない為せっかくのエンジンの性能が発揮できません。これを踏まえてエンジンはスモールブロックベースに410までボアアップしてカム4ボルトコンロッドとかお決まりチューンパーツの組み込みで カムはパワーボート用の物を使う予定です。エンジン単体は170万の見積もりが出ています。
  最終的にはいくらになるか未だ解っていません。雑誌ホットロッドオプション誌に出ているHUMMERは502をデ・チューンしていると書いてありますが 多分エキゾーストでパワーダウンしてしまっているのだと思います。ですから金を掛けた割に早くなっていないと思います。
積み替えを考えているならば お勧めは現行のタホ等に詰まれているボルテックエンジンがいいと思います、これはマルチインジェクションですしミッションもそのまま使えるので、これをベースにお決まりチューンをすればいいと思います。国内にもだいぶ出回っていますので96年以降の出物を待つか 輸入しかないと思います。現地価格はおおよそほぼ新品で12000ドルでした。私はちょうどディーゼルの出物が有りましたのでラッキーだったと思います。
 
これらの情報は 皆、我々のやっているHUMMER互助会?での事例です 現在 9台ほどです。10台以上になったら 不定期でもいいですから 情報通信をモチロン無償で発信しようと思っています、大井さんにも今回のようにこうしたらこうなった的な情報が有りましたら又送ってください、数の少ない車なので皆さん情報を欲しがっています。HUMMERだからと諦めるのは、他人の視線と 幅以外は何も無いと思っています。
 やっぱりそうですか! コントローラーは 今年の はじめに LAで購入しましたので 未だ買えると思います、あのコントローラーは GMの車と同じ物なので 無くなるはずはないのですが・・・・おかしですね。
  配管は特にジョイント部分からの漏れが有りますので ちゃんとつながっているように見えてももれている事が有りますので インシュロックで縛るといいと思います。
 

 

 電動ファン はかなり効果的だともいます。 ただ温度センサー(スイッチ)の取り付け場所と設定温度が問題です 定説では場所はラジエターのロアー側に付ける物だと言われております。温度は85℃ぐらいから有るそうですが 噂では調整できる物もあるそうです、購入されたフアンには センサー付いていましたか?
 電動ファン はかなり効果的だともいます。 ただ温度センサー(スイッチ)の取り付け場所と設定温度が問題です 定説では場所はラジエターのロアー側に付ける物だと言われております。温度は85℃ぐらいから有るそうですが 噂では調整できる物もあるそうです、購入されたフアンには センサー付いていましたか?もちろん 私の中では すでに大井さんはメンバーのつもりですがいかがでしょう。 私は 取りあえずPCは使えますが 大井さんのようにHPは出来ません ぜひ HUMMERのHPを充実してください お願いします。