HUMMER ESSAY 2000年10月     

 石飛毅氏よりの E-mail より抜粋    to  大井康之

 
2000年9月  

2000.10.31.    石飛毅氏

当HPもいつのまにかカウンターが7000に近くなり沢山の方々が利用されていると思います。
ここを見てメールを下さる方々の傾向は、お客さんの車の修理を受けた修理工場の方も最近目立ちます。修理に困り、マニュアルのFAXを求められる事も、部品をお分けする事もあります。その時に国産大型4WDと比較して部品代の安い事を驚かれます。
これは、インターネットで見れば、HUMMERで使われている部品の多くは大量生産のおすそ分けを利用している訳ですから、安いのは当たり前です。
それに反して専用部品は結構高価な物もあります。たとえば先日注文したパワーステアリングのギヤーボックスは現地の価格で550ドルほどです。国産のランドクルーザーは15万円するそうです。送料が幾ら高くても2万円以下ですし、成田ーロサンゼルスの航空賃も安いときは5万円を切るときもありますから、飛行機に乗って行って買って帰ってきてもお釣が出ます。
大きな物や極端に重い物は無理ですがついでに他の部品を買えば、他に2人ぐらい連れて行けるほどです。ただし、これは他車との共通部分に関してだけ当てはまる物で、専用パーツは結構割高な物もあります。
たとえば、おなじみのCTISのセンターのバルブは現地でも一台分買うとパワステギヤーボックス並みの価格になります。
HUMMERはある意味では大変丈夫な車である事は確かです。しかし個々の部品は丈夫そうに見えても自重が3tを超える車輌である事は紛れも無い事実です。また、基本は軍用ですがそれは決められたルーチンで整備される事を前提にしています。特に何事も無いからすべてOKと言う訳ではなく、使えばなにかが必ず消耗しています。何かあってからでは遅い事も多々ありますのでぜひ、マニュアルに記載されている日頃のメンテナンスは十分行なって頂きたいと思います。
抽象的な事ではあまり参考にならないので事例を挙げますと、最近多いのはアイドラーアームの消耗です。エンジンが止まった状態でハンドルを切るとその重さに驚く事があったと思いますが、あれだけの力を受けているこの部品はきちんとグリスをささないと削れて最悪抜けてしまう事も考えられます。この様なメタル同士の擦り合わされている往復回転運動部分は力のかかり方は全体に等分されている訳ではなく、局部的に荷重がかかります。ぐるぐる回る運動であればある程度潤滑剤が循環しますが、往復回転運動の場合は加重のかかる部分が集中して一見グリスが入っているようでも肝心の所は無潤滑になってしまします。またこの削りカスが更に、悪玉になって摩耗を促進します。適度なグリスアップはこの汚いグリスを追い出して元気なグリスと入れ替える意味もありますので、大変重要な事です。他のステアリング系のボールジョイントのメンテナンスについても同じですが、特にこの部分は要注意です。
もう一つ多いのは燃料を満タンにしたときの燃料漏れが数件あります。これは燃料計のセンサー部分のゴムパッキンが燃料におかされてしまうためで、パッキンの変更が必要です。ただし、純正品では又何れ融けてしましすので、以前大井先生のHUMMERに行なった対策で良かったと思います。もしだめでしたら、又対策を考えたいと思います。
最近、当方のクラブに入会の希望が多々ありますが、ご自分の事も紹介せずにメールが来ます。我々は何度も言うように、メンバーの数を増やす事が主目的ではありませんので、一度でもお会いしてお話をして、共感できる方をメンバーとしたいと思いますので、ミィーテイングでのみ入会を受け付けたいと思います。
それでは何時やるんだと言われそうですが、今の所、11月の中旬あたりを検討していますので、最近サボり過ぎですがHPをチェックして頂きたいと思います。関西方面はHUMMERオタク度の高い林さんがおり、彼も今IT革命中でもう少しでメールが出来る様になりますのでもう少しでお任せ出来ると思います。また、東北以北は、大御所の大井先生がいらっしゃいますので安心です。今回の日程は大井先生と私の独断で決めさせて頂きますのでご了承願います。
対に、昨年9月にエンジンブローした松原さんのガソリンHUMMERのエンジン載せが始まります。部品は揃えたつもりでも細かいガスケットやねじ類が不足するかもしれませんので牛歩になるかもしれませんが、出来る限り毎日、工場に行くつもりです。
今回積み替えるエンジンはZZ-4と言うエンジンで一応355馬力のスペックですが、キャブ仕様ではなく、TBIを生かしたまま搭載しますので若干パワーは落ちると思います。現在アメリカにコンピューターを送り、エンジンに合わせたコンピューターチューンをしています。
以前に書きましたが、エンジンパワーを上げるには排気管の出来がかなり左右します。今回は取りあえずノーマルを使い、搭載後現物合わせで「タコアシ」に変えたいと思いますのでどんなHUMMERになるか楽しみです。このHUMMERはバラバラにしてからもう1年なので忘れている部分も有り不安でしたが最近、近所でガソリンHUMMERのオーナーとお知り合いになれましたので、時々この方に悩んだときに見せてもらおうと思っています。
今回このための設備投資はエンジンクレーンとエンジンスタンドを発注しましたボーナス前で辛いのですが、特にエンジンクレーンはかなり効率を上げてくれると思います。
もう一つエンジンの話ですが、当方ではDEISEL TURBOのエンジンも2基所有しています。これはいつか積み替えようと思って持っているのですが、中々時間が無いのと必要に迫られていないので当分お預けです。ですがこれがあるおかげで不調の原因究明の時、部品の入れ替えができますので、先ず不調部品を予想し購入すると言う無駄金を使わずに済むので、大変重宝します。
先日、FORDのブロンコのエンジン不調のとき、都内の有名ディラーに行きましたが、故障個所の特定が出来ず、その時は数点の部品を交換する高額の見積もりが出ました。納得できず結局そこを引き上げて当方のガレージで一つ一つ丹念に調べてやっと修理を完了しました。この時もう一台同じ車があれば部品を入れ替えてみれるのでもっと簡単だったと思います。修理は推理です。だから楽しいんです

2000.10.13.    石飛毅氏

本日、またまたエアコンの不調に陥りました。再び、ガス漏れでした。今まではガス漏れ発見のために配管のオイル汚れを手がかりにしてきましたが、多発するHUMMERガス漏れ修理の完璧を記するために何時ものランクル屋がガス漏れハイテク器材を導入しましたので、早々に試させてあげる良い機会が出来ましたので紹介します。
発見方法は配管の中に特殊な薬品を10ml程注入し、しばらくコンプレッサーを回転させます。この時全くガスが入っていない場合は薬剤が回らないのと圧力が上がらないのでガスも注入します。エンジン停止後、黄色いサングラスを装着し紫外域の専用ライトを当てると漏れている部分が黄色く光り確実に漏れ箇所を発見できます。
私のHUMMERの場合高価なコンプレッサーからの漏れはなかったので安心しましたが、レシバータンクのアウト側ホースのゴムと金属のカシメから漏れていました。この配管は室内のエバポレーターに行く配管で構造上無理な曲率で装着されていますので、新車から5年経ちて寿命が来たようです。ゴム配管自体も手でこじると裂け目が有りました。原因がハッキリしましたので配管を取り替えればまた快適に過ごせるはずです。ついでに最近コーナの途中に足元で「ボコ」っという音がし始めましたので、ボディーマウントの増し締めを行ないました。マウントのゴムは未だヘタッテいないようでしたが後1〜2年で交換時期の模様です。

アメリカのFOUR WHEELER誌11月号H2HUMMERが掲載されています。今までの記事はショーの時の写真ばかりでしたが、今回の記事は撮影も野外で行なわれた本物の様です。基本シャーシはGMのシルバラードの物ですがリヤーもAアーム式Wウイッシュボーンです。バネはトーションバーですが、ショックにも補助的なコイルが毎期付けられて、更にショックはべったい式の物が装着されています。ハブ゙リダクションではありませんがCTISもオプションで選べるようです。タイヤはGOOD YEAR性の特注品で リム幅9.5インチ、ホイル径19インチのワンピースアルミホイールに装着されています。タイヤのサイズは10.5×19です。エンジンは新型の6.5Lボルテック 最高出力は325馬力となっています。燃料はガソリンです。

2000.10.10.    石飛毅氏

今、アメリカから帰ってきました。
今回は仕事中心だったので、あまりHUMMER関係には進展はありませんでしたが、ミリタリー車のフリーマーケットがありましたので、そこで数台のHUMMERとハンビーを見る事が出来ました。
その中で一番笑えたのは、シボレーのサバーバンのフレームにハンビーのボデイを載せた、ナンチャッテHUMMERがありました。一見全く解らないのですが、サスペンションがリーフでしたし、勿論CTISもありません。そのHUMMERはトレーラーも引いていました。このトレーラーは軍用の物で、通常のJeep様の物より大き目でなかなかカッコイイ物です。トレーラーの重量は600kgなので150kg積載であれば日本で普通免許で運転できます。こいつにはちゃんとブレーキも付いているのでなかなかの優れもので、価格は現地価格で約2000ドル(安い!!)で購入できるそうです。
また、ここに来ていた車はなぜか皆ビョーンと長いアンテナが付いています。
もう一つの情報としてはハンビー用のミリタリータイヤの生産が終わったそうです。また、GOOD-YEARのMTも品薄で入手困難だそうです。でもMTは軍用でも採用されていますのでその内出回ると言ってました。HUMMER用のタイヤとして時々使われていた、ディックシーペックのタイヤは同社が倒産したためもう手に入らないようです。

トレーラー

ナンチャッテHUMMER

タイヤカタログ

タイヤサイズ


暗い話ばかりですが、一つ明るいニュースもあります。それは新しいHUMMER用のタイヤが発売されました。このタイヤはオフロードレースでその昔活躍したパーネリージョーンズの名前の付いたタイヤです。25年ぐらい前にファイヤーストーンからPARNELLI JONESと言うタイヤが若者(当時の私)の間ではやりましたが、今回の物はあれよりもパターンかアグレッシブルでMTよりも粗目のパターンでサイドウォールまでパターンが回り込んでいます。HUMMER用のサイズ38×15.5R×16.5がカタログに出ています。品名は「DIRT GRIP」です。価格は未だ分かりませんが選択の対象が増えたのは良い事だと思います。先日紹介した中古のスタッドレスタイヤは日本の誰かが買ったようです。
その他の情報としてはDIESELのHUMMERの噴射ポンプは長時間止めているとシールがドライになりやすく傷が付いて燃料が漏れる事があるそうです。ですから時々エンジンは走らなくても掛けた方が良いようです。
大井先生の作られたエアコン用のエアースクープは中々良い出来ですね! 一つしか作っていないのですか?
最近は、例のフロンの問題で最近の車に使われている134aは以前の12よりは冷却能力は劣るそうです。これの冷却能力を上げるドーピィング剤もあるようですがいまだ試してはいません。少し楽しみにして下さい。

エアコン用エアスクープ

 

  2000年9月