HUMMER ESSAY 2001年1月     

 石飛毅氏よりの E-mail より抜粋    to  大井康之

 
2000年12月  

2001.1.31.   石飛毅氏

遂に10000ヒット達成しましたね。
一体誰が10000人目だったのでしょう? 20000ヒットの時は記念品でも用意しましょう!!!。
東京都ではDIESELエンジンの規制案が新聞にも出ていますが、埼玉、神奈川もこれに追従するみたいです。具体的な内容はいくら読んでもハッキリしませんが、取りあえず慌てずに対処していきたいと思います。
目的がはっきりしていないので理解しがたい部分のありますが、浅知恵の私が自分なりに考えた事を少し書きます。
ます、今一番世間で問題になっている事は不景気ではないかと思います。これの根底は製造業の不信で従来輸出依存型の産業構造である我が国は、後発の海外の工業国の追い上げにより、段々苦戦しています。確かにJAPANブランドの電気製品、自動車は世界中に散らばっていますが、一番数の出る廉価品は殆ど海外生産品です。これは相手先の国の国内産業の保護の為のノックダウンもありますが、殆ど国内の製造コストの高騰による物です。
一時はプラント等の輸出事は作業員ごと輸出していた我が国でしたが、今では競争相手に勝つ為にも一部のスーパーバイザーを除いて現地採用です。製造業はそれこそ数円単位でコストダウンして今の経済を支えています。高級品でさえ中は海外調達品で溢れており、国内はドンドン空洞化しています。私の会社でもプラスチックの成型品、スイッチ等の構成部品は海外製です。今回のDIESEL規制は現在でも厳しいコストを引き上げる事は間違いないと思います。
東京都は一地方自治体ですから、そんな事を考えずにドブ板的な話のつもりでしょうが、こんなデカイ行政であればモット大きな視野で見てもらいたいと思います。あの一番大気の汚れていた時は全くこんな話は出ていなかったのに、今ごろ気が付いたみたいに(自分の子供が大好きな小型船舶エンジンの無法物はそのままでいる所を見るとSPMとかの言葉は知らなかったのかもしれません)一気に解決しようとするには無理が出そうですね。今ハローワークに溢れている人たち(その内私もお世話になるでしょう)の問題も結構深刻だと思います。これは私の感情的な意見なので何処か基本的な部分で欠落しているかも知れませんのであしからず。 

2001.1.26.   石飛毅氏

ここのHPのURLを公開してからもうそろそろ1年ですね。
カウンターも 10000にまでもう少しです。数が多いから良いとは思いませんが一つの区切りになります。ここに色々勝手な事を書き込んでいますが、書き込む姿勢としては皆さんの参考程度のつもりで書いていますが、本日エンジンチューンに造詣の深い広島の森本さん(本日発売のCCV41号にローバーエンジンの記事を書かれています)から電話があり、先日来触れている冷却系のトラブルについて、これは非常に深刻な問題で私の書いている事だけでは足らないので、もっと読んだ方々が眠れないぐらいの事を書かないと、どんどんエンジンの壊れると言われました。
ここの内容について、馬鹿な奴の書いている事と馬鹿にせずに真剣に忠告して下さる方には感謝と尊敬を致します。今後ここの書き込みの内容に反論、補足等がありましたら、ぜひメールを頂きたいと思います。
森本さんからの指摘は、概ね私の書いている事が原因である事は間違いないと言われました。新車の時は組み立てラインでクーラントを入れる時、水路内を真空にして冷却水を充填しているそうです。こうする事によって水路内をクーラントでしかり満たす事で水路内に空気を入れない様にする事で冷却不均衡などの対策としているそうです。
これは他にブレーキオイル、ATF、AC冷媒も同一です。ACの冷媒は良く目にしていますが、それ以外は初耳でした。最近のエンジンはキャブの頃とは異なり始動後、直ぐに高回転で走る事が可能ですし、冷却水の量も少ないので結構シビアになっているようです。
冷却水においては最近のディラーでもこの真空式で交換しているそうです。先日落合さんのお兄さんの工場でもこの装置を使っていると、おっしゃっていました。森本さんはオートバイを新車で購入した時、登録前に必ずバラバラにして登録する方で、先日チューンしたレンジローバーも車体に対してエンジンの装着位置が高くサージタンクとのヘッドが取れないので空気の混入によるキャビテーションでエンジンを壊さない様に空気の貯まりそうな所にはすべて空気抜きを着け、更にアッパーホースには手でモミモミしてしっかり冷却水を満たしたそうです。冷却水を通常の車のようにエンジンを掛けてしばらくしてから減った分を継ぎ足す程度では不十分なようです。クーラントの交換がいい加減だと寒冷地では1〜2回程度のエンジン始動でオーバーヒートさせると、ブロックがパキッと割れてしまいます。
対策は先日の私流の金持ち式がベターです。エンジンフードをあけてアッパーホースに冷却水がちゃんと入っているか直ぐに確認して下さい。エンジンが壊れる前にウォーターポンプの中に空気をかむと軸の回りに空気が集まりシールがドライになってここから冷却水が漏れる事もあります。冷却水を交換するぐらいのチョロい作業内容でもこんなに面倒なHUMMERは奥が深い・・・・・・。

2001.1.23.(2)   石飛毅氏

チョット時間が出来たので、HUMMERのHPをチェックした所リンチHUMMERの中古車が無くなっていました。
ここの所HUMMERの売り上げは一時ほどの勢いはないようです。新車の価格もASKになっています。せっかく良い情報網だったのに残念です。買いやすい中古の販売は好調と聞いていますのでネットに載せる台数が減っているのかもし知れません。従って中古車の玉数は少ないので値落ちがしていないようです。
このままH2発表と共に新車が無くなったら寂しいですね。初めて話題の「AMAZON.COM」で買い物をしました。購入したのは2001年のHUMMERカレンダーです。価格は一部14ドル弱ですが送料込みで3部の合計は66.7ドルでした。この程度の物なら輸入時の税金等は掛からないと思いますので円安ですが3000円弱で手に入るとおもいます。日本のAMAZON.CO.JPでは販売されていません。入会申込が多少面倒ですが楽しめます。
HUMMER用品のHUMMER STUFFからも通信販売で買い物をしました。フリース、ジャケット、ガラスコップなど700ドル弱でしたが、パッキング及び送料が240ドルも請求されていました。送られたダンボールには120ドル程度の送料のシールが貼られているのに、納得できません。当たり前ですが関税と消費税が掛けられ(両方で12000円)結局現地価格の1.5倍以上も掛かってしましました。しかしメールを打つだけで希望の物が手に入るし国内で買っても宅配代とか消費税は掛かるので納得します。今度はもう少し知恵を絞って良い方法を考えます。 

2001.1.23.   石飛毅氏

久しぶりの書き込みで申し訳ございません。
昨年から行っていた開発製品が今年に入ってマーケットの需要が急に膨らみ少々根を詰めて仕事をしていましたのでついついこちらの方がおろそかになりました。先々週突然青森に旅行中のメンバーの方から連絡が入りました。元々サイドウォールに傷が入っていたのですが、それが広がりパンクしてしまったそうです。現地のタイヤ屋さんに駆け込みましたが、結局ランドマップさんに予備のホイールに組んだタイヤを取に来てもらい、現地に発送しました。
トレッドのパンクでしたら直ぐに何処でも直りますが、サイドの修理はタイヤをバラさなければなりませんので、大変です。今回はたまたますぐ送れましたが、そうも行かない時もありますので、スペアータイヤをお持ちで無い方は注意して下さい。
当方には在庫一本あり全国配送可能ですが、現在ランフラットが内部でバラバラなので修理が必要なので、次回の方にはこれの取り外しをしてからの送付となります。この他にはワンピィースホィールの中古が2本ありますので、擦り減ったタイヤで良ければこれを付けて非常用に欲しい方に適価にて譲ります。
先週は松原さんが那須に今年オープンする自動車博物館の地鎮祭に当クラブ並びに友人代表として行ってきました。
今回の地鎮祭は遂に松原さんが長年の夢であった私設博物館であるため楽しい事でしたが、更にこの地鎮祭を行った神主はメンバーの友野さんでしたから輪を掛けて一生の思い出になる一日でした。当日は私が友野さんの家に行き那須までは友野さんの93年HUMMERで行きましたので、会場にHUMMERで登場した神主にゼネコンの方々が度肝を抜かれ愉快愉快!!
この自動車博物館の紹介は次の機会にゆっくりします。往復に利用した93HUMMERについてのインプレッションを紹介します。
友野さんのHUMMERは初期の物でパワーウインドウもパワーミラーも無い物シンプルなはずですが、自分の好みに合わせたスペシャルバージョンになっています。外装はボディーリフト、スラントバック、スーパースワンパー、おそろしいグリルガード、あわただしい数の補助等、数え切れないステッカーが装備されています。このおかげで通常のHUMMERより更に大きく個性的な風貌をしています。
内装はCTIS圧力計以外全てオートメーターに変更し更に数個のメーターも追加しています。カーナビ、モバイルPC、手作りウッドパネル、ハンドル、シート、グローボックス、サンバイザー、アルミメーターパネル・・・・・・その他沢山。乗った感じはタイヤの外径が大きくなったので空気室が増えたのと、コイルスプリングを一巻き多い物と交換しているため乗り心地がよくボディーリフトによるボディー剛性低下によるきしみ音はありませんでした。
ただし、大きい段差やカーブでライトバー当たりから時々やや大き目の擦れ音は気になりました。これはライトバー上部に固定しているボルトに緩衝材を入れる事で解決するでしょう。スワンパーのトレッドパターンはかなりアグレッシブルなので高速道路での騒音を予想してましたが、比較的タイヤが新しい為か室内では全く気になりません。購入後一度もヘッドライトを交換していないのでかなりバルブが消耗していて夜間走行にはやや問題ありです。通常電球の寿命は約500時間ですこの500時間と言うのは光量が半分になるまでの時間で切れるまでの時間ではありません。少しづつ暗くなって来るので解りずらいのですが、一般使用では平均速度が30km/hなので半分が夜間走行とすると、30000kmで500時間になります。ですから切れていなくても15000kmぐらいでの交換が良いと思います。また、俗に言うハイワッテージの物はこの寿命を迎える前に切れてしまう事が多く寿命はかなり短いようです。
友野さんのHUMMERはヘッドライトはどうしょうも無いほどだめですが、高速道路で前走車、対向車が無い時に、全部の補助等を付けた所、目も眩む程の馬鹿みたいな明るさでした。当然ですがこれは今まで全く使った事が無いそうです。今後の予定では502エンジンの積み替えが夢だそうですが、このHUMMERには思い入れがあるためもう一台かも・・・・・。
年末に不覚の怪我をしてしまい、しばらく工具を手にしていませんでしたが、やっと復活しました。昨年怪我をした時の続きでリアーバンパーの取付けを行いました。以前にも紹介しましたがパイプ製の軽量の物で、仮付けの時はボディーとのライン、左右のアンバランスがありこれを修正するには、ボディーマウントを外し、ジャッキを2台使い合計20本のボルトを少しずつ締め込んで良くと言う地味な作業でしたが、全てを締め込んでジャッキを下ろすと思うように修正で来ていので、途中で挫折しそうになりましたが、何度か繰り返し、満足できるレベルに達したので、妥協しました。
ナンバープレートは左端に取り付ける金具はありましたが、せっかくバンパー端部が切れ上がっているのにこれを隠すように付けては勿体無いので、一枚分内側に入れパイプも隠さない様に少し斜めにして内部に滑りこます様な形で取り付けました。
ナンバー灯の取付けは色々考えましたが、カッコ悪とオナーからクレームが来そうなので、図面を書いてプロに作ってもらう事にしました。バックランプの配線は最初の付け方がいい加減であったため配線は全て引き直しキレイにしました。取付け後の感想はパイプ製のため中が見え過ぎているので何か上側にノンスリップのアルミ縞鋼板を張った方が良いと思います。


先日紹介した関西の方の冷却水の問題ですが、やはりエンジンブロックに亀裂が入っていたようです。場所は8番シリンダーで、目で見て分かる程度の物だそうです。今の所ブロック修正、ブロック交換、エンジン交換を念頭に対策を検討中です。この方の症状は、一年ほど前に冷却水が減りだし、冷却水補充のインターバルが徐々に短くなり、その内エンジン始動後水温が異常に上がり冷却水が吹き出し直ぐに低温に戻ったそうです。その後定温になりそのまま走行しても水温計に異常はなかったそうです。後の方の状態は短時間でのヒートサイクルが繰りかえされる事により、エンジンブロックの一番弱い所が徐々に破損した事が原因だと思います。
HUMMERのエンジンはGMのトラックにもかなり使用していますので基本的には結構ポピュラーです。しかしサーモスタットの位置、サージタンクの位置等のHUMMER特有の部分が複合的に悪さをして大事になると思います。今の所問題の無い方はエンジンブロックを壊す前に、前回の書き込みの対策をする事によって緩和されるでしょう。 

2001.1.8.   石飛毅氏

先日、紹介しました2件の冷却水がサージタンクからブリードしてしまい、LOWクーラントの警告等が付いてしまう件について、奇遇にも両方からその後の報告がありましたので紹介します。
結果は悪い方とまあまあ良好の両極端に分かれてしまいました。
悪い方は、話を聞いた時点ではオイルに冷却水の侵入はありませんでしたが、そのまま軽いオーバーヒートを繰り返している内に遂にヘッドガスケットから冷却水が抜けてエンジンオイルが白濁してしまったそうです。修理屋さんの見解ではヘッドガスケットからのリークと診断されたのですがNA車では無いので単純にヘッドガスケットであると判断するのは少々短絡的な判断かもしれません。先ず、冷却水温が高温になると当然圧力は上昇しますがシリンダー内も燃焼時はもちろん、吸入行程でも結構正圧になるので、冷却水の侵入がシリンダー内にあるならば大穴で反対に燃焼圧のリークもあるはずなのでサージタンクに排気がボコボコ回ると思います。またシリンダー内に冷却水が入っている確認はエンジンをフリップさせてアクセルを戻した時が一番シリンダー内の圧力が低いので排気管からクーラント液の臭いがします。一番面倒なのは、白濁の原因が他にある事です。この場合オイルラインと冷却ラインの近い所で冷却水の圧が上がった時に侵入する事が考えられます。また、エンジンブロックそのものの鋳物の巣があって冷却水の圧が上がったため、そこからクーラントが侵入する事がままあります。何れにしろ冷却水温度(圧力)が上がる原因を取り除き、その後クーラントの漏れ止めを一度濃い目に入れて様子を見ても良いのではないかと思います。これで治ればあなり安価に修理ができ継続使用は可能だと思います。98年式ではサージタンクのキャップはそれ以前の15lbから13lbに下げられている所を見ると、過度の圧力が頻繁に起る事で弊害があったための対策の様な気がします。また、ターボ車のブリードバルブの数や付け方が雑で後から取って付けたような感じであまりフィールドテストをせずに設置したのではと思ってしまいます。繰り返しますがDIESELエンジンのヘッドガスケットは結構丈夫な物で金属で挟まれハイテンションボルトで挟まれているのでヘッドガスケットが抜けてしまった場合は、どちらかと言うと圧縮漏れの方が症状としては大きいと思います。ヘッドガスケットが抜ける原因は当然ガスケットの劣化よりもかなりひどい熱による歪みや締め付けボルトの締込みの不均一などがありますが鋳鉄ヘッドであればかなり強いと思います。万が一ヘッドガスケットのリークであれば単純にガスケットの交換だけではだめでブロックとヘッドの面出しは必要と思われます。GMの指示でこの部分の平面度は0.48mm以下となっています。
一方のHUMMERは先日の方法でサーモスタットに2mm穴を2個追加した所サーモスタットが開くタイミングが速くなり温度計がレッドソーンには入らなくなったそうです。ただしサーモが開いた時は一気に下がると言う症状は未だあるようです。ターボはサーモスタットが2個あるので開くといっぺんに冷たい冷却水が回るようです。これが良いかどうかは解りませんがジワーッと開くには2個のサーモスタットを設定温度カを異なる物にすれば開く時間差が出るのでガクンと下がる度合いは緩くなるでしょう。
今回、ターボHUMMERの冷却系の状態を検証しましたが、今まで予想して実証できた事と波及するトラブルを考察します。通常冷間時に始動するとサーモスタットは閉じています。これによってラジエターの入り口は閉塞されているのでワォーターポンプは回っていますがエンジン内のみの循環になります。エンジン内が暖まるとサーモスタットのワックスが溶けてサーモが開きます。これによってラジエーターに暖かい冷却水が回りラジエーターで冷やされて再度エンジンに回ります。水温(エンジンルーム温度)が上がるとそれまで軸とリジットで繋がっていなかったフアンがバイメタルの力でメカ的につながれラジエターを通過する空気の量を増量します。北海道の冬などはラジエターで冷却水が冷やされすぎるので、サーモスタットは閉じたり開いたりしますが、サーモスタットの開閉はばねとその動きを止めるワックスで構成されていますので、どちらかと言うと、オン、オフの動きしかしませんので冬期は定常運転時の水温計の針は低めになります。
エンジンはある程度温度が高い方が熱効率的には良いのですが高温での温度コントロールをすると冬期と夏季で制御のフアクターが違うので市販車では定常運転事の温度に幅があるのは妥協していると思います。
ロールスロイスはラジエターの能力をコントロールするためにグリルにシャッターが付いていたのを見た事があります。空冷の軍用車であるM422も手動のシャッターを付けてオーバークールを防いでいます。
さて、今回の発生原因の一番大きいのはサージタンクの高さが低く、クロスバーの高さとあまり変わらないという事です。またタンクのレベルまで冷却水を入れると気層部分が少なく20リッター以上もある冷却水が循環するにはやや足りないようです。順調に運転していても冷却水が蒸発してレベルが下がると、サーモのある部分に空気が貯まりエンジン停止時に、時にサーモのエンジン側の回りには液体ではなく気体が貯まります。再始動の時エンジンが暖まっても気体では熱容量が少ないので水温が上がってもサーモのワックスが溶けないため開きません。ポンプは回っていますがこの気体をかむため高率はがっくり落ちますし、エンジン内は沸騰してしまい、ますます気体の量が増えます。この時ラジエター入り口側はサーモで塞がっていますが、反対側は繋がっていますので冷却水流路は同圧になりサージタンクのレベルを押し上げてキャップの力を押し上げてブリードして車外に放出します。やがて熱い気体に暖められたサーモが開きガクンと水温が下がります。この状態になるとクロスバー側のエアーを完全に取らないといくら冷却水を足してもだめです。
対策はこのサージタンクを押し上げる圧をラジエター側に回す事に依って始動時にサージタンクに冷却水が増えないで気体を回す事で解決できます。オリジナルでもこれを防ぐためにサーモには弁付きの小穴が空いていますが、これでは全く不十分なようです。
そこでサーモに穴を開けて始動時の圧変動で冷却水があまり動かない様にした所良好な結果が得られました。
極端な例ではサーモを外すと全く症状が出ない事でこれは証明できました。サーモが閉じているのは主に始動時であるのでこの程度の穴ではオーバークールの問題はないと思います。
簡単にこのトラブルに侵されているかどうかは調べる事が出来ます。先ず冷却水が所定の量が入っているか?ラジエターのアッパーホースをモミモミして冷却水で満たされているかで判断できます。
結論は以下となります。本来エアーブリードバルブはクロスバー側にあるべきサージタンクのレベルと気層部分が少ないLowレベルスイッチの位置が低い事が原因です。
優良対策、クロスバー最長部からラジエターの細い方のサージタンクに行っている配管に三つ又でつなげ、キャップの圧力を小さい物にする。
貧乏対策、サーモに小穴を開ける。この対策は先の方のようになる結構な出費になりますので今の所よくても対策しましょう。ちなみにNA車はサーモの位置が良いので今の所OKです。

2001.1.2.   石飛毅氏

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。

年末は我々にとって不利な円高で終わりまして、先月注文した部品の為替レートは115円を少し超えていました。何れにしても国内調達価格に比べると微々たる物ですし、円高が続けば国内での調達価格も上がるのですが、いずれも価格が上がるのはあまり好ましくはありません。
実は年末に作業していた時、不注意でジャッキのハンドルに右手中指を挟み6針縫う怪我をしてしまいました。急いでいたのは確かでしたが、横着をしていたのは事実で、それなりにしかできませんが、サンデーメカニックとして恥ずかしい事でした。
30日に抜糸しましたので、後は傷口が奇麗になれば完治ですが暫くは作業ができません。そこで現物を前にしていませんが、87年のTURBO HUMMER2台が冷却水に同じような症状でトラブルが起きていますので紹介します。
この2台の状態は全く同じではないのですが、症状が大きく出ているか少な目に出ているかの違いです。1台は大坂のメンバーの方で、電話でしか話していませんが、1月ほどでLoクーラントのランプがついてしまうそうです。冷却水のエアー抜きは2ヶ所ともしっかりやっているのですがブリーザーから少しづつブリードしてしまうそうです。夏だったので、サーモスタットを交換しても同じなので、外してしまったそうです。
もう一台は、始動時に一旦水温がレッドゾーンまで上がり、サーモが開いた瞬間に水温がガクンと下がり同時に大量の冷却水がタンクのブリードホースから出るそうです。その後冷却水のアッパーホースは冷却水で満たされていないで気層になっています。
勝手な机上論でこの状況を予想すると、今の所以下のようになります。HUMMERのサージタンクは通常のアメ車のリザーバータンクと異なりサージタンクも閉塞された冷却系になっています。サーモスタットが開く前にエンジン温度が上がりエンジン内の冷却水の循環が悪く局所的に温度が上がり沸騰すると泡が出ます。この泡は一番上のサーモスタットの付いているクロスバーに貯まりサーモの開閉をしているワックスを暖め切れないで温度は上がっても開かないと考えられます。そのためかなりの沸騰状態にならないと実質的なサーモが開かないと考えられます。または、冷却水を入れた時に構造上サーモスタットが横付けなのでこのハウジングを冷却水で満たす事がやりづらいので、沸騰した気泡ではなくてこの気層のせいでサーモスタットが開きずらくなってしまうのかもしれません。一回此処後満たさればいいのですが、サージタンクのレベルがこのレベルとほぼ同じためエンジンを切るとここに気層が出来てしまう様です。
これを解決するには昔のサーモスタットのように小さい穴を開けておく事が有効ではないかと思います。これであれば空気の逃げる場所も出来るし多少クーラントが少なくても正常に動作します。この事から解るのはサージタンクの位置が低い事と、サーモスタットの位置が高すぎる事が原因と思います。短時間でもオーバーヒートする事はエンジンの熱歪みによるブローの原因になりますので早めの対策が必要でしょう。

 

  2000年12月