HUMMER ESSAY 2001年3月     

 石飛毅氏よりの E-mail より抜粋    to  大井康之

 
2001年2月  

2001.3.28.   石飛毅氏

取材のために松原さんのHUMMERのモディフアイをしていますが、かなり難航しています。
初日は部品の検品を行ない作業の段取りを組みましたが、この中に1インチのボディリフトも組み込まれ、更にスタビライザーの交換、マウラーの交換と項目はかなりあり、とても一人では不可能なので初日と2日目は助っ人1人、3日目は更にもう一人助っ人を追加しました。
初日は検品が終わった後、先ず、運転席側のサスペンションの分解から始めました。同時に両側を行なわないのは、これだけの内容なのに一切の説明所が無く、どうやらこの商品はプロ思考の強いかなり尖がっている物で、この程度の物で取説が必要なら止めてしまえと言う感じで、万が一現状が解らなくなるとお手上げになってしますので、効率が悪いのを承知で片側交互に改装する事にしました。これが後々大正解である事が解りました。
先ずリアーの説明ですが、交換する物は上下のボールジョイント、コイルスプリング、ショックアブソーバーです。手順は先ず上下のボールジョイントのテーパー部分ボルトを緩めテーパーを抜きます。通常はボールジョイントのプラーを使用しますが、こんな巨大なプラーは高価なので、テーパーの噛み合っている部分の横っ腹を2ポンド程度のハンマーでひっぱだきます。これを数回行なうとテーパーを抜く事が出来ます。次にそれぞれのボールジョイントを固定しているボルトを4本ずつ緩め取らずにおきます。ジャッキーをロアーアームに掛けジャッキで少し押し上げます。次にもう一台ジャッキをアッパーアームに掛け徐々に上げますそうしますと先ずアッパージョイントが抜けますので、先程緩めていた4本のボルトを緩めます。更にロアーアームを持ち上げると簡単にボールジョイントは取り外す事が出来ます。
この状態で新しいボールジョイントを付けましたが、取付け穴よりもジョイント本体が大きくてどう考えても入りません、仕方が無く純生と取付けが異なるのでは無いかと思い色々試しましたが、結局ボールジョイントをバラシテ取付けながら組み立てる事で解決しました。ブーツは純正と異なりジャバラ式でこのジャバラを外れない様に止めて居るスプリングバンドが取り付けている内に何度も外れその都度もう一度初めからやり直しを数回繰り返してやっと組み込みました。
アッパーアームのジャッキーを外し今度はハブリダクションの部分に掛け少しづつ持ち上げます。ロアーアームの下に付いているショックアブソーバーの下側のステーを外し上部のボルトを取るとショックアブソーバーが下から抜けます。さらにコイルはフレームとロアーアームに付いていますので、ロアーアームに掛けたジャッキを下ろすとコイルがフリーになります。更にロアーアームを力任せに下げるとコイルが簡単に取り外す事が出来るはずでしたが、ここで又問題。
ショックアブソーバーの下側を固定しているボルトは簡単に取れましたが、上部のボルトは対辺が1.5インチもあり、これ似合う工具は手持ちにありません。バーコのかなり大きいモンキーレンチはありますが、ナットが落とし込まれている様な所なので、ボックスでなければだめです。
ランドマップさんに聞いても手持ちが無く、結局翌日発注する事でにして、日付が変わりそうなのでこの日の作業は終了。私がリアーをやっている間フロントをばらしていた助っ人を食事に誘って帰路に付きました。
翌日は、川越えのスナップオンのディーラーに問い合わせた所、そんな大きなボックスは在庫に無いので、注文になり入荷は金曜日になると言うので、在庫品はあると便利とかいっていつも不要な物を買わせるくせに、困っている時にそんな呑気な事をいう事は間違っていると指示し、日本国内に無くて作るのなら仕方が無いが日本の何処かにある物ならどうにかするのが筋である事を更に要望した所、火曜日に直送して頂けました。今後も川越のスナップオンディラーを贔屓にしようと思います。
月曜日は仕方が無いのでサスペンションはそのままで、ボディーリフトを行なう事にしました。ボディはフレームに6個所で止められていますが、僅か1インチなので片側づつやることにしました。片側3本の内後ろ2本は小学生でも緩められますが、前の1本は左右どちらも難儀します。エンジンルームに一人HUMMERの下に一人とコンビネーション良く行なわないと、いらいらします。
要領は、片側のボディマウントのボルトを緩め、キットの長いボルトに交換しナットを軽く締めておきます。次にボディーをジャッキで並行に持ち上げ追加するスペーサーの厚みより少し大き目の隙間が出来たらソーッとボルトを抜いてスペーサーを入れボルトを再度入れ直し、またナットを仮止めします。片側全て行なった後ボディーを下ろしナットを本締めします。
左側はこれだけですが、右側はボディに固定されている燃料があるため手順が異なります。燃料タンクはプロペラシャフトの下側に回り込んでいるため、先ずタンクを釣り下げているボルトを緩めます。その後運転席側と同じ手順を行ないます。タンクの上には1インチ分のスペーサーが付属していますが、ボルトは1インチ分の余裕が無いので、これは長い物との交換が必要です。ボンネットは締めた状態で先端の蝶番の下にかさあげ分のスペーサーを挿入します。
このボディーリフトは分離タンク付きのショックアブソーバー配管の取り回しのために行なったのですが、以下の事にも良い結果がありました。先ず、窓枠の下側と後づけインタークーラー配管の隙間が増えた事と、多少サージタンクの位置が上がったのでオーバーヒート対策にも効果があります。
あっ!!電動ファンの部品も買ってあったのを今思い出しました・・・・どうしよう時間が無い。今日は工具が揃いリアサスをくみ上げました。フロントはジグソウが無いので未だ組みあがっていません。タイヤを付けてみた所結構車高が上がっています。もう3時なので今日はこの辺で終わりにします。また明日続きを行ないますが、明日は更なる助っ人とユンケルが必要です。 

2001.3.26.   石飛毅氏

今週末のオフロードエクスプレスの御担当から取材協力して頂ける方々は出来るだけ水曜日2001年3月28日までに連絡を頂きたいそうです。
連絡先は当HPの最初のページに書いてあります。オフロードエキスプレスが今回予定している特集は今までに無い沢山のページを使うそうなので、出来るだけバライティーに飛んだオーナーのご協力を望まれています。例えばなかなかお目にかかれないオープンモデル、2ドアモデルのオナーの方はぜひご協力お願いします。
当方もモチロン協力しますが殆ど「素」なので、松原さんのHUMMERを昨日から色々モディフアイの開始をしました。このHUMMERは以前にインタークーラーの取付けを行ないましたが今回はオフロードアメリカのサスペンション、ショックアブソーバー、ボールジョイント、1インチのボディーリフト、前後バンパーの交換を今回の取材のために開始しました。
今回は作業を進める事を優先しますので、レポートは事後になると思いますが、写真はちゃんと撮っておりますので楽しみにして下さい。
HUMMERのボルトはナットの緩み止はナットのネジ山の一部を変形させていますので、ネジの取付け取り外しは筋トレを延々と行なっているようです。このHUMMERはマッドドラッグに出た後、一生懸命洗車しましたが裏になっている所にはマダマダ泥が残っており、ボルトを外すとそれがガサーッと落ち髪の毛の中に入ります。
また、ボールジョイントは分解式ですが、取付け前に水中ブルトーザー用のグリスを荷重がかかる前に塗り込みその後組み立てて取付けを行ないます。作業開始時に以前に買っておいた皮とケブラーで出来たゴージャスなグローブを使っていましたが、結局鮮やかな黄色のグローブも後半には見るも無残な状態になってしましました。明日からは軍手にします。
今日の一番の痛かった事は、ボディーリフトをするため助手席下のボルトを抜く時にエンジンの横に手を突っ込んだ所狭いのと力を入れて腕が太くなったせいで左手は引っ掻き傷がタイガースのユニホームの様にキレイに何本も線を引いています。取材の時にご希望の方には見せてあげます。取材当日は天気が良いと言いですね。 

本日の作業のもう一つは貝瀬さんのパワステギヤボックスが壊れたため事故車からギヤボックスを取り外しました。
本当は新品が良いのでお勧めしましたが出来るだけお安くするためリサイクル部品にしました。と言うのは建前でギャボックスを前に外そうと思いましたが、案外大変で面倒なので以前ジムニーのギヤボックスよりも安かったのでアメリカに見積もりを取った所、前回は間違いだったそうで今回の見積もりは2桁万円を越えていましたし、納期もかかりますので、やはり解体車から取り外す事にしました。
ギャボックスの取り外しは、ブレーキマスターの取り外し、配管を取り外しギヤボックスにたどり着くまでの方が時間がかかります。ギャボックスを止めているボルトは3本で、ステアリングシャフトを止めているボルトを抜きます。その後ステアリングーアム先端をリレーロッドの腹をハンマーで叩いてテーパーを抜きます。
ステアリングシャフトを抜きながら下からギヤボックスを抜いて作業は終了です。外観は錆びていますが動作も問題ありませんでした。走行10000Km以下の部品ですからしばらくは使えるでしょう。
友野さんからの報告で、タンクが違っていたそうです。93年式のタンクは多少形状が異なり届いた物は最近のモデルの部品だった様です。結局センサー部分だけ交換して装着するようです、どう違うかは後日写真を送ってもらいます。また、レベルセンサーはセンサーだけ発注しないととんでもない価格だそうです。価格はタンクが1とするとその4倍もするそうです。友野さんのおかげで無駄遣いしないで済みました。皆さん感謝しましょう。
と言うわけで友野さんは新品のタンクが余ってしましました。タンクに穴が空いて困っている方や、新品の予備が欲しい方は連絡下さい。お安くしておくそうです。

2001.3.23.   石飛毅氏

また友野さんが、また色々とモディフアイしたらしくデジタル写真を送ってきました
最初の写真はスタンレーのマルチリフレクターランプの写真で、友野さんはレンズカラーがブルーの物を装着したようです。球は標準の物のようです。
これの取付けはランプカバーを思い切ってカットする事と、ランプ本体も削る必要があります。
次の写真は、今までも沢山の補助灯が付いていましたが更に追加したようです。特にヘラーのHIDは補助等というより投光器のようです。このランプは光路がやや広がり気味のヨーロピアンタイプですが使う所が限られるでしょう。
全部数えたらヘッドライトを入れると全部で14個でした。友野さんはドデカイ ブッシュガードを装着していますが、ボンネットを開ける時このガードが地面に付くのでゴムのクッションを取り付けています。
次の写真はどうやら新品の燃料タンクです。以前タンクから燃料が漏れると言ってましたが、写真にも少し写っていますが、タンクに付いている板とタンクの間のパッキン、並びにセンサー部分の丸い板のパッキンが燃料におかされてここから燃料が漏れます。ここのパッキンを燃料に侵されない材質に交換すればOKなのですが、友野さんはユニット全部取り寄せたようです。
左側の2本のパイプが燃料のデリバリーとリターンの配管ですこれは取付けは差し込むだけですが、取り外しは専用の工具が必要です(私は持っています)。知らない方が無理してこじると、相手側のシールを壊しますので注意が必要です。パッキンがだめなだけでタンクをユニット交換するなんてゴージャスです。外したタンクは拾いに行こうと思います。
HUMMERの場合は燃料センサーがむき出しのスライド抵抗なのである程度の年数が経つと断線する事がありますので、工賃(10万円もかかったと言う実例が有ります)が勿体無いので同時交換をお勧めします。友野さんの場合もどうせならパッキンを交換してから載せた方が良いと思います。
最後の写真はペットのヒヒだそうです?以前はライオンも居たそうです。この方は一体何を考えているのか私には全く理解できません。


この他にも四国の林さんと、九州の澤田さんからも紙焼きの写真を送って頂きましたので後日掲載します。
林さんの写真は自作のロールバーを撮影した物で、曲げ、溶接共に仕上がりはなかなかの出来です。御本人もご承知ですが。固定場所の強度が弱いので本来のロールバーの役目はしませんが、無いよりはもちろんマシでしょう。これで後方にもう一本追加すると乗用車のストラットタワー程度の効果はありそうです。手摺りとか柵としては十分な強度である高級品である事は間違いありません。固定場所がアルミボディ部分なので細かいボルトを多用して応力分散させるようにきちんと気を使って居る所は感心します。リアーのタンクには縞鋼板を加工したタンクガードが取り付けてあります。材質が分からないのですが、もし鉄系であれば水抜きの穴があると錆びなくて良いと思います。内装も所々パネルを張って個性を出しています。
サイドマフラーはこの年式はただ延長しているだけなので弊害はありませんが、94、95年式はサブマフラーを取る事になりますので、回転が上がると爆音になります。また、排圧が減るため排気マニホールドの温度が上がりますのでマニホールド回りの断熱が必要です。
九州の澤田さんのHUMMERはルーフラックの床が全面パネルなのですが足が長いのでモップが入って私の物より掃除が楽そうです。しかし足の取付け幅が短いので足の数をもう少し増やす事をお勧めします。サイドマフラーは今まで見たことが無い形なので自作でしょうか?アンテナが振れた時に干渉しそうな所にスポンジの様な緩衝材がアンテナに巻いてあります。ミラーも流用品を上手く使って一見軍用の物の雰囲気を上手く出しています。この他にも色々小技を使って自分の一台にしています。ボンネットのコーション プレートの状態からすると屋根下保管か日陰に保管して大切に保管していると思われます。なに依りも家族の仲がよさそうで微笑ましい写真です。

2001.3.22.   石飛毅氏

本日、4X4マガジン社発行の「オフロードエクスプレス誌」を担当されています藤堂氏より、下記の内容でオーナー募集がございました。当クラブのメンバーだけでは、楽屋落ち的な内容になってしまいますし、クラブのミィーテイングの時では、こちらの都合とは合いません。またクラブ前面ですと私が一番大変な車集めのマネージメントをするのは大変なので、ここでの掲示は私が楽なので快く引き受けました。従いまして連絡は直接下記に連絡して下さい。クラブメンバーはもちろんの事メンバー以外の方々も協力して頂きたいと思います。 

■ 取材協力のお願い ■
こんにちは。
オフロードエクスプレスでは、ハマーに乗っているオーナーの方々にお集まりいただき、個々のクルマの写真撮影をさせていただきたいと思っております。
これは、6月号(4/26売り)の中でハマー特集を予定しており、この中で掲載させていただくものです。 日程は以下のように予定しておりますが、場所はまだ決定しておりません。恐らく都内近郊の公園駐車場になると思われます。お忙しいところ誠に急お願いで恐縮ですが、本企画にご賛同いただき、是非とも撮影会に参加下さいますよう、よろしくお願いいたします。

なお、まずは皆様の出欠をとらさせていただきたいと思っております。
撮影会への参加の出欠を編集部までメールか電話で伝えて下さい(できれば3/28までに)。
メールの場合:「uchida@carmag.co.jp」まで
電話の場合:「03-3485-5568」オフロードエクスプレス編集部 藤堂もしくは内田まで

「ハマーオーナー撮影会」
■取材日:平成13年3月31日(土)もしくは4月1日(日)のどちらか
■集合場所:都内近郊の公園駐車場
■撮影時間:9:30〜15:00(撮影の終了した方は先にお帰りになっても結構です。 
もし、午後に予定があるという方は、優先的に午前中に撮影させていただきます。)

ご連絡は以上です。お忙しいとは思いますが、何とぞご協力下さいますよう、よろし 
くお願いいたします。

株式会社フォーバイフォーマガジン社
〒151-0064 東京都渋谷区上原1-17--14
オフロードエクスプレス編集部:藤堂貴徳・内田 靖
TEL.03-3485-5568/FAX.03-3485-4640

2001.3.11.   石飛毅氏

先日お知らせしました CG NAVI DAY 2001、今年もCCV石川編集長からの依頼で参加協力をさせて頂きましたので報告します。
毎年、イベントの始まりは、厳選された20台程度の車輌のパレードから始まりますが、今年はクロスカントリー四輪駆動グループからHUMMERが選ばれパレードに参加しました。
今年は、このパレードの最後にNHKの生放送中継があり、知らされていない私はいきなりNHKの方にここを真っ直ぐ行ってその後に左に曲がって下さいと言われ、返事は素直に「ハイ!」と答えたものの、一体どの様な段取りか分からず、回りから情報収集した所色々錯綜していてどうやら生中継と解ったのは開始直前早速車載のTVを付けたとたんに放送開始、テレビに映る自分の姿にウットリしている内にHUMMERの大写し・・・最後に小林彰太郎先生のインタビューで終わり、ほんの数分の事でしたがちょっとワクワクしました。
話は戻りまして、今考えると集合がかかってからパレードが始まるまでやたら待たされたのは、NHKの都合だった様です。しかしこの待ち時間の間私の2台後ろの小林彰太郎先生とCCVの石川編集長の3人で小一時間ほど車についてお話でき、更に松原さんが今秋オープンする自動車展示するコーヒーショップのパンフレットを渡しコマーシャル出来、その後もCCVのブースにも来て頂き佐藤先生の絵を気に入って頂き、一枚お渡しする事も出来ました。
小林先生が気に入って下さったのでとてもではありませんが料金は受け取れませんでした。このあと徳大寺が来ましたが個人的に興味はありませんでしたので、無視しました。また、CGの目次の裏側は毎回すばらしいぺーパークラフトの芸術で飾られています。このペーパクラフトは構図、テクニック、表現はすばらしく、ものすごくすばらしい作品です。
毎年、CGでこの作品のカレンダーが出されていますので毎回石川さんから頂いています。
今回のCG DAYではこの作者の方とお会いでき、お話する事も出来ました。作者は、思ったよりお若く大変腰の低い方でした。今回は、とても楽しいCG DAYを過ごす事が出来ました。
一方、CCV軍団は屋外の一角にピンツガウワー、BIGチェロキー、JEEP、ボルボ、HUMMER等を展示しましたが、ピンツガウワーの中でおでんを作ったり傍らで一升瓶がたっていたりとで、回りのピカピカの車達とは一線を引いていました。
どうも見学者もHUMMERまでは見に来ますが、何か異様な雰囲気を察して近づいてきませんでした。
今年は以前小林彰太郎先生がニュースステーションのゲストに出演したお返しで久米宏さんがゲストでおいでになりました。1時間のトークショーで色々車についてお話されましたが、なかなかまともな方で好感が持てました。何時もは聞く側ですが本日は聞かれる側でしたが何時もと違う久米宏が見えて見物としても面白いイベントでした。
又来年開催されればぜひ参加したいイベントでした。この様子はCGテレビで放送されますのでぜひご覧ください。
又、CG DAYの速報はhttp://nigensha.co.jp/cgclub/cgday2001/index.htmlで見る事が出来ます。

 

2001.3.10.   石飛毅氏

コンテナ貨物が到着すると色々とHUMMERの修理が続きます。
今日は93年式HUMMERのACコンプレッサー・ステー交換作業を見学しましたので報告致します。
このHUMMERは中古で購入してしばらくするとACの効きは元々悪いのですがさらに悪くなりコンプレッサーを見るとコンプレッサー後ろ側のステーを止めているボルトが4本全て折れてしまいフロント側だけで止まっていたためベルトが緩んでいました。この時じっくりステーを見ると前後共にオリジナルと異なる溶接がしてありました。
おそらくコンプレッサー脱落は今回が始めてでは無い様で、既に前科があったようです。この時はスーパーチャージャー取付けを業者に依頼していたため、ついでに直してもらいました。数ヶ月後やっとスパーチャージャ取付けが終わり納入された時、噴射ポンプの設定を行なっていないため殆どパワーアップが無く、ガッカリしていた所ポンプの調整が出きる所を捜し、再度スーパーチャージャーを取り外しポンプ調整をした所、体感出来るまでにはなりましたが結果はまあまあでした。
その時コンプレッサーのベルトラインが真っ直ぐではなかったので気になりましたが、新しいステーが無いのでしばらく様子を見る事にしました。
その後オナーは新しいHUMMERを入手したためこの93年には殆ど乗っていませんでしたが、たまには乗っていたようですが、またACが効かなくなりコンプレッサーを見ると今度はコンプレッサー後部の上部ステーを止めているボルト2本とカブブラケットのボルトが折れておりこのままでは危険なのでベルトを外して使用しておりました。
診断の結果修正して使っているブラケット、ステーの位置が悪いためベルトラインが崩れて振動で壊れた疑いと、コンプレッサーの取付けピッチが広いので低周波の振動が発生して故障してしまう疑いが持たれました。前者はブラケット、ステー、ボルトを全て新品にする事で解決できるためこれらの部品をパーツリストで拾い発注しました。
後者は今までに、93年HUMMERコンプレッサー脱落事故は2台経験していますので構造的欠陥はこのままでは解決できないので心配でしたが、逆に友野さんの93年は今まで全く壊れていませんので、おそらくACの効きが悪いためベルトの張り過ぎが原因と仮定して、オリジナル部品の作成は見送りました。
部品は依頼先が忘れてしまい納入が遅れましたが、全ての部品で5万円ほど掛かりました。
まず、古いステーとコンプレッサーを取りエンジンヘッドの中で折れてしまったボルトを抜かなければなりません。通常のHUMMERですとこのままの状態で作業できますが、このHUMMERにはスーパーチャージャーが付いているためこれが邪魔になり、結局エアークリーナーダクト、ACホース、ブローバイ・ガスセパレーターを外してスパーチャージャーを取る事にしました。
折れたボルトの抜き方はボルトのセンターに穴を開け、そこにおでんの「ちくわぶ」の様な外側がギザギザの硬い棒をハンマーで打ち込み内側が先程のちくわぶと噛み合う六角ナットを入れて回して取ります。この工具は特殊ですが便利そうなので私も1セット購入しました。
古いパーツから新しいパーツに代えてコンプレッサーを付けてみるとフロント側は問題ないのですが、リアーが全くねじ穴が合いません、新品部品を信じてこれを合わすために数回コンプレサーを付けたりおろしたりしましたが中々合わずいい加減諦めようと思いましたが、発想を変えてベルトラインを真っ直ぐにしてその他の部品はコンプレッサーにストレスを掛けないで、なおかつテンション調整の時スムーズに動く様にする当たり前の事を部品の精度に頼らず行なう事が最適と判断して作業を進める事にしました。
コンプレッサーには前後共にステーを取りつけ、ベルト調整の時にスイングする中心が合っている事が必要です。前後のステーのボルトを緩めボルトと同じぐらいの棒を差し調整しました。
次に、それぞれこの穴に固定されるブラケットの位置を決めますが、フロント側は調整不可能なので、フロント側を基準点に決め後ろ側はベルトラインが確定した後測定して固定する事にしました。フロント側のステーをそのまま止めると、明らかにコンプレッサーがエンジンに対して斜めになっているため先程の穴を基準にしてもう一つのボルトにカラーを入れベルトラインが直線になる様に固定しました。今回は4.5mmのスペーサーでOKでした。
次にリアーの回転中心になるブラケットをコンプレッサー側に付けブラケット固定ボルトと固定面の寸法を測りこの寸法のカラーを入れてボルトを固定します。この時ベルトを付けずにテンション動作を行いスムーズな回転と、コンプレッサーの位置が変わってもベルトラインが変わっていない事を確認します。コンプレッサーを振ると位置が変わる場合は初めからやり直しをします。これが上手く行った後は、最期にコンプレッサー後方上部のブラケットを固定します。これが合わない時はハンマーでひっぱだいたり、万力でくわえてねじったりします。穴は、振動等で緩む原因なので穴を大きくしたりはしてはいけません。
他人の批判はしたくないのですがこれらの一連の作業で驚いた事は、ブラケットの位置が全然違う所に合った事です。今回正しい位置にブラケットを付けるとスパーチャージャーの一部が当たってしまう所もありました。
今回はこの部分を削り(写真参照)ニゲを取りました。こんないい加減な取付けでは直ぐに壊れてしまうでしょう。少なくとも今回のようにベルトラインをきちんととっておけば整備のせいではなく振動等の構造的欠陥となりますが(これは中々解りずらい)今回の故障は人為的な物である事は明白です。93年以降のHUMMERはかなりこの辺が改良されていますので心配はいりませんが、部品がいい加減なので、93年車の方はせめて、ベルトラインの確認と各ブラケット、ステー類の破損が無いか点検しておく事が大切です。

2001.3.1.   石飛毅氏

95年式のHUMMERに乗っているメンバーの方が、昨年ACの調子が悪いので外車専門の修理屋さんに持って行った所、エバポレーターが壊れていると診断され修理を依頼した所、ACユニットをバラバラにして部品が入らないためそのまま数ヶ月放置され挙げ句の果てに修理をギブアップしてしまい、どうしたら良いか相談されたことは以前報告しました。
この時カイダク樹脂で作られたACユニットのケースは接着面以外の所でバラバラにされ破片はジグソーパネル状態でなおかつ欠損もありました。
95年式HUMMERのACは大物のエバポレーター、コントローラー等の個別部品はGMの部品と共通なのでメーカーからまだ出ますが、ACユニットボックスはもう部品では出なくなっています。
メーカーは古いHUMMERのエアコンは切り捨ていて、その代わり最新型のACユニットにコンバージョンするキットが出ております。重大な故障はこれに変えろと言う姿勢でその代わり組みあがった完成品はかなりしっかりしたキットです。
バキバキのボックスを修復する事と、ヒーターを含めたACの性能向上を考えると、これから長く乗るにはこちらの方がお得と思います。価格も見積もりを取りましたところ、前出の修理屋さんから出たエバポレーター単体の見積もり価格と同等の現地価格で売られておりました。
当方も95年式であるため興味があるのと、今回の修理を請け負った修理屋さんの工場は近所からのクレームがあるため夜間作業ができないので当方のガレージで一部修理を行ないました。作業は主に平日でしたので全行程に付合ったわけではありませんが、仕事の終了後は立ち会い、その時は多少猫の手の役割を果たしましたので大まかですが報告します。
交換の主な部品はAC室内ユニット全部、コントローラ、レシーバータンク、バキュームタンク、ACユニットのワイヤーハーネス、ヒーター切替バルブ、各種ステー、ボデイ加工用テンプレート、ビス、オーリング等の小物50点以上の部品で構成されています。この他に20ページのマニュアルが付いています。
先ず、全部品の確認、とマニュアルの解読をしました。このマニュアルは図が少なく何を外せとかの説明はすべて抽象的な文章だけなので難解です。また、結構重要な事が書いてなかったりとてもいい加減な物でした。(一番ひどいのは回路図が入っていない事)
次に、内装のパッド、センターカバー、助手席の取り外しを行ないます。これでACユニットがあらわになるのですが、今回の事例は既に取り外してあるので、古い配線の撤去を行ないボディーの加工に入ります。
旧タイプのユニットと大きな違いは配管のやり取りが足元の左側面で行なっていますが新しい物は、爪先の上辺り、エンジンルームで言うとエアークリーナーの下辺りで室内との接続を行なっています。そのためボディーのカットと固定用の金具を付けるための多数の穴あけを行ないステーの取付けはリベットで行ないます。
作業のためにはエアークリーナ、冷却水のサージタンクを取り外します。また、低い位置にあるヒーター配管のつなぎ直しもありますので、冷却水は全て抜き取ります。バッテリーももちろん端子を外しておきます。
内部はこの他にコントローラーの取付けを行ないます。テンプレートに合わせてセンターカバーをカットして今までのプッシュ式の物から3個のダイヤルが並んだものと交換します。配線は全て新しいハーネスを引き直します。また、一部のダクトは切断、延長の追加工が必要です。
旧型はすべて電気式であったアクチェータはニューマテック(空気駆動)式になりハーネスには駆動用のチューブもあります。次にエンジンルームの説明をします。交換部品は,ヒーター切替バルブ、ヒーター配管、レシーバータンク、ブロアースピード切替レジスターユニットの交換、バキュームポンプの取付けを行ないます。
旧型のヒーターコントロールバルブはサーボモーターで流路を絞ってヒーター温度をコントロールしていたようですが、新しい物はニューマティック駆動のバルブでON−OFFの動作しかしていません。恐らく温度コントロールは内部のユニットで冷気との混合比で行なっているようです。
オナーには辛い事ですがこれらの部品の交換をしている時に疑問が出ました。このHUMMERは以前にもACの不良があったらしく、ACホースの数箇所がホースバンドに交換されていましたが、その殆どのバンドは締込み不良で、なおかつオイルだらけでした。前出の修理屋さんの診断ではエバポレーターと診断されていましたが、本当のはここが原因ではなかったかと疑惑を持ってしましました。当然ここの部分のバンドは締め直しましたが、近い将来交換が必要になりそうです。
外部のハーネスもすべて交換です。ハーネスを通す穴は油圧パンチで行ないました。ACの配管はそのまま室内ユニットに繋ぎます。ヒーターの配管は一度フロントヒーターコアを通った後、リヤーユニットのコアに繋がります。早い話がACは並列、ヒータは直列に配管されています。したがって、リアーヒターは温調不可能と言う事になります。冷媒のガスを入れ試走しましたが、ヒータの効きはOKでした。
ACは外部温度が低いのでコンプレッサーのクラッチが繋がらないのでテストには立ち会えませんでしたが、これは後日、電装専門業者でテストをするそうです。交換修理中マニュアルで不明であった所は解体車があり大変参考になり、更に旧部品から流用しなければならない部品をオーナーが持参していなかったので、これも解体車から流用しました。(後で返してもらいます)
今回得たもの、マニュアルには全ての部品番号が書いてあるので、私の95年HUMMERも解体車のユニットと多少の部品追加で新型のACと交換できる事です。しかしその前に亀裂の入ったホースの交換が先ですけど。
大井先生のHUMMERですが以前ACの効きが悪いと言われていましたが、もしかすると切り替えダクトがきちんと稼動していない可能性があります。運転席のパッドを外してユニットをあらわにした写真を送って下されば、室内ユニットの種類が特定できますのでこちらからチェックする所を教えてあげます。その他ではやはりフロントのエクステンションバルブがおかしいかもしれませんね。 

今日、しみったれている私は外した部品の再利用が可能かどうか探りました。一番欲しいのはヒーターのバルブですが、外観は錆びだらけで元々怪しかったのですが、内部を見た所、予想どうり穴の殆どがさびと付着物で塞がり、これらを拭き取ると何とパイプに穴が空いていました。私のHUMMERの物も同程度と考えられるので部品を注文しておきます。そして後数年後これと同じ修理も予想できますので、貯金しておきます。このコンバージョンは94年車から可能なようです。93年は恐らくメカ式のユニットなので、もう少し部品の多いキットが準備されていると思います。

あると便利な使用工具:リベッター、ナッター、エアーソー、グラインダー、油圧パンチ、助手、(ユニット本体取付けは一人では無理)

2001.3.1.   石飛毅氏

2001年のHUMMER カタログ が手に入りましたので詳細をお知らせします。

基本仕様

エンジン   V型8気筒 6500cc ターボ ディーゼルエンジン 電気制御 電気式ガバナー
              195hp(145kw)@3400rpm 583Nm(57.1kg/m)@1800rpm
ボア×ストローク   103mm×97mm 圧縮比20.21
走行性能    最高速度134km/h  0〜96km加速時間 18秒
走行可能水深  762mm
燃料タンク  メインタンク 96リッター サブタンク 64リッター
変速機    4速 オートマティック 4L80-E
             1速 2.48 2速 1.48 3速 1.001 4速 0.75 後退 2.08
トルクコンバータ比     2.2:1
副変速機     ニューベンチャー製 242型     LOW 2.72:1 HI 1:1
最終減速比     2.56:1ゼクセルトルセン付き 
ハブリダクションギヤー比     1.92:1 
オルターネター      12V 124A 
ブレーキ     前後インポートベンチレーテッドディスクブレーキ 
サスペンション      前後ダブルウイッシュボーンコイル式 
タイヤ       37-12.5-16.5 GOOD YEAR MT 

車体色    黒、ブライトホワイト、 コンペティションイエロー、 オーシャンブルーメタリック、キャンディーアップル、 メタリックピューター、 シルバーメタリック、メサダスク、 ウッドランドグリーン 
内装色    グレー、 サンドストーム 

標準装備 
4チャンネルABS、 タイヤビードロック、 サブタンク、 タコメータ、 ハロゲンヘッドライト、 パワードアロック(ワゴンはリヤゲート含む)パワーウインドウ、キーレスエントリー、 AC、2ピーススチールホイール 

オプション装備 
CTIS $3.240、 トレーラートーイングシステム$388、 ランフラット$1185、 ドライブプロテクション、パワーミラー、クルーズコントロール、 プライバシーガラス、 ロッカーパネルプロテクション、熱線フロントガラス、 熱線入りバックミラー、 デラックスリヤーミラー、 10800lbGVW、ブッシュガード、GSAタイヤ、MT/Rタイヤ、 17インチ1ピースアルミホィール、 17インチ2ピースアルミホィール、 リヤーウインドウ熱線、 モンスーンオーディオシステム$1843、ウインチ$2642 

価格は各ディラーに依って多少の変化は有ると思いますがそう大きくは違わないと思います。

 

  2001年2月