HUMMER ESSAY 2003年11月
     
石飛毅氏、友野京氏よりの E-mail より抜粋    to  大井康之

  2003年10月  

2003.11. 30.    石飛 毅氏

先般お話してた河野さんのHUMMERのお嫁入り先がほぼ決まりました。
河野さんのHUMMERは96年式ですが、走行距離も1万マイル以下で短く、完全車庫保管でしたから程度は申し分なかったので、買われる方は安心できると思います。新しいオーナ予定者は福島県在住で、近隣なので今後もお付き合いが出来るので何よりです。   

2003.11. 25.    石飛 毅氏   

502 HUMMER フレームの大まかな泥落としを行い、最後まで残していたステアリングリンケージ、ステアリングギアボックス、ブレーキマスター、ブレーキ配管、ATF配管、CTIS配管を取り外して錆ている部分をサンダーにカインズホームで調達した秘密兵器で落としました。
更に塗装の付を良くするために、フレーム全体に足付けを行いサフェーサーをエアーガンを使って塗装しました。簡単に塗る事が出来ない部分なのでしっかり塗膜を付けました。ランドマップの話では今回のサフェサーは防錆効果の高い物で、この上に更に発色を良くするためにグレーのサフェーサーを塗るつもりです。今週は金曜日までは天気が悪いそうなので土曜日にはスカッと晴れて塗装日和になるのを期待しています。
高圧洗浄機でフレームを洗浄し、エンジンクレーンを使って横にしたところフレームの穴から水がドンドン出てきました。HUMMERのフレームは閉台面で出来ています。同じ板厚であったら良くあるコの字型のフレームより断面係数が大きいのと当てた時の強度が格段に強くなります。フレームの作り方は左右のフレームのそれぞれプレスで作成されて合わせて溶接しています。早い話が4個のコの字型の部材をそれぞれ付き合わせて溶接されて居ます。
フレームの形を横から見ると先端から一旦上に上がって、運転席あたりで一旦下がります。そのまま後席のお尻りあたりで、また上に上がってそのまま後端まで伸びています。センター部の下がった部分にはすて穴が無くてその部分に溜まった水はよほどの事が無いと出てこない事になります。先端の部分は全てで、後端は一部開口しているので水中走行でフレームに水が溜まる可能性があります。フレームの錆びている部分は溶接部分と鋳物でそれ以外の部分は全く錆びていないところを見ると溶接部分に水が溜まる事はあまりよくないと思います。水中走行を好まれる方は、対策としてフレームの底面に棄て穴を開けておくと良いと思います。
以前説明したように、フレームのラダー部分は全てボルト止めです。個々の部品には溶接部分がありますが一番荷重の掛かる所はボルト止めになっているのは、万が一の時にニコイチにしたりする事が可能です。また、腐食による強度低下を抑える事が出来ます。効果は不明ですが、折角なので次回フレーム内にも錆止めを流し込んでおこうと思います。以前下田さんのHUMMERのバンパーを外した時にフレーム後端に刻印が有りましたが、今回はリアサスの付け根付近にも番号を打ってあるプレートが付いていました。番号を未だ控えておりませんので何の意味かはわかりません。以前手伝っていた下北沢の店に可愛い子が居たので一緒に写真を撮りました。上村愛子さんです。

2003.11. 22.    石飛 毅氏

当ガレージに高圧洗車機が装備されました。
廃業された笹本さんの知り合いの修理やさんから譲っていただいた物で、多少の修理が必要でしたが、水道(狭山ハウジングから頂いてます)を30mのホースで繋いで200Vのブレーカーに結線して灯油を入れてスイッチを入れたところ無事駆動を始めました。温水で圧力も高いので思ったより水の使用量が少なく、汚れていたHUMMERのフレームも綺麗になります。油分の付いた部分は長時間掛けないと駄目なので水が勿体無いので、洗剤をブラシに付けて洗う方が良く落ちて効率も良いです。明日もう一度洗ってすっかり綺麗になったらフレームの塗装を行います。高圧洗車機のおかげで、今まで汚れているエンジンや下回りの作業の前にブシューっとやると手が汚れないし、ツナギも汚れなくなります。また、作業が終わった後に横に付いている蛇口からは温水が出ますので、これから寒い冬に向かってありがたい機能です。


さっきふと気が付いたんですけど、皆さんに告知をズーット忘れて居ました。
牧野さんの奥さんが作っているHPで、ワンコの事とか色々出てて面白いです。当方は何時も日課として見ていまして皆さんも見ていると思っていたのですが、告知するのを忘れていました。牧野さんがHUMMERを買うまでの苦闘を冷静な目で淡々と語っているのは、身につまされる思いもありますが笑えます。ぜひご覧下さい。
文章ははっきり申して当方より上手くてトテモ読みやすいです。(反省してますが多分ズーットこのまま)イラストも上手くてHUMMERも上手です。一月ほど前から出ている牧野さんのHUMMERのイラストなかなか上出来で、違うHUMMERも書くと書いてありましたが、未だ当方には届いていません(冗談です)
次回から牧野さんをヤスドンと呼んであげましょう!特に名前を忘れる先生はこの方がおぼえやすいと思います。当HPのリンクに追加願います。


http://www.rickey-net.com/goofy/

2003.11. 17.    石飛 毅氏

友野さんの情報です。
04モデルのHUMMERの内容がリンチHUMMERのHPに出ています。変更の内容を見るとマダマダH1を売る気満々ですね。内装はH2と見劣りしないようにゴージャス路線でセンタートンネルの形は宇宙? 何もここまでしなくてもとは思いますけど、フロントデフロックが付きエンジンも馬力アップして名前も付けてもらって雰囲気を盛り上げています。おそらく価格もゴージャスかもしれないですね。売れ行きが不振でこのまま消滅かもと考えていましたが、この内装を作るのには型代とかの設備投資が馬鹿にならないはずです。センタートンネルの金型も見えるだけでも5型新調していますし、内部のダクトも入れると結構な額になるはずです。HUMMERの良いところは、この内装にしたいと思ったら、お金さえ出せばそれに交換できるという事ですね。基本的なボディー形状は変わっていないので、コンパチブルなはずです。

http://www.lynchhummer.com/Changes/h1.changes/04/04changes.html

http://www.lynchhummer.com/Changes/h1.changes/04/04.interior.html

2003.11. 17.    石飛 毅氏

AT不良のHUMMERの方がお見えになりました。
95年のスラントバック6.5NAです。「撃2」はこの方の仕事場で販売されている物です。両側面はオフロードを走ったらしくスクラッチと言うよりヘアーライン仕上げです。日本では少ないオフローダーです。ATの故障原因は実に簡単な物でした。ATFの量が規定量より2.5L程少なかったのです。北海道から来る直前にATFの交換をしたそうで、ATFそのものは非常に綺麗でした。ATの周りにも漏れた様子は無いのと、交換以前までは全く問題が無かった事を考えると、交換時期に量が少なくなって、AT内部の潤滑不足でおそらくプレートが焼けてしまって旨く滑らずにショックを伴って変速するようになって、やがて過熱?そのうち圧力不足で2速ホールドになったようです。
とりあえずPCMのリセットをしてATFを規定量入れた後は1〜4速までキチントシフトアップしていました。念のためATフィルターとATFは全量交換しました。ドレンアウトした時にATFが綺麗でしたが焦げ臭い匂いがしていました。明らかにクラッチプレートがこげていた事が判ります。他のHUMMERでもATF交換後に調子が悪くなった報告を受けています。このHUMMERの場合はそのまま走行を続けていたため、工場に入った時にATFは墨汁状態だったそうです。このHUMMER殆ど今まで業者任せであったというので、トランスファーとハブリダクションのオイルチェックをしましたが、トランスファーは良好、しかし整備記録に今までの交換履歴が無かったので交換しました。
問題はハブリダクションオイルです。まずタイヤを止めているクリップナットが伸び切ってて、インパクトレンチで緩めるのにも往生しました。ボルトの方も若干伸びているようですが、交換までは必要無いと判断して、丁度お見えになった工藤さんがナットを持っていたので、ナットのみ交換しました。一応かじり防止のコンパウンドを付けたのもありますが軽く締め込める様になりました。確かにHUMMERは重いので力いっぱい締めたくなる気持ちも判りますが締め過ぎはだめです。
ハブリダクションは4個のうち3個は水を含んで完全に乳化していました。水の混入で量が増えていて、注入口を開けた後に暫くどろどろコーヒー牛乳のような物が出てきました。内部を開けた所、エマルジョン状態で丁度機械加工の切削油状態だったので内部の腐食は如何にか防げていたようです。水の混入が無いハブもオイル量は極端に少なくなっていました。オーナーの話では、北海道でも御殿場近辺でも水中走行をしたそうですが、ある程度年式の経っている場合、ギヤボックスのシール材が硬化して、水が混入します。くれぐれも水中走行をされた方は早い時期に此の辺のメンテナンスをお勧めします。土曜日にオーナから無事帰還したと言う連絡を頂きました。未だ2速へのショックはあるそうですが、シフトアップはキチントしているそうです。門間さんの話では一旦焼けたプレートもバーダルの添加剤やワコーズの添加剤を入れると戻るそうです。プレートの焼けて硬化した部分が減ってくると新しい面が出てくるでしょうが、これらの添加剤は、焼けた面の摩擦係数を上げるのかもしれません。プレートが完全硬化して、磨耗限界に来ていたらATのOHしかないでしょう。
新品交換の見積もりをしたら3桁万円だったそうです。ATF交換は2万円以下で出来るので、定期的にATFを交換したほうが安上がりなのは誰にでも判ることです。こうやって当方が色々書いているとHUMMERのトラブルが多いと思われますが、これらはオーナーのメンテナンスが悪い事と整備工場の勉強不足から来る物です。どんな車でもオイル類の交換時期はキチンと明記されてて、メルセデスやBMW(これ以外は知らない)はメーターに交換するようにメッセージが出て、特に新しいうちはディラーで無償交換してくれます。ブレーキもパットにセンサーが付いてて磨耗状況を教えてくれてこれも無償で交換してくれるそうです。無償にする事でキチント車を熟知した工場でメンテナンスをさせて使用中の品質を保持している様です。1年点検もモニターに表示が出るようです。無料なら誰でも確かにディラーにもって行きますから、その車のトラブルは抑える事が出来るはずです。
502HUMMERはついにフレームがキャスター付きの新規に作成した台車に載せてガレージの外に出す事が出来ました。写真の黄色い物が台車(未だ名前は付けていません)です。カインズホームで購入した角パイプを溶接してキャスターも付けました。此れで外に出してフレームの洗浄、塗装、ミッション、エンジンの取付けが行えます。問題は是枝君が持ってきてくれたキャスターの耐荷重が少ない様でタイヤ部分が変形しています。これらの部品をこのまま付けるには耐荷重が300kgぐらいのものが必要ですが、価格を見たらそんな物はウレタン性でしか駄目な様で、一個5万円もします。購入には勇気が必要です。
今回も河野さんのご協力で門間さんが廃棄品の引取りに来てくださいました。兎に角不要な物は涙を呑んで廃棄しました。これでほんの少しですが作業しやすくなりました。毎回本当に助かります。何時も河野さんに甘えてばかりで本当に助かりますが、残念なことに河野さんがHUMMERを手放す事になりました。96年式TURBO DIESELでボディーはワゴン、色は黒です。詳細は現在まとめていますが、代表的な物としてはインタークーラー、PCMチューニング、革張りレカロ・・・・等盛り沢山です。河野さんは今、ロードスターでのレースとか、カートレースとか色々とやられているようでHUMMERに乗る時間が無いので、どなたか大切にしてくださる方に譲りたいそうです。詳細は後日改めて報告しますが、興味のある方はメールください。先着順でご紹介します。くれぐれも申し上げますが、詳細は現状の物である事とと、当方は仲介業者ではありませんので売買上の問題等はお互いに解決できる方を望みます。登録等、ご自分で出来ない方は業者を紹介します。価格、分割等の支払い方法についても後報とします。しかし色々お世話に成っている河野さんが・・・残念です。


 

2003.11. 15.    石飛 毅氏

先日、先生からメールを転送された北海道在住で、現在御殿場に長期出張中の方が明日ガレージに来られる事に成りました。
ATの調子が悪くて、2速に入れるとドデカイショックが有るそうです。この症状って以前、落合さんのHUMMERでもあったので、ATを壊してしまった様です。お話を聴いた時点では、2速ホールドをしているそうでした。エンジンチェックのランプは点灯していないのですが、一旦PCMをリセットして様子を見てもらいました。するとキチンと変速はする様に成ったのですが、暫くすると又2速ホールドになったそうです。諦めてコンビニで買い物をして再始動したらまた変速をする様になったそうです。ATFの交換はしたことがあるそうですが、フィルターの交換はした事が無いそうです。
原因の予測は、ATFの量、ATFの詰まりで圧力が上がらない、ATFクラー(ラジエターにある物と、トランスファー内にある物)AT内の流路の詰まりが考えられます。フィルターを交換しないで新しいATFを突然入れるとそれまでの汚れが流れてフィルターが詰まり大きなトラブルになる事は良く聴きます。何れにしても、2速のシフトアップの大きなショックを続けていると、ATには良くないので、AT本体が壊れている可能性は大きいのですが、一応納得してもらうために、作業をしてみる事になりました。しかしATFフィルターの在庫が無いので、当方が頼んであった部品を取りに行くついでにATFフィルターを柏まで取りに行きました。
そこで前号の HUMMER CLUB の機関紙に「ATFフィルターを交換しよう!」と言う記事が出ていたので少し紹介します。HUMMERのATFフィルターは3種類あります。まず、93年式のゾウリ虫みたいな物、94〜96年までの底が平らな物、97年式以降の底にオッパイが出てる物です。これらは色々見ましたが厳密には互換性が無いようです。4速の物は同じような形をしているのですが、吸い口の高さが微妙に違っています。出来るだけその年式にあった物を使うのが賢明でしょう。しかし、この辺の事を判らないで交換された物があるかもしれませんので充分注意が必要ですね。友野さんの事務所は相変わらずHUMMERの在庫部品で山盛りです。こうして友野さんが持っていてくれるおかげで本当に助かります。一応爬虫類のディスプレイとHUMMER物が転がっている写真を撮って来ましたので送ります。飾ってある絵の中には結婚した時にロッドホール氏(HUMMERを使っているオフロードレーサー)から貰った絵もありました。
テレビにHUMMERが出ます。20日の朝7:30頃生放送で、東京12chで放映されます。時間のある方は見てください。テレビと言えばどんなに短く出ても沢山の方が見ている物です。先週の金曜日に、出張でビックサイトに行った所、フジテレビにインタビューされてその日の夕方に6秒程当方の顔が映っただけで、門間さん、平さん・・・そして当方の両親から連絡がありました。凄いですねテレビって。

2003.11. 10.    石飛 毅氏

502HUMMERの足回りの解体が終りました。
ネジの固着は小さいネジであればどうにかなるのですが、今回はショックアブソーバーのボルトの固着と、アッパーボールジョイントの12mm以上もあるネジで焼きの入っているネジの固着には閉口しました。ボールジョイントは交換する予定なので最終的にはサンダーでカットしました。ところがショックアブソーバーのロアーアームに固定しているボルトはカットしてしまうとロアーアームが終わりになってしまうので、バーナーであぶったり潤滑剤を吹き掛けたりしてブレーカーバーにパイプを足して満身の力を振り絞って緩めていた所、たまたまお見えになった白石さんが見かねてツナギに着替えて手を貸してくれたので、どうにか外せましたが、この固着したボルトには1/2のソケットでも不十分である事を言われました。ブレーカーバーにパイプを足す事にも注意を受けました。理由は工具を壊してしまうしその時に破損した物が飛散して危険だということです。
現在設定しているコンプレッサーの圧力ではブレーカーバーで思いっきり緩めた方がインパクトレンチを使うより力が入ります。当方のコンプレッサーは、本当はもう少し圧力を上げることが出来るのですが通常の使用では圧が強すぎるとエアーツールが元気が出すぎて危険なので下げています。当方の使っているコンプレッサーは、河野さんが以前寄付してくださったもので、300Lのタンク、7.5KWのモーターで今までエアーには全く不満はなくこれが当たり前になっています。
このコンプレッサーはもし壊れてしまったら、当方には2度と買えない代物なので、先週メンテナンスをしようと思ってタンクに溜まった水を抜くと思いのほか溜まっていたので驚き怠慢さを反省。オイルの量は充分でしたが、汚れがあるので交換しようと思い調べると、コンプレッサーのオイルは一体何を入れたら良いの?色々な所に聞いても交換した事が無いとか入っているの?と言う程度で誰も知らない。先日もジャッキに入れたオイルも工具屋で内容物の説明の全く無い「ジャッキ用」と書いてある物を買ってくると言うマニアにあるまじき行為をしてしまい、今回はシッカリ調べる事にしました。
コンプレッサーは大きく分けてロータリーとレシプロの2種類あってオイルを使用しない「オイルレス」のタイプがあります。先ず石油メーカーのHPを見ると、コンプレサー用のオイルは色々あり、更に船舶用とか種々あってどうも工具屋でプラスチックボトルに入っている「ジャッキ用」「コンプレッサー用」じゃあ適正なオイル選択とはいえないことが判明。当方のコンプレッサーは「IYASAKA」と言う自動車用産業機器商社が東芝からOEMを受けている物で東芝のHPを見ると、東芝のコンプレッサー用はISOVG68である事が判明。これを検索エンジンで検索すると、どうもギヤ用であることも判明、陸用は粘度68、海上用は粘度100が基本のようです。エアークリーナは物凄く綺麗でした。これからモット大切に使います。
話は戻りまして、ボディとフレームは最後にバンパーを外して完全分離完了しました。フレームは良く見ると全て組み立て式である事が今更ながら判りました。部分的に破損、腐食しても部品で交換が出来ると言うことです。溶接式のフレームとのアドバンテージは良く判りませんが、溶接時の歪取りをやる事を考えるとボルト式のメリットがあります。また、溶接部分は腐食しやすい事も有利かなと思います。不利な事は重量がかさむことが上げられます。あまりラダー部分(フレームのメンバー)を取ると自重で歪むのではないかと心配が発生しましたので、これ以上バラスのはやめてこのままフレームを台車に乗せて、スルスルっとフレームを引き出す事にします。丁度良い台車は勿論ありませんので来週はこの台車の作成を行います。ちなみにフレーム単体での重量は2人でフロントを持ち上げる事が出来たので、400kg弱ではないかと思います。
浜本さんのブレーキトラブル原因が判明しました。
これは特別な事ではなくて構造的な問題もあります。原因はやはり予想どおりスライドピンの汚れによるキャリパーの摺動不良です。これはパットが沢山ある時に、スライドピンが外に露出している部分に汚れがこびりついてキャリパーの動きを止めていました。浜本さんはローターとパットを交換して来ましたので、このピンを抜いてみて確認しましたが、トラブルのあった方のピンだけ大きな段付きがありました。汚れは硬い物で落とすとメッキがはがれるので、パーツクリーナーとスコッチウールで磨くようにして取る方が良いと思います。この教訓は今までありませんでしたのでいい勉強になりました。
自分のHUMMERですが、以前からオートロックが不調でした。壊れてから2月ほど経っていましたが、そのまま放置していましたが不精なのでそのまま放置していたのですが、今までロックしなくても安心だった自宅の駐車場で車上荒しがあって物騒なので修理しました。症状は、アンロックは良好で、ロックが不良でした。壊れる前に少しアクチエーターが動作後に異音が出ていました。小さな音ですが動作後「クーッー」と2秒ぐらいの音がしていました。
交換は簡単で15分程度で出来ます。手順は、取って、ドアノブ、PWスイッチ、内張りを止めている+ビスを全て取り外します。内張りの上部はベルクロで固定されていますので、力いっぱい剥がしても問題ありません。ドアにWフェースで張れているビニールを丁寧に剥がし、PWモーターを固定しているトルクスビス1個と黒い補強金具を止めている+ビスを外します。これを外さないとアクチエーターが取り外す事が出来ません。アクチエーターを固定してある黒いビスを外します。固定はこのビス一本で、後は回転止めと位置決めのピンが付いているだけです。このアクチエーターから伸びているロッドの先端に付いている黄色いプラスチックを回転させてロッドを外します。
配線のコネクターを抜いて新しい物と交換します。ここが折返し地点で、後は元に戻して完了です。勿論配線した時点での動作確認と、配線が窓ガラスの上下時に絡まない事を確認する事も必要です。この時パワーウインドウスイッチのコネクターがスイッチに繋がっていないと窓ガラスは上下しません。どうせ壊れているのでアクチエーターをバラしてみました。駆動はソレノイドかと思いましたが動力は模型用のマブチモーターのような物が入っていました。駆動方法は回転方向を直線運動に変換する、一般的なラックアンドピニオンでは無くて、2次減速したネジでした。これのメリットは白い大きな歯車が一回転する(この間モーターは数回転します)と大きなリードのネジが1ピッチ進みます。これであれば大きな減速が出来るのでモーターが小型で済み駆動距離も大きく取れます。
問題は、稼動範囲の一番端に来たときもモーターは回転を続けようとしているのに無理やり止めている事です。これのオンオフは時間でコントロールしているだけなので、モーターに過電流が流れるのでブラシの消耗は避けられないでしょう。おそらく開くけど閉まらないというのは、ブラシの一部が損傷して逆回転が出来ないからだと思います。来週モーターを分解してみます。この他の駆動方法はソレノイド、バキューム駆動があります。バキュームは力が強く動作音がしない事、メカ的な無理が無い事がメリットがありますが、エンジン駆動時しか動きません。大昔のクラウン8と言うセンチュリーが出る前にあったトヨタの高級車に付いていました。ソレノイドは、力は強いのですが、力が一定していなくてストロークが大きく取れません。メカ的な無理もコイル内の鉄心の擦れはあるのですが、過電流に比べるとリスクは小さいです。
余談ばかりですが、駐車場の車上荒しにあった方は気の毒でした。当方がHUMMERを取りに行った時、警察官が2人来ていたので、「何かあったんですか?」と聴くと全く返事をしてくれません。もう一度声を大きくして「何かあったんですか?」と聴いてもこれまた返事なし。見かねた被害者が「車上荒しです」と代返してくれて、警察官が来ている理由は判りましたが、野次馬は相手にするなというオフレでもあるみたいに沈黙でした。ここでそのまま引き下がっては気分が悪いので、一応同じ駐車場に止めている人間としては、ここで警察官が来る様な異常事態は気に成る事、一応聴かれたらこんな事があったから貴方も注意するようにとか国民に防犯啓蒙する事もあなた方の仕事ではないかと、充分お伝えしました。被害者とのやり取りを聴いていてもメーカー名を「カルルチエリア」とか懐中電灯が接触不良で暗くなったり明るくなったりして、まるでコントに出てくる加藤茶じゃないかと思うほどの頼りなさでした。友野さんから譲って貰った高輝度LEDが10個付いている懐中電灯を出してきて、「これぐらいの物使え」と言った所、一人の方が腰から「良いのを持ってるけど自前なんだよ」と言ってマグライトのAAAを出して来たので、LEDライトの優位性である省電力、球の寿命が長い事、電車の合図のライトも、信号もそうなっていると説明してマグライトはもう時代遅れですと教えてあげました。話を聴くとDセル電池は結構沢山使えるらしいので、自前で買ったらどうかと薦めておきました。ちなみに携行している携帯電話は自前だそうで無線連絡は減って携帯電話は必需品だそうでこれには同情しました。

2003.11. 7.    石飛 毅氏

502HUMMERのボディーは5本のリジットラック(ピンジャッキとかジャッキスタンドとか色々呼び名はあるみたいですが即には「うま」です)を使って持ち上げています。
フレームは前周りはタイヤをはじめ殆どのパーツを取り外していますので、リジットラックと念のためガレージジャッキで支えています。次回リアを外すのですが、リジットラックの数が足らないので現在使っている背の高いリジットラックを探した所、中々無く、先週はまたワールドインポートツールズに行って来ましたが空振りでした。以前購入したストレート(フランチャイズ工具店)に電話しても在庫が無くおまけに注文しても納期70日と言われガックリ。そこで一番期待していなかったアストロ(これもフランチャイズ工具店)に電話した所、注文になるけど翌日入荷するというので早々注文して取りに行って来ました。これでフレームを支える事が出来ます。
ジャッキで支えているのですが、長時間使用するのはジャッキの為に良くない様な気がして、早々ガレージに運ぼうとした所、浜本さんから電話があり何事かと思い電話に出ると、HUMMERのディスクローターが写真のような状態になっていたとの連絡でした。写真を見るとピストンがほぼ伸び切っていてローターは残り2mm程になっていました。パットは殆ど無くなりバックプレートとローターが擦れあって回りは金属粉だらけでした。此処の所良く来られるのですが、浜本さんはご自身で色々作業していたのですが、見落としていたようです。この状態になっていたのは後輪の片側だけで他のブレーキは未だパットも充分に残っていました。
原因はキャリパーの動きが悪くなってピストン側だけで制動していた事です。HUMMERのブレーキキャリパーはコの字型でローターを跨いで挟んでいます。コの字型の幅はローターとパットの厚みより少し大きいだけでブレーキを踏むと出てくるピストンは片側だけに付いています。このままではピストンが付いていない方のパットはローターに押し付ける事が出来ませんし、ローターを片側からだけ押すとローターが変形しますので、キャリパーは軸方向に案外軽く動きます。したがってキャリパーは横方向にはゆるゆるで、回転方向には直径12mm程の柱でしっかり固定されています。この柱はメッキされていて、滑りが良くなっています。一応この部分には水やホコリが入らない様にダストブーツが付いててグリスも塗布されています。しかしこの部分も決して完璧にシールされていないのでこのキャリパーを支えている柱が錆びたり、グリスが乾燥して動きが悪くなると今回の様な事になります。
フルタイムの4輪駆動車の場合、一輪ぐらい利きが悪くても大きく体感できないのでこの部分は定期的なチェックが必要です。パットの残り量のバラツキがあるときは此の辺の清掃、給油が必要です。一応ロータを本日お渡ししましたのですが、完全修理には工場への入庫が必要と考えられます。



2003.11. 3.    石飛 毅氏

502HUMMERの作業はやはりフレームとボディは切り離して行う事にしました。
理由は、あまりにも泥汚れが激しくて、泥が付いたままのボルト類はネジ部分が錆び付いており、殆どの部品を交換してしまうのに汚いままですと、手抜き作業になってしまうので、元の状態に出来るだけ戻す事にしました。マッド・ドラッグレースの被害は思ったより深刻でモナカ構造になっているサスペンションアームの中にまで入り込んでいて、ショックアブソーバーのロアアーム側のボルトは酷く固着していました。ボディの切り離しは既にエンジン、トランスミッション、マフラー、燃料タンクは下ろされているので、フレームについている部品は前後のアクスルだけです。これ以外でボディと繋がっているのは、ブレーキとステアリングシャフトのみという事になります。
ステアリングシャフトはギヤボックス直前のユニバーサルジョイントを外します。この部分は空回り防止のためにスプラインが切られていて、このスプラインの一部をえぐってそこにボルトを入れて抜け止めになっています。ステアリングシャフトはフレーム幅の割りにステアリングが外側に設置しているので幾つかのジョイントを使って方向変換されています。そのため室内のステアリング部分には触れずにギヤボックスからシャフトを抜く事が出来ます。ギアボックスに対してステアリングシャフトがストレートの場合は軸方向に遊びが無いのでステアリング本体を移動しないとならないケースがあります。
最近の車はテレコピックスタイプになっていて衝突時のハンドルの飛び出しを防いでいる物があり、この場合は
HUMMERと同じくギヤボックスからステアリングシャフトが抜けます。ブレーキはむやみに配管の継ぎ手を外すとブレーキ液がこぼれ出すのと、ブレーキ配管の内部にゴミや錆が発生する事が嫌なのでブレーキマスターごとボディから取り外しました。此れであればとりあえずサイドブレーキも利いたままにもなります。このほかには後若干の配管を取り外すとサイドブレーキワイヤ以外は縁が切れます。
ボディマウントを
6箇所取り外してボディサイドに木片をあってジャッキアップすると簡単にボディは持ち上がりました。此処で問題はこのボディをどうやって抜き取るかが次の問題です。とりあえず、ジャッキスタンドを4個用意して片側を上げてジャッキスタンドを掛けて、また反対側にジャッキを掛けて持ち上げ10cmほどボディーを上げました。書くと簡単ですが一人でやるのは結構大変です。もう少し上げるとシャーシを抜き取る事が出来そうですが降ろしたボディの置き場所とか、作業を何処までやるか決めてからにしました。
翌日、アルバイト達がそろい、いずれ外すのでフロントからドンドンバラす事にしました。フロントアクスルの様子も悲惨でした。デフオイルのシールは
NG、ダダ漏れのオイルがローター、パッドを攻め込んでいて、乗れる状態ではありませんでした。アクスルはなぜか運転席側のほうが悪状態で、各部品の錆びの発生量、ネジの固着も多くハブリダクションは運転席側だけ水が入っていてコーヒー牛乳状態でした。ギヤ、ベアリングの点検が必要です。
フレームに付いた錆び、汚れを色々な手で落とそうとしましたが、いくら磨いても綺麗になりません。溶接のビードにも、錆び、泥が入り込みパーツクリーナがいくらあっても足りません。元々この年式の塗装はハンビーと同じでペンキが付いていればいいという状態でブラシサンダーを使ってゴリゴリこする方法が一番手っ取り早いので、ブラシで出来るだけ汚れを落として再塗装することに決めました。缶スプレーですと効率が悪いのでガン吹きします。そのためにももう少しボディを上げてリアのアクスルを引き剥がしてフレームの乗る台車を作って作業時にフレームをゴロゴロ引き出して作業しようと思っています。
浜本さんが先週ゲットしたマフラーを取り付けに大量のおやつと共に来ました。松原さんの
HUMMERは、オリジナルはサイド出しだったのですがタイコ部分はフジツボの物に交換してありました。その後ショップにてリアタイヤのアーチ型に配管を引き回し出口にスパートラップを付けていました。浜本さんは今後山を走りたいので、この配管ですとタイヤがノーマルでも当たってしまうので、タイコ部分をフジツボの物と交換してサイドにスパートラップを付けていました。出口はカッコイイのですがタイヤに当たりそうなので、山用のストレートタイプも作っていました。
ヒロシが、ゴージャスな椅子を買ってきてくれました。以前働いていた家具屋さんに注文していたそうです。ワザワザ「石飛専用」を用意してくれたので今後当方だけがこのゴージャス椅子に座っていてもひがまないで下さい。

2003.11. 1.    石飛 毅氏

先週CCV誌石川編集長と一緒にモーターショーに行ったときに頂いた資料の中に財団法人日本自動車工業会が発行した「2003日本の自動車」がありました。
他の資料と比較して興味を引く資料なので一通り目を通しました。普通この手の殆どが統計値と堅苦しい定型的なえらそうな文章が多いのですが、読む人に不快感のないやさしい文章で書かれていました。色々な統計が出ていますけど知ってても良いと思われる項目だけ紹介します。
まず、日本で車に関連している職業の人数は自動車製造業858000人。販売・整備工場1040000人、資材(電気部品、金属、石油、ゴム、ガラス等)関係299000人。ガソリンスタンド332000人。利用部門(バス、運送会社、駐車場等2604000人で合計513万人です。国内の就業人口6300万人の8.1%の人が直接関わっています。間接的に携わっている人を含めたら大変な人数になります。
現在日本国内で保有している車の台数は乗用登録5454万台。トラック1748万台。バス23万台。特種(特殊)173万台で4輪車の合計は約7400万台でアメリカに次いで世界第2位です。4輪車一台あたりの人数は1.7人で、イタリア、オーストラリア(1.6人)に次いでドイツ、ベルギー、カナダと同じです。ちなみにアメリカは2.0人です。
製造業の開発に席を置いているので、会社には色々な専門雑誌が沢山あります。殆ど普通の書店では見る事が出来ない物でごく限られた分野の雑誌です。普段は殆どぺらぺらめくりながら興味のある部分をつまみ読みしていますけど、あまり自動車関係の記事を目にしたことがありません。ところが、先日燃料電池についての特集があって仕事中に熟読しました。記事は燃料電池そのものについての記事ですが昨年末トヨタ(4台)とホンダ(1台)が政府に納入されてから、俄然、注目をされたようです。実際は内閣官房、経済産業省、国土交通省、環境省に5台納入されたようです。どちらも純水素方式です。
トヨタはニッケル水素2次電池と燃料電池のハイブリットでプリウスのガソリンエンジンが燃料電池になった車です。ホンダは2次電池ではなくてキャパシター(電気2層コンデンサー)を採用しています。燃料電池の出力は90kW(120馬力)、ホンダが78kW(104馬力)です。実際の動力を受け持つモーターの出力はトヨタが80kW(106馬力)で5人乗り最高速155km/h航続距離300km。ホンダはモーター出力60kW(80馬力)4人乗り最高速度150km/h航続距離355kmとなっています。リース代はトヨタ120万円/月でホンダは80万円/月です。値段の差はトヨタが燃料電池部分を内製の物で、ホンダはカナダ・バーラード・パワー・システム社製の物を使っているからです。今後トヨタは、カリフォルニア大学に2台納めたのを初めとして、愛知県庁、名古屋市、東邦ガスに順次リースします。これは東邦ガスが昨年10月に都市ガスを改質して水素を作る水素ステーションを建設したからだそうです。
現状、普及の障害になっている問題は、燃料電池車(FCV)そのものの価格、登録の問題。水素に対する規制があります。燃料電池そのものは時間が経てば色々解決されて量産効果も出るでしょうから、そのうち価格が下がる可能性は期待できます。登録も現状一台ごとに車両認定を受けていますが、これも量の問題で解決できます。ところが水素を取り扱う上での問題は沢山あります。水素ステーションは学校・民家から11.3〜17m以上はなれて居なければならない保安距離規定、ガソリンスタンドと併設できない、付臭規定等多くの規制のハードルをくぐらなければなりません。そして車載するタンクにも技術的、規制の面でも問題があります。現在高圧ガス保安法では車載用の水素容器の基準そのものがありません。製造そのものにも問題が無いわけではありません。生成する時のエネルギー、運搬方法、生成速度と膨大なエネルギー量を必要としている車に使うには課題は沢山あります。
これに比べて最も早く大量に実用化されそうなのは、比較的少量利用の携帯電話、モバイルPCです。電池切れのときはライターのガスみたいな感じでボンベからシューッと入れると即利用可能で、長時間の充電時間は必要ありません。現在テスト中のものは同じ重量のリチウム電池より動作時間は長く取れます。現在この手のいち早く行ったのはNECです。燃料は性能を出しやすい3〜6%に希釈したメタノールを改質しないでそのまま白金触媒で水素イオンを取り出して燃料電池を動作させるダイレクトメタノール方式です。約300mlのメタノールで18W400g15時間と言う性能が出ています。発売は2004年末に商品化の予定です。
この外に日立、東芝、カシオも開発中で高価な材料を出来るだけ使わない研究が進んでいるようです。少し実用化が遅れそうですが、東芝は高濃度のメタノールでも使えるように、反応時に出てくる水を再循環して希釈して使える様にした物はタンクを同じ性能の物より1/10に出来ます。此れで100ccで10時間の発電が可能です。カシオは超小型のマイクロリアクターと言う改質器を使いリチウムバッテリーの半分の重量で4倍の寿命が実現可能だそうです。
10年ほど前リチウムバッテリーの一般化がモバイルPC、そして携帯電話が大ブレーク(当方が当初携帯電話を持った時はニッカドバッテリーで10時間程しか持たなくて、バッテリーの予備と充電器を持ち歩いていた)した事を考えるとやはり利便性から考えても燃料電池の発展は此の辺からのようです。車用のリチウムバッテリーは一般的に普及しているとは言いがたい現状である事を踏まえてもPC、携帯用では当たり前の現状はPC用の燃料電池も簡単に同じ土俵に乗れると思います。これらはPCにしてみれば、周辺機器になるわけで、これらのコントロールや信号プロトコルの規格を日本電気工業会が事務局となって現在国内14社を集めて規格統一を行い性能の標準化を行いさらにそれをグローバルスタンダードにする狙いもあるようです。
HUMMERの話ではありませんで申し訳ありませんでしたが、これは自分の知っている知識を開けさせているわけではなく、やがて何かの方法で化石燃料を直接燃やす方法に対しての圧力が掛かって来そうな気がしていますけど、実際本当に化石燃料を燃やす内燃機関が悪なのか?少し前まで電気自動車(バッテリー車)が大流行して、もうこれしかないという感じでもう直ぐにでも内燃機関が無くなりそうな雰囲気がありました。しかし、2次電池の完成度の低さ充電時間、重量に対する航続距離、そしてバッテリー本体の廃棄問題がありました。10年前のモーターショーでは各電力会社や大学の研究室、勿論自動車メーカーもこぞって展示していました。十年後の今行われているモーターショーには殆ど電池自動車の展示はありませんでした。
勿論、電池自動車の必要な所もあります。屋内、静かなコテージの中、老人の歩行支援バギーは静粛性使いやすさ価格を考えて使えます。しかし航続距離、エネルギー充填時間、密度を現状の内燃機関に変わる物には移行できる物ではありません。しいて言えば我慢してなら使えるとしか言えません。航続距離程度であれば良いけど価格は我慢できません。そこで、当方は燃料電池車は将来的に内燃機関にとって変わる可能性がありそうな気がして興味があります。決して電気モーターで走る事が嫌いな訳ではありません。将来内燃機関が使えなくなったときに汎用の燃料電池を使って、エンジンをモーターにしてHUMMERをFCVにコンバージョンする事も可能な気がします。
しかし、いくら考えても少なくても10年程度で日本の車が燃料電池車に変わる事がありえないようなきがします。それは一番最初に書いた部分ですが、此れだけの量の車を燃料電池車にすることは年間新規登録車が570万台の現状の今すぐに5%づつ増えても10年で50%となっても全体の10%にも満たないからです。(現在ハイブリット車も年間12000台です)FCVに置き換わるのは至難の業のような気がします。念仏のように当方が子供の時から言われている化石燃料が不足した時(小学校で後30年と習いました。今は年数を言わずに有限であると習っているそうです。)には今のように自由に庶民が車を乗り回せるか判らないし、水素だって同じように今のインフラでは不足する事が考えられます。それどころかそんな時に電気だってまともに来るとは思えません。車だけを考えると小さくて軽量の車であれば・・・と思いますけど、社会主義国ではない日本では燃料代が倍になっても我々の様に趣味で持っている者は乗り換えるでしょうか?
燃料代以外の経費が高くなれば維持できなくなって、手放す事はありえますが既に持っている車はそのままのような気がします。現在3ナンバーにして保険も税金も高くなっても手放さないで居ますが、HUMMERの購入時に現在の費用がかかるのであったなら当方もキットHUMMERを買っていなかったような気がします。水素の原料もメタノールだったり、天然ガスだったり、脱硫ガソリンだったりナフサだったりします。これらの素材のエネルギー変換効率がトータルでどれぐらいになるのかは色々調べても判りません。燃料電池そのものの耐久性も未だ我々には知りえない部分です。
モーターは色々効率のいいものがあるし、耐久性もよっぽど内燃機関より丈夫なのは既知の事実です。しかしモーターも発熱しますのでエネルギー効率が90%を超える事は出来ないような気がします。(でも内燃機関よりズーット良い)5年間のリース代が7200万円の物がそう簡単に200万円代にはならないでしょうからヤッパリ今のプリウス程度の量が売れるのには後10年位掛かりそうな気がします。この辺の事を頭に置いて、発想を転換するともう一度戻って、効率の良い排気の綺麗な内燃機関の開発を一生懸命行う方が本当は一番早道のような気がします。
日本はどちらかというと流行りに敏感でパーッと飛びつくしライバル意識が高いので何処の会社も他社に遅れを取ってはいけないと必死です。ヨーロッパでは、効率の良い小型DIESELエンジンの開発はドンドン進んでいます。車齢が10年ぐらいである事を考えれば今はそれで良いと思っている様な気がします。FCVはニァフィチャーでは無く、もう少しロングレンジで考えておけば良い程度で、体力の無い小規模の自動車会社はそのときのニーズに合わせて商品を対応しているのではないでしょうか。現状ではFCVよりおそらく3リッターカーの方に力を入れているヨーロッパの方がまともなようなきがします。

 

 2003年10月