2004年5月  HUMMER ESSAY 2004年6月      

2004.6.30.    石飛 毅氏

落合さんのHUMMERは変速時のショックが大きくてミッションを新品と交換しましたが、その後ショックの大きさは小さくなった物の未だ完璧では無くて、アクセルペダルを交換したときに多少変化はありましたが、まだまだ納得のできる物ではありませんでした。
当方のガレージから95年式が出庫するのを待って、落合さんがHUMMERをお持ちになりました。ATが殆ど新品なので、症状が余り変わらないという言う事は何かちょっとしたことが原因と考えられますが、やはりキチンとスキャナーで解析する事が一番早道と思い、トムラガレージに持ち込みました。戸村さんはACarsで愛車診断をしていて、色々な車種に経験があります。戸村さんの使用しているスキャナーは「マスターテック」で手際よくいろいろ操作を行い、色々点検と確認を行い、今回のトラブルコードを出してくださいました。対策は部品も無いので当方のガレージに持ち帰り、マニュアルでそのトラブルコードの対処を行い試乗した所、今までが嘘のように「直りました!」全くショックも無くドンドン魔法の絨毯に乗ったように スーッと走ります。車の修理は、原因の特定が殆どで悪い所を修理するのは力仕事です。今回はあまりにも効率良く修理が出来たのは本当に気分がいいです。診断の価格を高いと思うか安いと思うか、その評価は苦しんだ時間が長いほどその価値の高さを実感できます。
具体的な修理内容。
戸村さんの所に行った時にはエンジンチェックランプは点灯していませんでした。スキャナーを当てていきなり「おかしい!」と御発声。「ランプが球切れか入っていないぞ」まさかと思い点検すると確かに球が入っていない・・・その後、色々点検してDTC0722(アウトプットセンサー LOW)である事を特定し、事務所に戻って解説と修理手順を指示してもらい、「それで直らなかったら原因はもっと深いので入庫してくださいといわれました。」4L80Eは時々新品でも不良があってバルブボディの改造とか色々手を入れないと駄目な事があるそうです。この辺は戸村さんのノウハウなので失礼ですから聞きませんでした。少し不安でしたが「多分大丈夫だよ」という最後のお言葉に期待して、直ぐに作業したくなりそのままガレージに直行。
HUMMERのマニュアルは各トラブルコード別に対応の仕方が出ているので、先ずはマニュアルを熟読。回路図を点検。そして先ずは言葉道りのアウトプットセンサーを素直に交換。カプラーとセンサーの接点も綺麗にお掃除。そしてPCMの配線の導通抵抗を測ろうと思ってマニュアルを見ると、アウトプットセンサーの配線は実在しているのですが、配線は途中のカプラーで終わっててPCMにはつながっていません。あれれと思いマニュアルを見るとアウトプットセンサーと出ているのに、インプットセンサーを交換しろとなっています。DTCコードは便宜上色々な車と共通の言語なのでHUMMERの場合はそのコードではインプットセンサーの不良が出るようです。
マニュアルに従ってインプットセンサーを交換して端子もしっかりお掃除して、導通抵抗の確認もしてとりあえず試乗・・・無事修理は完了です。あまりにも嬉しくて落合さんに連絡すると「5年間の悩みが飛んだ」「信じられない」「実は直らないんじゃないかと思っていた」と言って感動していました。「全く効かない」と言ってたエアコンも何時ものようにコントロールパネルの故障で温水切り替えバルブにバキュームホースを直結したらキチンと冷たい風だけが出てきました。この時に気が付いたのですアがゴムホースはかなり硬化していたので、エア漏れを起こしているようです。これはウエストゲートバルブのコントロールにも影響していますのでゴムホースは要交換ですね。
当方のHUMMERと比較して若干アンダーパワーなのはこれが原因かも?残り作業はマニュアルスイッチ化したバックランプの修理、燃料タンクの固定、壊れた時計の変わりにブースト計にして完璧なHUMMERに復活します。とりあえずマスターテックの日本語版をのどから手が出るほど欲しくなりました。(猫に小判かな?)


 

2004.6.28.    石飛 毅氏

ミドリさんの作業は上に乗ったり降りたりと面倒なので、通信販売で便利そうなステップを買ったのですが、サイズがHUMMERに合いません。
結局2段の脚立を使う事にしました。通信販売の資料にはトラック用と書いてあったのですけどサイズは書いてありませんでした。そのうち時間が出来たらHUMMERでも使えるように改造します。ミドリさんの塗装は土曜日から塗り始めて塗料が足りないので竹下君に箱で塗料を買ってもらってきました。フロント部分は一通り塗装して十分だと思いますが缶スプレーだと塗膜が薄いのでヘリコプターフックを改造しブッシュガードを取り付けてから再度ガンブキする事にします。ですから現状を一応下塗りと言う事にして一旦塗装は終わりにします。ミドリさんはDリングタイプのブッシュガードを取り付けていたので、フックの先端に固定用の金具が溶接されています。今回ブッシュガードをノーマルにするのと、ボディーリフトの分だけ延長する予定なのでループ部分を削除しました。補強プレートはそのまま残してU字型で延長をした物を作成して継ぎ足す事にします。
そのために残る部分には出来るだけローインパクトにする必要があるので、サンダーでガンガン削ると上手く切れないのでサンダーでおおむね削り落として、今回導入した「信濃」のメカニカルソーを使用しました。今までのエアーソーではこれぐらい厚い板材の加工では、エンストして刃物を曲げてしまう事も多々ありましたけど、さすがにエンストをしないと明記しているだけあってザクザク切断して行きます。最初は付属の刃物を使いましたけど、途中から切れ味が抜群と言う「サンドビックス」ノコ歯を使ってみました。単純に他のノコ歯とは比較したわけではありませんが、折れる事無くしっかり仕事をしました。
HUMMERオーナ予定の方がお見えになりました。
HUMMER購入に色々ご心配があって、当方のガレージを見ていただいて少し安心したようです。決して良い事ばかりをお話したのではなくて、不都合の発生する部分もお教えしましたし、その対策、対処の方法、おおよその費用のお話をしました。HUMMERの場合は見た目の綺麗さと言うのはどちらかと言うと問題ではなくて、大きく費用のかかる部分はエンジン、ミッションの大物で特に96年から99年前期までのターボエンジンにはエンジンクラックと言う爆弾を抱えていること、これはエンジンオイルを幾ら定期的に交換してもメンテナンスをしても避けられません。
当方はこれらの年式はこのトラブルが来る可能性を覚悟してハラハラ乗るのではなく普通に使って壊れなかったら「儲けもの」、駄目な時は96年だったら知らない人が8年使ったエンジンを新品にする事で若返り出来るからチャンスと思うようにすればいいと提言しています。確かに現行の対策されているエンジンは当時の物より数段良くて静粛性、ふけ上がりのよさは、既に交換した渡辺さんも体感しています。個人売買の場合は、難しいですけども販売店から購入する時はこの辺を腹を割って交渉して、例えば補償期間内は全て無料、それが終わってから1年以内は工賃無料2年以内は1/3負担3年以内は・・・エンジン本体は実費か持ち込み可とする」なんていう契約を入れたらフェアーな気がします。このトラブルはあまりにも多いので本来はリコールじゃあないかと思うのですが、メーカーはその対応はしていないようで販売から4年間は無償クレームでしたが、現在は対象車両は殆ど年数が5年経っているので、もうクレームには成りません。
一方、最近輸入された中古であれば既に交換してあることもありますので、この場合は上記のような契約をしていても、どちらにも都合が良いのではないでしょうか?(ここに書いた内容は当方が思いつきで書いた身勝手な条件ですから、そのまま引用しないでください)
大物のもう一つであるミッション(トランスファー)の場合は日頃のメンテナンスがしっかり結果として現れます。ミッションの場合は購入時に変速ショックが無くATFが綺麗であれば結構丈夫なミッションなので安心だと思います。トランスファーは走行中にギア抜けが無くてATFが入っていれば先ず壊れていないでしょう。今までトランスファーの破損はATFが漏れないで壊れた物(大井)と、ATFが入っていないための故障の(群馬組)2件です。時々車体の下にオイル漏れが無いか日頃から点検していれば防げます。変速時にショックのあるものは絶対にやめたほうがいいでしょう。(現在このトラブルの対処方法を勉強中です)ちなみに、エンジンがアイドルアップしている状態(冷間始動時)ではN-R-Dにシフトすると大きなショックが出ますので注意してください。高い買い物ですから試乗は一般道、高速道路の両方で行いたいですね。
昨日、映画館で見逃した田辺さんのHUMMERが出ている「踊る大走査線」のDVDを購入し、鑑賞しました。最初からドーンと出てきて楽しめました。本年はあの手の娯楽映画が一番好きです。小学生の頃は、母親の趣味?らしくてその頃封切りの「メアリーポピンス」等のディズニー映画は殆ど映画館で見ていましたが、メルヘンが嫌で中学以来劇場で見るのはもっぱら「男はつらいよ」でした。当時は真剣に大人になったら「寅さん」になりたいと思っていたほどの熱狂的ファンでした。かと言って最近の「釣りバカ日誌」は勤務先でほぼ似たような「車バカ日誌」状態なので、(土曜日も来ました)殆ど見ません。あの程度ならもっと面白い脚本を当方は書けます。
「踊る・・・」の内容は記録的な観客動員数を誇っただけあって、素直に面白かったです。まだ見ていない人はDVDお貸し致しします。でも今日、竹下君に主演の織田と柳葉の仲が悪いと聞いて少しガッカリしました。いかりや長助が間に入ってどうにか衝突は無かったようです。(くだらない芸能話ですいません)
毎週、夜遅く帰ってくると、こいつだけが出迎えてくれます。帰ってからメールを書いている間もそばで見ています。未だ8ヶ月の子供ですけど、言う事を良く聞きます。


香港で4輪駆ショップを経営されている方が、時々日本にいらした時にCCV誌の編集長を尋ねて来られて交友があり、今回、石川編集長が香港を訪問されました。その際この方がお持ちのHUMMERの写真を当HP用に撮影してくださりましたので紹介します。香港はご存知のようにイギリスから返還されて居るものの文化は多く残されています。(当方は行った事がないので聞きかじりです)従って日本と同じ左側通行で右ハンドルです。オーストラリアもそうですが走る車は左ハンドルは駄目で左ハンドルしかない車両は今回のように無理やり改造しています。アメリカも同じで特に認められた用途(郵便局の使用している車体はポストに行きやすいように右ハンドルです)以外は右ハンドルは認められません。しかしそれでもお上の目を盗んでGTRを乗っている人が居るようです。スポーツコンパクトが爆発して日本の雑誌も売れているようなのでGTRは憧れの的です。
写真が小さいので良くは解りませんけど、仕上がりは中々です。年式は、外気取り入れ口の形状、燃料タンクの口が2個あることから96年と判断できますが、ウインドウに熱戦が入っているので97年式の可能性があります。確率的には半々で96年か97年式の6.5L NA DIESELですね。ここで97年にNA DIESELは無いだろう?と言われそうですが、実際NAは98年まで実在しています。カタログからは落ちていますけど、2002年にHUMMERの工場見学をした時もカタログ落ちしている2Drの新車を作っていました。AMGeneralは自動車会社としては小さな会社なので、特注を受けています。当方が見た2Drもクレーン車などの特装ベース車として作られていました。裏付けとしては、98年のマニュアルまでNAが出ています。
HUMMERの場合はあくまでも装備は現車確認が必要です。HUMMERを右ハンドルにするためには、まずハンドルですがギアーボックスは立て込みの左フレーム用なので右にするにはスペーサを入れているのでしょうか?またエアコンの室内機はセンタートンネルに内に移動されているようです。コンプレッサーはHUMMER用のものから他の物に変えられています。ブレーキはエアクリーナーの下に油圧ホースを延長しているようです。エンジンを下ろす必要はないとは思いますけど、ブレーキの配管を変えるにはラジエーターは取らないと駄目ですね。もう一つ問題はシフトレバーです。ATの方はオリジナルのレバーをミッションをまたぐようにした「コの字」型の金物を作って反対側にもピポットを付けてそこにジョイントすればOKです。トランスファーも少し入り組んでいますけど同様です。ワイヤーですと押し方向が弱いのでロッドの方が良いでしょう。
まあ考えただけでソーットする内容ですけど具体的にやった人が居るし、エアコンを社外製にして良いのであれば、当方でもやれない内容ではないと思いますので、だれかやりますか?ただ、右ハンドルは運転席が狭くなります。細かい点ではワイパーの停止位置を変えたり、煙突を視界の邪魔にならない様にしていますね。今度お会いしたらヨーク話を聞いて見ます。


 

2004.6.27.    石飛 毅氏

本日、95年式HUMMERを無事引き渡しました。
仮ナンバーを付けて試乗してもらったところ特に問題がありませんでした。試乗後にボンネットを開けて積み替えたエンジンを見せると以前に比べて見違えるほど綺麗に成ったので喜んでもらえました。後学のために降ろしたエンジンを荷台に積んで、内装を同行の修理屋をしている先輩と修復して無事帰路につかれました。ソロソロ自宅かなと思って電話すると丁度到着した所で帰りの高速でも登坂車線を制限速度で楽に登れたので300ccの排気量ダウンは特に問題が無いようです。そもそも軽い車体だし、4速ATなので当方もさほど問題は無いと予想はしておりました。ポンプ本体、噴射ノズルは6.5Lのものを使用していますので、多少は燃料が濃い目になっているはずです。同行の方は佐野で修理屋さんをされてて、お客さんの車はイタリア車が多いようです。何で後輩の修理を受けないのか聴いた所、期待どうり「やりたくない」でした。新しくても壊れるイタリア車(本日来たメールにこのような表現がありましたので流用します)の方がよっぽど面倒だと思います。でも内装を組むときのドライバーの使い方は只者ではありません。恐らくこの方は今回の当方の苦労を判ってくれていそうでしたので救われます。今後はこの方にバトンタッチです。
本日、ランドマップに入庫中のHUMMERのワイパーが時々勝手に出てくると言う症状があるので一応パーツを持って行きましたが、オーナーに交換する意思確認をしたところ、頻度は低いし、配線を外して機能を殺す事も出来るので我慢する事に成りました。当方はHUMMERを購入した時に今のような環境が予想できなかったので、スイッチ類は全て予備を購入しておりました。しかし、今までに壊れたスイッチは、ヘッドライトスイッチとパワーウインドウのスイッチだけです。ウインカーのスイッチも壊れると聴いていたのですが、未だ壊れていません。今までも周りで壊れたと聞いたのはヘッドライトと、ウインカーだけです。
手持ちのオイルが全く無くなり、ランドマップに分けてもらいました。どうせならランドマップで交換しようと思ったのですが、廃油タンクが満タンで、更にペール缶にも入りきれない廃油が沢山ありました。ランドマップも当方も同じ処理業者さんに処理して頂いております。先週当方のガレージも廃油タンクが満タンで限界でしたが、業者(野田市)に電話をすると5分で来てくれました。(丁度近所に居たそうです)廃油の処理は4klのタンクの付いたトラックで廃油を吸引して回収します。費用は無料で廃油の処理をどのように行うかのマニュフェストもキチント発行してくれます。ドライバーの方に聞くと、兎に角タンク一杯にして帰らないとノルマがあって大変だそうです。時々一杯にならないで困る時があるというので当方のガレージには廃油タンクを外に置いているので何時でも自由に取りに来て下さっても結構ですと言う事にしました。
水を混入した物で鉱物系化学合成系の油はOKですけど、食用の油はNGです。ドライバーにも寄りますけど、ペール缶一本でも取りに行きますといってました。色々聞きたいことがあったし暑い日だったので冷たい御茶を差し上げてさらに聞き出すと、この業者さんの場合は全て「燃料重油」にするそうです。オイルはかなり重いので一旦蒸留して固形物を分離して、軽い油を希釈してボイラーなどの燃料として使用する様です。ですから、この燃料供給バランスを保つためには廃油を一定量切らさないように回収する事が必然に成るわけです。ですから、行きつけのガソリンスタンドや修理屋に廃油を持っていくことが、資源活用になります。また、処理代は只なのに、お客さんが持ってきた廃油を気持ちよく受け取らない所はケツの穴が小さいと言う事です。当方は廃油をドンドン受け入れます。
ランドマップついでですけど、先日お客さんがランドマップに置いてあるHUMMERを見て「自分の親戚が乗っている」と言われていました。その親戚のキーワードは「山形」「黒いHUMMER」「ガソリン車」。。。。。先生の親戚の方で埼玉の草加市に住んでいる方だったそうです。ランドマップは1個目のキーワードで判ったと威張っていましたが誰でも判ります。まあ、本当に世間は狭いですから日頃から注意が必要ですね。ランドマップに平日行くと、女の人が居ますが決して「彼女」ではなくパートさんで事務仕事をしている方だそ・う・で・すっ。当方は未だ見ていないのですが、色々な方から報告や質問がありますがくれぐれも誤解の無いよう御連絡いたします。(当方は未だ疑惑の目で見ています)
CCV編集長が香港に取材に出かけて、以前から知り合いであった方が香港でHUMMERをお持ちだそうです。香港は左ハンドルが認められないので、このHUMMERは右ハンドルに改造されています。以前松原さんがオーストラリアで写真を撮ったHUMMERも右でした。この時も右化に数百万払ったと言う事でしたが、香港の方も同じように数百万円支払っているそうです。石川さんの御話では、かなりの御金持ちと予想できます。この方は香港で4駆ショップを経営されているそうで、時々日本にもお見えになるそうです。次回は夏休み中に開催される恒例のCCV誌主催「Jeep機能美展」(入間市博物館)にお見えになって当方のガレージと那須PSガレージの訪問を予定しているそうです。御目が高い!本日、石川さんからこの右ハンドルHUMMERの写真を頂きましたので、じっくり観察してから考察をして明日報告します。
本日の作業はミドリサンの塗装、結局バンパーも部品を外して塗装しました。小部品は例によってサンドブラストをして塗装をしたのですけど湿度が高くて塗装面が上手く仕上がりません。晴れている日はあんなに上手くぬれるのに、塗装って言うのは難しいです。

2004.6.26.    石飛 毅氏

先生のHUMMERも購入して8年ですね。
先ほどのメールで燃料フィルターと言われて確かに今までGAS HUMMERの燃料フィルターは交換した事が無いことに気が付きました。一般的にGAS車の燃料フィルターってフイルターの目が水の分子より小さくて、ガソリンの分子より小さいのでミストセパレーターの役割をします。ですから、水分が目一杯溜まると燃料が通れなくってエンストする事もあります。燃料タンクの結露とかが多い金属タンクの場合は、こまめに交換したり水抜きが必要な事がありますけど、HUMMERの場合は樹脂タンクなので量は少ないようですね。
分子の話ですけど、本日、輸入車専門修理のトムラガレージに行き色々仕入れたネタの中に、エアコンのPAGオイルの分子は134aの分子より小さいのでオイルが漏れていると即ガス漏れという事ばかりでは無いようです。確かに当方のボンネットの裏で丁度コンプレッサーのクラッチの部分にオイルが飛散した跡があるのですけど、現在はエアコンが良く利いています。また、一つ利口になりました。トムラガレージでは他にも色々なノウハウを教えてくれるのですが、本当に気前良く色々教えてくれるので覚え切れないのがたまに傷です。
今日は350エンジンの組み方の裏技と、エアコンの話をしてくれました。今日の授業料はケントムアーのカタログです。ケントムアーというのはGMの特殊工具専門の工具メーカーでHUMMERのマニュアルに出ているSST(特殊工具)はケントムアー製です。当方もアメリカから取り寄せた特殊工具を持っていますけど殆どケントムーアーです。当方の場合はHUMMERのマニュアルには各セクションの最後にその部分で使う工具の型番は全て書いてありますけど、挿絵がない物もあるので、必要な部分だけ一応コピーしておきました。トムラさんの様に色々な車種を扱っている場合は、SSTを購入する場合にその工具がどれぐらいの車種で使えるか判断できるので購入の可否を判断するのに便利です。

2004.6.23.    石飛 毅氏

本日は、火曜日なのでスナップオンの日です。
週末に平野さんからワイヤーリングの方法を教わりましたので、ワイヤーツイスターを購入しようと思い見せてもらいました。丁度持っていたのですけど、左右回転切り替え式は余り丈夫ではないようなので、次回HARDな物を見せてもらう事にしました。今回はスナップオンの製品は9mm以下のミリのコンビネーションレンチを買いました。HUMMERもエンジンの一部にはmmの子ネジを使っているので管理がやりやすいのでセットで購入しました。定価はプレステ並みでしたが、これも以前のキャンペーンの価格で購入できました。スナップオンのディラーはスナップオンの製品以外にもクニペックス(ニッパーが有名)バーコ(モンキーが有名)等の優れた物を販売しています。
今回は信濃というメーカーのメカニカルソーを購入しました。今までアルミ・鉄・プラスチック等の板を切る時に、エア駆動のジグソー(エアーソー)を使っていましたが、ちょっとしたタイミングで止まってしまったり、前後の動きが早すぎて擦るばっかりで切り込めない時に空気圧を落として使うと止まる事が更に多発していました。ランドマップで、エンストをしない物があると言われて見せてもらった所、確かに空気圧を落としても止まりませんでした。「信濃」と言うメーカーはエアツールでは有名で、当方もエアラチェットを持っています。従来のこの手の物はピストン式ですから高速運転でも運動方向が反転する時に速度がゼロになるポイントが出るので構造上ちばん縮んだ時と伸びた時に抵抗が大きいと止まります。今回購入した物は駆動部は回転式のエアモーターで駆動源にはデッドポイントが無いので一定の空気圧さえあれば止まる事はありません。今回も購入して思ったのですが本当にパッケージにはがっかりです。国産の家電品は最近とてもおしゃれですが、どうもこの手のプロ用は製品に注力しているのでしょうが、がっかりです。本体は形状、仕上げ、使いやすさのどれも満足のいくものです。保護用のホースは自分で自分のホースを切らない様にし排気もここを通してオイルの混じった排気で衣服を汚さない気配りらしくて購入者の気持ちをくすぐります。付属品も多数あって、取扱説明書も親切で解りやすくて、よく読むとヤスリも取り付ける事が出来るそうなので、使い道が広がりました。
日曜日から奮闘している下田さんに連絡した所、スターターを回した時の金属音はバックラッシュを大きくした所、音は更に大きくなったみたいです。そこで、逆にバックラッシュを狭くした所、未だ音はしますけど小さくなったようです。リングギヤとスターターのピニオンギアのピッチは運用しているうちに広くなる事はあっても狭くなる事は無いので、この処置は理にかなっていると思います。枚数は明らかにピニオンのほうが少ないのですけど、硬度はピニオンのほうが硬いらしくて、今回はリングギアが減ってしまいました。当然、多少はピニオンも摩耗しているので近いうちに交換するようです。

2004.6.21.    石飛 毅氏

先日の健康診断の結果が出て、血圧が高めで減量しろと書いてありました。
塩分も控えなければいけないようです。体重は先生の所にお世話になった頃から7kg増えて85kgです。身長が185cmですから普通かと思っているんですけど健康診断上では太っているそうです。胃の状態が良くなって吸収がいいから体重が増えたのでしょうか?これからの夏痩せに期待しています。
土曜日の朝に、95年式を動かそうと思って下を見るとオイル漏れを発見!HUMMERをどかして油種を見るとATFでした。HUMMERの下にもぐって見るとATFがクロスパイプにも滴っていました。同時にエンジンオイルもにじんでいますが、これはHUMMERのある意味では持病ですし、放置時間が長いので当たりが出るまでは仕方が無いのですがATFは駄目です。折角アンダープロテクターガードも取り付けたのですがもう一度オイルパンをはがして接触面を整えないとなりません。
ミドリさんも現在、フレームの腐食部分やシャーシブラックを剥がして部分的な補修塗装をしているのでミドリさんに塗装して乾燥待ちの間、95の作業をする事にしました。ATFのオイルパンを外すにはオプションのアンダープロテクションガードを取り外し、ミッション後方を支えているクロスメンバーを取り外します。一見クロスメンバーを外さなくても取れそうに見えますが、オイルパンの部分にもオイルフィルター当があるので上手くオイルパンを抜く事ができませんし、万が一抜けたとしてもオイルパンに残っているATF(ドレンボルトからは完全にATFは抜けません)を浴びる事になりますので絶対に外してください。
オイルパンを外して中を見ると既にオイルパンの中にあるマグネットには金属粉が付いていました。合わせ面をきれいにして、傷を確かめてオイルストーンで磨きリユース可能であるガスケッを点検して多少リブの不安な部分に液体ガスケットを薄く塗って取り付けました。オイルパンの締め付けはシフトリンケージと共締めのボルトで中心よりのポルトから「の」の字を書くように外側に向かって締めこんでいきます。念のためにレベルゲージのパッキンもエンジンハッチをもう一度開いてレベルゲージガイドを抜いてパッキンを落ち着かせてから再装着しました。今までも土日の間にはATF漏れは認められなかったのですが、5日間置いておくと漏れているので、漏れの状態から前側からの漏れだったのでリアタイヤを持ち上げて2日間放置しましたが、漏れはありませんでした。
土曜日には平野さんがお見えになりました。エンジン積み替え作業は、今回のミドリさんや95HUMMERと同じく清掃しながらなので時間が掛かっているそうです、平野さんのHUMMERも海?(海岸)を走った履歴があるらしく腐食が多かったようです。これらの錆をワイヤーブラシでゴシゴシでは時間が掛かるのも仕方が無いでしょう。当方はサンドブラスターがあるので、ブラストを掛けてから塗装する方法を95HUMMERからやっています。(友の号の一部のボルトは先日見たら錆が出ていましたので、そのうち補修したいと思います。)平野さんは航空機の整備関係なのでワイヤーリングの方法を教えてもらいました。松原さんのサンドベージュに取り付けるデスクブレーキのボルトはワイヤーリングが必要なので自己流ではいけないので正しい方法を会得しました。所が(多分)、当方のワイヤーツイスターは平野さんいわく「だめ物」で今使っている0.8mmのワイヤーにもきついようです。未だ工具に凝っていない時に「スーパーチープ」というお店から買ったのですが、やはり安物でした。平野さんは仕事ではプロトのツイスターを使っているそうです。もちろんツイスターを今週買います。
日曜日は、ミドリさんのフレームの塗装です。先般も書きましたが、普段手の入らないところには錆があり見えている所は、錆びはないのですが表面がケーシー高峰(古いですか?)の様に凸凹しています。これは見える所にタール系の黒ニスが塗られているためで、この上にラッカーを塗っても仕上がりは良くありません。黒いニスはカラカラに乾燥していませんのでネバネバしています。これを取るためにワイヤーブラシやサンドペーパーでも直ぐに目詰まりしますので。エアポリシャーにセラミックサンダーを付けて取りました。黒ニスを取ると予想の道り下から錆が出てきました。塗装は缶スプレーを使っているので塗膜を厚くするのには回数が必要です。フロントバンパーは程度が良かったのですが、周りが綺麗になってくると欲が出てドンドンと塗装の範囲が広がってきます。松原さんもフルメッキの大型バイク(写真忘れました)でやってきて綺麗なミドリさんに満足そうでした。ヘリコプターフックの改造が終わったらガン噴きしようかと思案中です。
下田さんの長男がハンビーのスターターがおかしいと連絡があり、内容を聞くとリングギヤが削れているようでした。症状としてはスターターを回すと「ギャー!」と金属音がしてエンジンを回す事ができないようでした。かと言って毎回ではなく時々何事も無く回る事があるそうです。念のためにスターターをガレージに持ってきてピニオンの様子を見たところ多少摩耗はあっても特に問題は無いようでした。リングギアの交換はミッションとエンジンを一応分離しないと出来ません。ハンビーはミッションの長さが短いのでエンジンとミッションを繋いでいるボルトが6.5Lエンジンはメートルネジで、6.2LはUNFネジだったので念のためにボルトを抜いてボルトを長いボルトに変えてこれらをガイドにしてずらせば一番面倒なエンジンとミッションの締結が楽なので先ずボルトの購入する事を伝授して、リングギアは在庫の中古品で殆ど使っていない物を渡しました。ミッションをずらすのに便利なので汚れてはいましたけどミッションジャッキーを貸してあげました。(キット綺麗になって帰ってくるでしょう)
夕方連絡があって作業は無事終了したそうですが未だ金属音がしているようです。一応ストックで壊れたのだからデフォルト状態のリングギアとピニオンのバックラッシュが少ないために起きたトラブルですからエンジンとスターターの間にシムを入れて調整する事を薦めたのですが、どうやらそのままの状態で取り付けたようです。本人もラジコンで散々苦労したので、この辺の理屈は解っているので早々に対処するでしょう。
下田さんは最近多額のローンを組んでスナップオンの工具を買っているようです。平野さんも結構工具を買っているようです。HUMMERを飼うにはお店に修理代を払うか、工具を買うか2つの道がありますけど、経験上お店に修理代を払う方がお得です。工具マニア地獄は大変ですから。
上口さんもご自分でボディーリフトをした後40インチのMTRとアルミホィールを導入したようです。どんなホィールにしたのかは解りませんけど、友野さんのHUMMERに40インチが付いていても余り参考にならないのでぜひ見てみたいです。


 

2004.6.12.    石飛 毅氏

土曜日はやっと天気がよくなったので、95HUMMERのデフとトランスファーのオイルを交換しました。
リアデフは量は少なめで汚れは酷くドレンボルトのマグネットはアフロヘアーのようでした。フロントも量は少なめでしたが汚れはリアほどではありません。問題なのはトランスファーでATFの赤い色とはかけ離れた醤油のようでした。量のほうは十分で汚れ具合からすると初めての交換?かも知れません。ちなみにデフは交換した形跡はありました。(ドレンボルトに合わないレンチを入れた後がありました。)
当方のHUMMERに折角おしゃれなハンドルを付けたのでパネルをハンドルの色に合わせて塗装しました。ハンドルのスポークの部分は塗装が厚くて艶がありますので塗装の回数を増やして厚塗りしました。長年使っているメーターなので、少し塗装が剥げているので枠の部分にも同じ色で枠だけ塗装しました。この部分の塗装は、スナップオンのロールキャビネットの補修用のマニキュアタイプの塗料がありましたので手塗りです。また、先日購入したピンバッチをハンドルの皮の部分にブチッと刺した所案外はまっていたので、回転止めのために、一度外してブチルゴムを塗り付けて再度ブチッと差し込みました。このシリーズで抜き文字のHUMMERもあるので、今度買って見ます。塗装をして走っていると昼間はパネルが目立ちすぎて騒がしいです。そのうち慣れるでしょう。嫌になったらまた塗ればいいですから。
ミドリさん新しいエアコンを積み込みました。何度やってもあの大きいユニットを入れるのは面倒です。それでもそれ以外はぐーんとメンテナンス性が上がるから良いです。足回りのところどころが錆びているのですけど、恐らくシャシーブラクを何度か塗られているので表面が凸凹しています。シャーシブラックは塗料と言うよりアスフアルトみたいなもので塗料より割安です。昔は綺麗に見せるために車検の時に足周りとかに下地は何もしないで汚れとかの上からドンドン塗っていました。みどりさんもそんな感じです。ペーパーで汚れを落としてサフェーサーを塗って塗装してみますけど、フロントのロアーアームは目立つので、もう一度やり直しが必要かもしれません。

2004.6.12.    石飛 毅氏

95年のエンジン積み替えが終了しました。
昨日残りの部品が着きましたけどヒーターの切り替えバルブは、欠品?らしく未だ来ていませんけどもまだ冬までは時間がるのでエアコンの配管を行いました。以前このHUMMERは高圧のホースのうちレシーバータンクからフロントのエバポレーターへ行く配管が交換してあります。この配管は途中で2又になっててリアのエアコンへ分岐されています。リアへの分岐はこの配管にはジョイントがあるので別部品です。95年式のオリジナルの設置方法では、この配管の短いゴム部分を小さなRで曲げられているので、当方のHUMMERはストレスで配管が1年も持ちませんでした。このHUMMERの場合も恐らく新車当時からの配管は短命であったと思われます。交換作業をされた方は当方と同じく、元のままではまた直ぐに破損すると考えたらしく出来るだけ直線的に配管の取り回しを変更していました。残念だったのはジョイントの締め付けが弱かった事でした。これが解ったのは手で緩むぐらいだったので手で回した所元も回っていたからです。ジョイントの元はちゃんと六角になってりますが、断熱材に埋もれてて解りにくいので、手で回して幾ら締めても元が回ってしまうために十分締めこめなかったんだと思います。
今回交換した配管はフロントのエバポレーターからコンプレッサーそしてコンデンサーへ行くルートで途中にリアエアコンからの割り込みと、コンプレッサーへの取り付けベースガスのインレットが全て一体になっています。ジョイントのOリングとガスケットはもちろん新品に交換しました。先ほどの手で回ってしまう部分が非常に気になったのですが、一応真空引きをしてゲージが十分に下がった状態で10分ほど放置してもゲージが動かないので一応大丈夫なようでした。しかし真空引きでは問題が無くても配管内は加圧状態になると反対側の力がかかるので漏れる事が稀にあります。
今日は雨なので真空引きはスナップオンのディラーさんから教えて頂いたように、4-50分真空ポンプで引いておきました。最初の2本を高圧側で入れた後にエンジンを掛けて低圧側から入れようとしたところ、エアコンのコントロールパネルの温度表示がフラッシュしています。これはヒーターバルブ駆動用のサーボモーターを外していたためで、ヒーターバルブが固着してモーターが動きたいのに動けない時やモーターが取り付いていない時にこの表示になります。一応クーラントが漏れない様に固着しているバルブを付けていましたが、モーターは取り外しておきましたので、バルブとモーターを分離した状態で車体に取り付けておく事にしました。
ここで問題発生、エンジンを掛けて「AC」のスイッチを押してもクラッチがONにならないのです。一番怪しい所はレシバータンクの圧力センサーで、コンプレサーの保護のためにガスの圧力が無い時にコンプレサーを回さないようにしています。テスターで当たると圧力スイッチに導通が無いので、とりあえず中古のスイッチと交換して、テスターで当たると導通がありました。配線を繋いで「AC」スイッチを入れると無事コンプレッサーが回りだしました。マニュアルの気温に合わせて高圧を1.2Mpaにまでガスを入れたところ、今回は1000g入りました、気温が低いので利きの方は寒いぐらいでしたが、これ以上入れるのは怖いので、また後で帳尻を合わせたいと思います。エンジンハッチを締めて、センタートンネルカバーは乗せているだけにしました。この部分はオーナーが外してきましたし、今後何度もご自身で開ける事があるので勉強のために残しておきます。
念のためにエンジンルームを点検しているとATのレベルゲージが振動していました。このHUMMERは手に入れたときにこのレベルゲージのケースが割れていて新しい物と交換しました。以前下田さんのHUMMERもレベルゲージが折れたことがありました。NAエンジンの場合この部分が共振する事があるようです。転がっていたスポンジを挟んだ所止まりましたので、何か恒久的な対策が必要でしょう。これで1ヵ月に渡る作業が完了ですけど何しろ試乗が出来ないので、ナンバーが付いて走る事が出来るようになったら再点検をしたいものです。この間大至急部品を調達してくれてエンジンを無償で譲って下さった友野サン、途中で作業を中断する事を快諾して下さった松原さん有難うございました。またもとのペースに戻ります。

ここのところ季節柄エアコンが動かないとか、冷えないとかの事例が多いので、今専用のマニュアルを作成しています。今までの事例とかスペックとかを読みやすくしております。地方の方で業者さんに作業をお願いする時にあると便利でだと思います。未完成なので、ご入用の方はEメールにて連絡ください。現在はトラブルシューティングの部分を作成しております。

毎年恒例の HUIMMER STUFF へ注文しました。段々商品量は多くなってきましたが、やはり「H2」物が増えて「H1]物は減っています。ただ「HUMVEE」物は少し増えているようです。そのうちに無くなると困るので、ピンバッチとキーホルダーも買ってみました。色々買って400ドル前後でしたが注文後に100ドルがどうのこうのというメールが来てどうやら100ドルを超えているのでカードが使えないと言う物でした。友野さんに聞いてみると「このお客さんは毎年カードで沢山買っているのに、急に使えないとは何事だ!」とメールしてくれたお陰で無事手元に届きました。


 

2004.6.7.    石飛 毅氏

ミドリサン作業再開です。
入梅らしいですけど久々に屋内作業は快適です。外とは異なり、足場も良いので快適に作業が出来ます。ミドリサンは部品も揃い、先ずはエアコンの取り外しを行いながら、エンジンルームの清掃、腐食部分の塗装です。パワステのポンプも赤い固まりになっていますので地道に錆を落として塗装。エンジンの回りにはオイル、グリス、錆の3姉妹がフレーム、足回りに飛び散っているので、パーツクリーナーでふき取り塗装したので気分が良いです。パワステの配管も揃っているのですが、エンジンを組み込んでから新しいパーツにします。エンジンルームに入って作業をしているとATの配管が劣化していてATFが漏れているので、これも交換しないといけません。バイパス用のチェック弁も油だらけでしたが、これは配管を伝わって来たATFによるもので本体からの漏れでは無いようです。写真は手ブレが多くて見苦しいので、次回送ります。

2004.6.6.    石飛 毅氏

95年式の仕上げに入っています。
パワステのオイルを入れ替えしましたが、未だ古いオイルが混じっているので、今日見たらイチゴミルク色だったので、もう一度ドレンアウトしてフラッシングしました。エンジンオイルはオイルクーラーを初めとする滞留部分に行き渡ったので1L追加、ATは規定量でした。何しろナンバーが無いので試乗出来ないのは困った事です。ガレージでアイドリングで放置とか10M位を前後するだけの状態では判らない部分が多すぎます。
今のところ順調で、エンジンを載せて直ぐにはクランクからの多少のエンジンオイル漏れがありましたが一回ふき取ってその後は止まっちゃいました。暫く掛けていないエンジンでは良くあるのですがシールの座りが悪かったのでしょう(としておきます)。バッテリーがオーナーから2個届きました、一緒に浅井さんからも、先日HUMMERの中にヒロシが置き忘れた工具も届きました。此処の所ヤマト運輸のドライバーが当方のガレージに頻繁に来るので、出来るだけ仲良くしています。住所の最後に「ハマーのガレージ」と入れておくとちゃんと届きます。このままで行くと狭山市「ハマーのガレージ」で届きそうです。ぜひそうしたいので、何か当方に送るときは時間指定で送ってみてください。電話番号は、もしものために携帯の番号が良いですね。
話を戻します。今まで一個だったバッテリーはトップターミナルで、今回送られてきたのはサイドターミナルです。HUMMERのプラス側はスターターから来ていますけど長さが短くて、オプチマのバッテリーを付ける時には苦労します。このケーブルが短い為に、トップまで届かなかったらしくてプラス側は渡りのケーブルをメインのケーブルにボルトで止めてビニールテープをその部分に巻いてありりました。そのためにプラス側は2個化の問題はありませんでした。しかしプラス側の渡りケーブルは何処にもありません。仕方が無いので以前アメリカでサイドターミナル用の端子を買ってあったので、これを使って渡りを付ける事にしました。
現在当方の手持ちで一番太いケーブルはアーシング用のケーブルしか無いので、本来はもう少し太いケーブルにしたいのでこの部分はオーナーにお任せします。バッテリーに止めるボルトもありませんので、ガレージにあるありあわせですけど高級品を使いました。なぜか、バッテリーを抑える板金は、車内にありましたが、フックはありません。これもロングボルトとナットで代用できます。もしかするとホームセンターに似たような形状のフックがありそうです。足回に関しては、フロント右だけハブリダクションのオイル交換しましたけど、残りの3輪も交換しました。やはりフロントはオイルの量も状態もドレンプラグのマグネットに付いたカスの量も痛い状態でしたが、リアは未だ使える位綺麗でした。グリスのリパックも水中ブルトーザー用のグリスで行いました。作業中気が付いたのですが、グリスポイントによって明らかに以前グリスを差した後があるところ、全く触った形跡の無いところがあり、以前さしたグリスの種類もモリブデン系だったりイモだったり様々です。恐らく系統だって作業をしていない様です。
ステアリングリンケージ類も多少のガタはありますけど賞味期限内と思われます。これも実際に走ってみないと判りませんし、タイヤも磨耗してますので、タイヤが悪いのか?リンケージ類が悪いのか判断が鈍る様相です。現在出来る残り作業は、室内のカバーの固定、デフとトランスファーの油脂交換で、あと残りはACホース、ヒーターバルブ待ちと言う所です。でも、エアコンのエバポレーターやリキッド(レシーバー)タンク、コンプレッサー等の要素が健全な状態であるかは未だ判りません。少し怖いです。
今日、廣田さんから「時々アイドリングでエンジンがガタガタ言うんです」と電話があり、手に負えない様なのでこちらに来てもらう事にしました。夕方、廣田さんがHUMMERで来た時点で、アイドリングの時エンジンが息ついて、止まりそうで止まらないポンコツ状態言う症状が出っ放しでした。時々出る不調の修理は凄く難しいですけど、今回のように目の前にその状態があるのは判りやすいです。良く、電話で症状を色々聞かれるんですけど、現物を前にしないと頓珍漢な事を行ってしまう事もあります。やはり持ってきてもらうのが一番です。今回の不調はアイドリングだけで、走行中は特に問題は無いようでした。エンジンが一発で掛かって、普通に走ってアイドリングだけで不調と言う事は今までの経験上原因は燃料系と判断して作業を開始しました。
先ず、燃料のエア抜きを行って様子を見る・・・症状は変わりません。次に疑ったのはTURBOでの一番多いトラブルは噴射ポンプ横のFSDですが、先般トムラガレージの社長から、オプチカルセンサーのコネクターのトラブルで不調だったHUMMERがあるという話を聞いたので、これらのコネクターは触りやすいのでコネクターを一旦抜いてコネクターのピンに曲がりや断線が無いかを点検し、キチント差し込みます。HUMMERのエンジン周りのコネクターは防水パッキンが使われていますので、このパッキンがキチント収まっていないと接触不良の原因になります。コネクターを慎重にさしこんで、エンジンを掛けると一発で始動しアイドリングは・・・・・治りました。修理時間5秒です。
当方もまさかと思い念のために試乗してもらい廣田さんが帰って来ると少々暗い顔をしています。駄目か?と思い調子を聞くと「エンジンは良いんですけどACが動かないんです」。エンジンがよければ良いじゃないかとは思ったんですけど、気を取り直して「今動かなくなったのか?」と聞くと、どうやら今年に入ってACを使うのは始めてで、来る時も暑かったんだけど、エンジンに負担を掛けてはいけないと思ってACは使わないで来たようです。エンジンの調子が戻って、調子に乗ってACのスイッチを入れたら全然駄目だった様です。一応ACのスイッチを入れてもらいエンジンルームを見るとコンプレッサーのスイッチが入っていません。レシーバータンクのプレッシャースイッチをテスターで当たると導通ありで良好、外気温センサーも導通ありで良好。ロケーションアドレス「2Cヒューズ」は切れてナーイ、コントロールパネルの表示もOK、クラッチの電圧を測ろうとクラッチのコネクターを見ると何か変?老眼でよく見えないのですけど、遠目から見てもコネクターが溶けたように変形していました。
老眼鏡を掛けて見ると信じられない事に車体側のコネクターはケースが無くてバラ線状態で先端にコネクターから抜いた状態のピンが直接クラッチのコネクターに1本づつ差してあって、その上からブチルゴムを押し付けて隙間を埋めていました。ひょいと引っ張ると直ぐ抜けました。これではいけないと思い何か同じようなコネクターが無いか事故車を探りましたけど形状が特殊で他のコネクターとは異なるため取りあえずそのままにしておきました。その線の電圧を測った所0V、クラッチが壊れているかも確かめるために直接荷電するとクラッチはカチッと良い音を発して動作はしていました。クラッチの電源が入らないのが原因です。
このトラブルは非常に多くて、以前ミドリサンがランドマップにAC修理で入った時もこれと同じ症状です。原因はコントローラー内の抵抗が自分の発する熱で断線しまうという物です。対策は抵抗をワット数の大きい物に交換します。ミドリサンのコントローラーは当方が修理しましたが、今回は、手持ちに抵抗が無いので前回ミドリサンのコントローラーを蘇生させたのは当方と言う事で、勝手にミドリサンのコントローラーを拝借して交換したところ無事、クラッチがパチッと動いて修理完了。どうせミドリサンはレトロフィットキットと交換するので、こんな古臭いコントローラーは3000円ぐらいで売るだろうと勝手に決めて、廣田さんには「今度松原さんにあったら3000円払っておいて」と言っておきました。
これで終わりと思ったところ、一難去ってまた一難、やっとコンプレッサーは回ったのですけど、噴出し口からの風は全然々冷えて居ません。どうやらGASが少ないようです。廣田さんの話だと毎年5缶位ガスを入れているそうです。冷媒の様子を見るためにマニホールドゲージを当てると低圧側と高圧側の圧力差は殆ど無くて、低圧側からガスを入れても1次側ばかり景気良く上がって2次側は殆ど上がりません。これでは冷風は出ません。スナップオンのチラシを見ると、どうやらコンプレッサーがお亡くなりになって居るようです。ガックリする廣田さんに、今度お金を貯めて当方と一緒に「新品」を買おう!と腰に手を当てて握り拳を上げて誓い合ったのですが、金欠の当方と廣田さんはどうも元気がありません。
そこで、先ず当方のHUMMERにミドリサンが棄てたコンプレッサーにコンプレッサーオイルをデリバリー側とサクション側に30mlづつ入れてコンプレッサーをしこしこ手で回してからHUMMERに取り付け、真空引きをして、先ず1缶目を高圧側から液状で注入、その後エンジンを掛けて低圧側からガス状で少しづつ入れると先ほどは低圧が0.3Mpsの時にでも高圧は0,6Mpsしか上がらなかったのですが、低圧が0.175Mpsでも高圧が1,25Mpsまで上がるようになりました。そのままトータル4缶入れて見るとHUMMERの中は冷え冷えです。これで当方も今年の夏を乗り切れる事になりました。その様子を見ていた廣田さんは中々帰りません。奥さんから何度も電話があっても帰りません。センシシビティーな当方は空気を読んで一応オイル入れてみる?と聞くと廣田さんはニッコリしてコックリうなずき、コンプレッサーを車載のまま配管を外して注油し、後は当方のHUMMERと同じ作業をしたところ、廣田さんのHUMMERも無事復活!
でも、少し当方のHUMMERと廣田さんのHUMMERは違っていました。当方のHUMMERはフロント、リア共に良く利き、両方からダラダラドレンが垂れていました。しかし廣田さんのHUMMERはリアはとても冷たいのにフロントはNGです。ドレンもリアしか出ません。ガスは一応4缶入れてあるので、圧力は充分なはずです。恐らくフロントのエキパンが詰まっているか、詰まり気味か何れにしてもエキパンが冷媒を吹いていない様です。HUMMERのエキパンはフロントとリアが並列なのでどちらかのエキパンが詰まっててもゲージでは一応OKと成ります。詰まり等で抵抗のデカイエキパンには殆ど回らない様です。
ガスの追加はオーバチャージが怖いので、マニュアルを見るとガスの量は3ポンド2オンスと書いてあるページと1ポンド8オンス(W/OリアAC)、1ポンド14オンス(WithリアAC)と書いてあるのです。しかも1ポンド13オンスって言う書き方はなんか変な気がします。本当は1ポンドって何オンスか知らない(多分12オンスじゃぁねーかと、言う意見が一番多かったです)分けて書いてある方を足すと多分3ポンド2オンスになりそうなので更にややこしくなって、どちらを信じて良いのか迷いましたが、どうせ壊れていたコンプレッサーという事で自分に都合の良いほうを選んで後2本ガスを追加する事にしました。ゆっくり1缶目を追加していると廣田さんが「ド・ドッ・ドレンでましたぁ!フロントからですぅ。噴出し風もピリッと冷たいです!」と大喜び、高圧側も一旦1.5Mpsまで上がったのですけど、また1.25Mpsまで落ちてきました。でもフロントが効いています。どうやらフロントのエキパンの詰まりが取れたみたいです。死んだコントローラーをこげた抵抗を交換して再生した物と交換。死んだコンプレッサーを再生。詰まったエキパンを無理やり清掃。こんな修理はインチキですから真似しないで下さい。
少し心配なのは、日中の暑い時どれぐらい冷えるかです。あと1本追加しようかなぁと思っています。明日様子を見て結果を報告します。廣田さんは、作業中、奥さんから何度も電話がありましたが、本日の作業は症状の割りにエコノミーな修理だったんので、廣田さんは途中で帰れないし、本当だったら高額な修理だけどエコノミーな修理だから帰れないとでも言えば、本当ならそんな金が掛かるものなんか手放せと言われそうで言えないみたいで御気の毒でした。ククククク・・・・
 

 2004年5月